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第四章:矛盾の解明
第四章:矛盾の解明 14
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「今、枝橋さんたちが死体を下ろしていろいろやってるみてぇだからよ、悪ぃけど他の二人にも伝えておいてくれねぇかな?」
「あ、はい、それくらいはもちろん……」
動揺するようにカクカクと頷く由奈さんを確認して、昇さんは顔を引っ込めドアを閉めた。
「あ、ちょっと待って下さい!」
閉められたドアへ慌てて声をかけ、腰を浮かしたのは部長だった。
そのまま早足で入り口に向かい廊下へ出ると、まだ近くにいた昇さんを呼び止めた。
「あの、すみません。昇さんに一つ訊きたいことがあるんですけど、良いですか?」
廊下に立つ部長の声が、室内にも届く。
「あ? 何だよ、こんなときに」
「あのですね、こういった質問をするのは失礼極まりないとわかってはいるんですけど、梅木家の人たちって誰かから恨まれていたりはしませんか?」
「はぁ?」
不躾な部長の問いに、昇さんが間の抜けた声を漏らしたのがわかった。
「ち、ちょっと孝介、あんた何を訊いてんのよ!」
慌てた由奈さんが、即座に部長の元へ駆けていく。
「こんなときに不謹慎でしょうが!」
本気で怒っているようで、乱暴に部長の腕を掴むのが動作から理解できた。
「いや、それはもちろんわかっているよ」
だが、叱られた本人は全くもって意に介した気配を見せず、淡々とした口調で言い返してきた。
「でもね、僕は今確信に近いものを感じたんだ。碧さん、晴也さん、竜久さん、そして次は村長だ。犯人はたぶん、梅木家の人間を殺すことを目的に動いているかもしれない」
「え?」
「……どういう意味だよ、それ」
大人二人の怪訝な声音が、同時に響く。
「僕の勘違いや思い過ごしかもしれませんけど、殺された人はみんな梅木家の人間である以上、そこに恨みを抱く人物がこの村に紛れ込んでいる可能性が高いんじゃないかなって思いまして。碧さんと晴也さんが殺された時点では夫婦に恨みがあるのかと憶測を立ててましたけど、ここまでくるとそれは完全に見当違いだ。梅木家そのものがターゲットになっていると考えた方がしっくりくる。……村長が殺されと聞いてそう思ったんですけど、どうですかね?」
「どうっつわれても……。俺は所詮居候みたいなもんだぜ? そんな込み入った話なんざ知らねぇよ。んなことに興味が沸いたんなら、俺じゃなくて婆さんにでも聞きゃ良いさ」
昇さんが鼻で息をつくのを、ドア越しに察っすることができた。
「気になるのもそうなんですけど、心配なんですよ。犯人が梅木家そのものに狙いを定めているなら、次に襲われるのは千賀子さんか昇さんってことになる。一応、警戒しておかないと――」
「くだらねぇ、何も問題ねぇよ」
部長の台詞を遮り、笑い飛ばす村長の甥。
そんな二人のやり取りに、俺たち三人は無言で聞き耳を立てる。
不安そうな桜とアイコンタクトを交わし、 蓮田は一人足元に目線を固定したまま、身動きすらなくじっとしていた。
「仮にお前の言う通りだとしても、婆さんには普段から仲の良いお茶飲み仲間が張り付いてるし、俺だって馬鹿じゃない。そう簡単に殺されてなんかやらねぇよ」
むしろ、逆にぶっ殺してやるさ。
そう言って最後に短い笑い声をあげると、昇さんの足音が遠ざかっていくのがわかった。
「あ、はい、それくらいはもちろん……」
動揺するようにカクカクと頷く由奈さんを確認して、昇さんは顔を引っ込めドアを閉めた。
「あ、ちょっと待って下さい!」
閉められたドアへ慌てて声をかけ、腰を浮かしたのは部長だった。
そのまま早足で入り口に向かい廊下へ出ると、まだ近くにいた昇さんを呼び止めた。
「あの、すみません。昇さんに一つ訊きたいことがあるんですけど、良いですか?」
廊下に立つ部長の声が、室内にも届く。
「あ? 何だよ、こんなときに」
「あのですね、こういった質問をするのは失礼極まりないとわかってはいるんですけど、梅木家の人たちって誰かから恨まれていたりはしませんか?」
「はぁ?」
不躾な部長の問いに、昇さんが間の抜けた声を漏らしたのがわかった。
「ち、ちょっと孝介、あんた何を訊いてんのよ!」
慌てた由奈さんが、即座に部長の元へ駆けていく。
「こんなときに不謹慎でしょうが!」
本気で怒っているようで、乱暴に部長の腕を掴むのが動作から理解できた。
「いや、それはもちろんわかっているよ」
だが、叱られた本人は全くもって意に介した気配を見せず、淡々とした口調で言い返してきた。
「でもね、僕は今確信に近いものを感じたんだ。碧さん、晴也さん、竜久さん、そして次は村長だ。犯人はたぶん、梅木家の人間を殺すことを目的に動いているかもしれない」
「え?」
「……どういう意味だよ、それ」
大人二人の怪訝な声音が、同時に響く。
「僕の勘違いや思い過ごしかもしれませんけど、殺された人はみんな梅木家の人間である以上、そこに恨みを抱く人物がこの村に紛れ込んでいる可能性が高いんじゃないかなって思いまして。碧さんと晴也さんが殺された時点では夫婦に恨みがあるのかと憶測を立ててましたけど、ここまでくるとそれは完全に見当違いだ。梅木家そのものがターゲットになっていると考えた方がしっくりくる。……村長が殺されと聞いてそう思ったんですけど、どうですかね?」
「どうっつわれても……。俺は所詮居候みたいなもんだぜ? そんな込み入った話なんざ知らねぇよ。んなことに興味が沸いたんなら、俺じゃなくて婆さんにでも聞きゃ良いさ」
昇さんが鼻で息をつくのを、ドア越しに察っすることができた。
「気になるのもそうなんですけど、心配なんですよ。犯人が梅木家そのものに狙いを定めているなら、次に襲われるのは千賀子さんか昇さんってことになる。一応、警戒しておかないと――」
「くだらねぇ、何も問題ねぇよ」
部長の台詞を遮り、笑い飛ばす村長の甥。
そんな二人のやり取りに、俺たち三人は無言で聞き耳を立てる。
不安そうな桜とアイコンタクトを交わし、 蓮田は一人足元に目線を固定したまま、身動きすらなくじっとしていた。
「仮にお前の言う通りだとしても、婆さんには普段から仲の良いお茶飲み仲間が張り付いてるし、俺だって馬鹿じゃない。そう簡単に殺されてなんかやらねぇよ」
むしろ、逆にぶっ殺してやるさ。
そう言って最後に短い笑い声をあげると、昇さんの足音が遠ざかっていくのがわかった。
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