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第四章:矛盾の解明
第四章:矛盾の解明 16
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【6】
――まったく。
従弟のあの性格は、何とかならないものか。
由奈は、急ぎ足で厨房へと向かいながら胸中で毒づいた。
大人しくしていてと頼んでも、なかなか言うことを聞く気配がない。
「こっちの苦労も知らないで……」
つい小声を漏らしつつ、歩き慣れた廊下を進む。
ひとまず渡辺さんへ話をして、その後に流森さんを探せばいいか。
そんな判断を下して行動に移ったわけだったが、結果的にそれが一番効率の良い方法であったことに由奈はすぐに気づく。
厨房に向かう途中の部屋に、流森の姿を発見したのだ。
――ちょうど良かった。
探す手間が一気に省けた。
コンコン、と開いた状態のドアを叩き、自分の存在を知らせる。
「あれ、由奈さんどうしたの?」
窓際の棚を掃除していた流森は、きょとんとした様子で振り返ると雑巾を手にしたまま近寄ってくる。
「仕事中にごめんなさい。実は、また事件が起きたみたいで……」
どう説明すべきか迷いながら、とりあえずそう切り出す。
「え……事件って、また誰か殺されたの?」
瞬時に表情を固くする流森へ小さく頷いてから、由奈は昇から聞かされた話をそのまま伝えた。
「そんな、村長まで殺されちゃうなんて」
一通り話を聞き終えると、流森は呆然としたように俯きまるで力が抜けたように両腕を垂らす。
「じゃあ、ここはどうなるのかな? 村長がいなくなっちゃったら、管理する人もいなくなるよね?」
弱々しく視線だけを向けてくる流森に、由奈は静かに首を振った。
「そんなこと、わたしにだってまだわからないですよ。ひょっとしたら、千賀子さんが引き継いでくれるかもしれないし」
「うん……。でも、大丈夫かな? ここまでずっと村長の家族が殺されてるし、もしかしたら女将や昇さんも……」
「……」
孝介と同じようなことを言うなと内心思ったが、当然そんなことは口に出さない。
ただ、ここまでの状況からしてそういった可能性を連想してしまうのは、仕方がないことではあるだろう。
「……ごめん、変なこと言っちゃったよね?」
由奈が口をつぐんだことで、自分の失言が原因と勘違いしたのだろう。流森は、罰が悪そうに眉を下げた。
「いえ、別に謝らなくても……。それより、渡辺さんにもこのこと伝えないと」
「そうね。あたしも一緒に行った方が良い?」
「あ……できれば、管理室に孝介たちがいるんで、付き添っていてもらえますか? 渡辺さんにはわたしから伝えますから」
由奈の立場として、あのメンバーを放置しておくのはいろいろと心配になる。誰かが側にいれば、ひとまずは安心だろう。
「みんなもう起きてるんだ? わかった、じゃああたしは管理室に行ってる」
「お願いします」
快諾してくれたことに謝辞を述べ、用意していたらしいバケツへ雑巾を入れる流森を見つめる。
「わたしも、渡辺さんに連絡をしたらそちらに戻りますので」
「うん、わかった」
一つ頷いて、流森は管理室へと歩いていく。
そんな彼女の後ろ姿をしばし眺めてから、由奈は再び厨房へと足を向けた。
厨房は元々学校給食を作っていた場所を一部改修して使用しており、場所は一階の一番端にある。
――まったく。
従弟のあの性格は、何とかならないものか。
由奈は、急ぎ足で厨房へと向かいながら胸中で毒づいた。
大人しくしていてと頼んでも、なかなか言うことを聞く気配がない。
「こっちの苦労も知らないで……」
つい小声を漏らしつつ、歩き慣れた廊下を進む。
ひとまず渡辺さんへ話をして、その後に流森さんを探せばいいか。
そんな判断を下して行動に移ったわけだったが、結果的にそれが一番効率の良い方法であったことに由奈はすぐに気づく。
厨房に向かう途中の部屋に、流森の姿を発見したのだ。
――ちょうど良かった。
探す手間が一気に省けた。
コンコン、と開いた状態のドアを叩き、自分の存在を知らせる。
「あれ、由奈さんどうしたの?」
窓際の棚を掃除していた流森は、きょとんとした様子で振り返ると雑巾を手にしたまま近寄ってくる。
「仕事中にごめんなさい。実は、また事件が起きたみたいで……」
どう説明すべきか迷いながら、とりあえずそう切り出す。
「え……事件って、また誰か殺されたの?」
瞬時に表情を固くする流森へ小さく頷いてから、由奈は昇から聞かされた話をそのまま伝えた。
「そんな、村長まで殺されちゃうなんて」
一通り話を聞き終えると、流森は呆然としたように俯きまるで力が抜けたように両腕を垂らす。
「じゃあ、ここはどうなるのかな? 村長がいなくなっちゃったら、管理する人もいなくなるよね?」
弱々しく視線だけを向けてくる流森に、由奈は静かに首を振った。
「そんなこと、わたしにだってまだわからないですよ。ひょっとしたら、千賀子さんが引き継いでくれるかもしれないし」
「うん……。でも、大丈夫かな? ここまでずっと村長の家族が殺されてるし、もしかしたら女将や昇さんも……」
「……」
孝介と同じようなことを言うなと内心思ったが、当然そんなことは口に出さない。
ただ、ここまでの状況からしてそういった可能性を連想してしまうのは、仕方がないことではあるだろう。
「……ごめん、変なこと言っちゃったよね?」
由奈が口をつぐんだことで、自分の失言が原因と勘違いしたのだろう。流森は、罰が悪そうに眉を下げた。
「いえ、別に謝らなくても……。それより、渡辺さんにもこのこと伝えないと」
「そうね。あたしも一緒に行った方が良い?」
「あ……できれば、管理室に孝介たちがいるんで、付き添っていてもらえますか? 渡辺さんにはわたしから伝えますから」
由奈の立場として、あのメンバーを放置しておくのはいろいろと心配になる。誰かが側にいれば、ひとまずは安心だろう。
「みんなもう起きてるんだ? わかった、じゃああたしは管理室に行ってる」
「お願いします」
快諾してくれたことに謝辞を述べ、用意していたらしいバケツへ雑巾を入れる流森を見つめる。
「わたしも、渡辺さんに連絡をしたらそちらに戻りますので」
「うん、わかった」
一つ頷いて、流森は管理室へと歩いていく。
そんな彼女の後ろ姿をしばし眺めてから、由奈は再び厨房へと足を向けた。
厨房は元々学校給食を作っていた場所を一部改修して使用しており、場所は一階の一番端にある。
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