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第四章:矛盾の解明
第四章:矛盾の解明 25
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「どうするんです? 怒られそうな雰囲気ですけど」
不安そうに桜が部長を見やると、言われた本人はヒョイと肩を竦めて口元を歪めて見せた。
「どうしようもないから、正攻法でいこう」
「正攻法?」
言葉を繰り返す桜はそのままに、部長は下の老人へ苦笑いを浮かべ返答する。
「すみません、僕たちも事件のことが気になっちゃいまして、流森さんに無理を言って連れてきてもらっていたんです」
「あぁ、あたしの名前もろに出された」
参ったと言うかのように顔を手で覆う流森さんをちらりと見て、俺は部長と自警団の会話へ意識を戻す。
「何を馬鹿なことを! こっちは今から慌ただしくなるから、さっさと宿に戻っとけ!」
「何かあったんですか?」
とぼけたように訊ねる部長に、老人はほんの僅か表情を固くした。たぶん、いちいち答えてやるべきか否かを迷ったのだろう。
「……巨大藤の近くにある池から、竜久の死体があがった。俺は今から枝橋呼びに行くから、お前らはその前に戻っておけよ!」
遅かれ早かれ情報が拡散すると諦めたか、事情を白状した老人は急いで車に戻りそのまま走り去って行く。
「……竜久さん、やっぱり死んでたんだね」
全員が言葉を失うなか、最初の呟きを吐いたのは桜だった。
「みたいだね。流森さん、今の人が言っていた池ってどこのことかわかりますか?」
桜の声に答えつつ、部長が流森さんを振り返る。
「うん、たぶんあそこかな。巨大藤から歩いて十分かからないくらいの場所に、薄暗い池があるの。そこだと思う。確めたことないけど、そこでよく竜久さんと昇さんが釣りしたりしてたらしいよ」
「なるほど。じゃあ、近いと言えば近いわけか。どうしようかな」
ボケをかますように変なことを言うリーダーの横顔を、桜が信じられないと言ったように凝視する。
「どうしようかなじゃないですよ。もうここでの用事は済んだんですよね? ならササッと戻りましょう、また叱られますよ」
「うん、でもここでただ戻るより、もう少し調べられそうなことは調べておいた方が良いと思うんだよね」
「ここにきて、何でそんな積極的になるんですか?」
「え? だって――」
鬱を含んだ後輩の問いに、さも当然と告げた部長の台詞は、
「――下手したら、今日のうちに救助が来る可能性があるわけでしょ? てことは、僕たちがこの事件の謎を調べるチャンスは、もうほとんど残されていないってことだ。だったら、少しくらい強引でもできることはやらないと後悔するでしょ?」
という、部長らしくどこまでも軽く単純なものだった。
不安そうに桜が部長を見やると、言われた本人はヒョイと肩を竦めて口元を歪めて見せた。
「どうしようもないから、正攻法でいこう」
「正攻法?」
言葉を繰り返す桜はそのままに、部長は下の老人へ苦笑いを浮かべ返答する。
「すみません、僕たちも事件のことが気になっちゃいまして、流森さんに無理を言って連れてきてもらっていたんです」
「あぁ、あたしの名前もろに出された」
参ったと言うかのように顔を手で覆う流森さんをちらりと見て、俺は部長と自警団の会話へ意識を戻す。
「何を馬鹿なことを! こっちは今から慌ただしくなるから、さっさと宿に戻っとけ!」
「何かあったんですか?」
とぼけたように訊ねる部長に、老人はほんの僅か表情を固くした。たぶん、いちいち答えてやるべきか否かを迷ったのだろう。
「……巨大藤の近くにある池から、竜久の死体があがった。俺は今から枝橋呼びに行くから、お前らはその前に戻っておけよ!」
遅かれ早かれ情報が拡散すると諦めたか、事情を白状した老人は急いで車に戻りそのまま走り去って行く。
「……竜久さん、やっぱり死んでたんだね」
全員が言葉を失うなか、最初の呟きを吐いたのは桜だった。
「みたいだね。流森さん、今の人が言っていた池ってどこのことかわかりますか?」
桜の声に答えつつ、部長が流森さんを振り返る。
「うん、たぶんあそこかな。巨大藤から歩いて十分かからないくらいの場所に、薄暗い池があるの。そこだと思う。確めたことないけど、そこでよく竜久さんと昇さんが釣りしたりしてたらしいよ」
「なるほど。じゃあ、近いと言えば近いわけか。どうしようかな」
ボケをかますように変なことを言うリーダーの横顔を、桜が信じられないと言ったように凝視する。
「どうしようかなじゃないですよ。もうここでの用事は済んだんですよね? ならササッと戻りましょう、また叱られますよ」
「うん、でもここでただ戻るより、もう少し調べられそうなことは調べておいた方が良いと思うんだよね」
「ここにきて、何でそんな積極的になるんですか?」
「え? だって――」
鬱を含んだ後輩の問いに、さも当然と告げた部長の台詞は、
「――下手したら、今日のうちに救助が来る可能性があるわけでしょ? てことは、僕たちがこの事件の謎を調べるチャンスは、もうほとんど残されていないってことだ。だったら、少しくらい強引でもできることはやらないと後悔するでしょ?」
という、部長らしくどこまでも軽く単純なものだった。
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