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第五章:幕引きと抵抗
第五章:幕引きと抵抗 6
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【4】
外は晴れているはずなのに、自分たちがいるこの室内はまるで分厚い雲で覆われた曇り空のように、重い空気に沈んでいた。
人が大勢集まっているのにも関わらず、まったくもって安心感が得られない。
「……」
全員に見つめられ、忌々しそうに唇を歪める梅木昇。
両親を亡くしたことをきっかけに、この屋敷へやってきた村長の甥。
村人たちからの評判はお世辞にも良いものではなく、ほとんどの人から嫌われていた人物であり、今回この村で起きた連続殺人の真犯人。
そのことを指摘したのは蓮田であり、当然彼女の見当違いという可能性もまだ完全には否定できない。
しかし、事件の真相として彼女から聞かされた話の内容は確実に彼が怪しい人物であることを物語っており、犯人である確率はほぼ百パーセントなのではないかとミスオカ研メンバー全員が確信している。
それ故に、今自分たちが置かれているこの状況は、かなりの精神力を必要とした。
理由はわからずとも、たった数日で人を四人も殺害した悪魔が目の前に対峙しているのだ。
知らなかったこととは言え、彼と行動を共にしていた時間を思い返すと鳥肌が立ちそうになってしまう。
時間にすれば、ほんの数秒か。
部屋に満ちた沈黙を破るように、昇さんはフンッと鼻を鳴らした。
同時に集まった人たちをざっと見回し、その口元を笑みで歪める。
「……ったく、くだらねぇ。みんなしてこんなとこに押しかけて何のつもりかと思ったら、そんなガキたちの探偵ごっこに付き合ってるんですか? 馬鹿馬鹿しいな」
呆れた、と言いたげに首を振り、昇さんは枝橋さんに向き直った。
「枝橋さん、あんたもあんただ。まさか、こんな高校生たちの言うこと真に受けてるわけですか? しっかりしてくださいよ」
「別に、ふざけているわけではないですよ。この子たちの話を聞いて、自分なりに正しいと思う判断をしたまでです」
侮蔑するような昇さんの視線を毅然と見返し、枝橋さんは言い返す。
ここに至る前に、枝橋さんとは入念に確認のやり取りをした。
蓮田や俺の思いつきが的外れではないか。どこかに思い込みや間違いが含まれていないか。
そういったことを一つ一つ確かめ合い、枝橋さんの協力を得るに至ったわけで。
その後は犯人をおびき出すこの作戦にも、快く手を貸してくれた。
「はっ、いったい何を吹き込まれてそんな旅行に来ただけの学生を買い被ってるのかしらねぇけど、俺から言わせりゃくだらないね。大体、何だって? 俺があの四人を殺した犯人? そんな証拠がどこにあるって言うんだよ?」
ジロリと、元警察へ向けていた視線を部長へスライドさせ、昇さんは不敵に言い放つ。
その殺人者からの威圧には微塵も動じる様子もなくニヤリと笑うと、部長はツイッと顎を蓮田へ向けた。
「あなたが犯人だと気づいたのは、蓮田くんです。彼女があなたのある不自然な行動に違和感を持ったから、事件の謎を解くきっかけができたんです。そして、その違和感の正体こそが、あなたが犯人である証拠の一つになっている」
「不自然な行動? 何のことだ?」
心当たりがないのだろう。
昇さんは、僅かに眉根を寄せて蓮田の顔を覗く。
「せっかくですし、そこは蓮田くん本人から話してもらおうか。良いかな?」
外は晴れているはずなのに、自分たちがいるこの室内はまるで分厚い雲で覆われた曇り空のように、重い空気に沈んでいた。
人が大勢集まっているのにも関わらず、まったくもって安心感が得られない。
「……」
全員に見つめられ、忌々しそうに唇を歪める梅木昇。
両親を亡くしたことをきっかけに、この屋敷へやってきた村長の甥。
村人たちからの評判はお世辞にも良いものではなく、ほとんどの人から嫌われていた人物であり、今回この村で起きた連続殺人の真犯人。
そのことを指摘したのは蓮田であり、当然彼女の見当違いという可能性もまだ完全には否定できない。
しかし、事件の真相として彼女から聞かされた話の内容は確実に彼が怪しい人物であることを物語っており、犯人である確率はほぼ百パーセントなのではないかとミスオカ研メンバー全員が確信している。
それ故に、今自分たちが置かれているこの状況は、かなりの精神力を必要とした。
理由はわからずとも、たった数日で人を四人も殺害した悪魔が目の前に対峙しているのだ。
知らなかったこととは言え、彼と行動を共にしていた時間を思い返すと鳥肌が立ちそうになってしまう。
時間にすれば、ほんの数秒か。
部屋に満ちた沈黙を破るように、昇さんはフンッと鼻を鳴らした。
同時に集まった人たちをざっと見回し、その口元を笑みで歪める。
「……ったく、くだらねぇ。みんなしてこんなとこに押しかけて何のつもりかと思ったら、そんなガキたちの探偵ごっこに付き合ってるんですか? 馬鹿馬鹿しいな」
呆れた、と言いたげに首を振り、昇さんは枝橋さんに向き直った。
「枝橋さん、あんたもあんただ。まさか、こんな高校生たちの言うこと真に受けてるわけですか? しっかりしてくださいよ」
「別に、ふざけているわけではないですよ。この子たちの話を聞いて、自分なりに正しいと思う判断をしたまでです」
侮蔑するような昇さんの視線を毅然と見返し、枝橋さんは言い返す。
ここに至る前に、枝橋さんとは入念に確認のやり取りをした。
蓮田や俺の思いつきが的外れではないか。どこかに思い込みや間違いが含まれていないか。
そういったことを一つ一つ確かめ合い、枝橋さんの協力を得るに至ったわけで。
その後は犯人をおびき出すこの作戦にも、快く手を貸してくれた。
「はっ、いったい何を吹き込まれてそんな旅行に来ただけの学生を買い被ってるのかしらねぇけど、俺から言わせりゃくだらないね。大体、何だって? 俺があの四人を殺した犯人? そんな証拠がどこにあるって言うんだよ?」
ジロリと、元警察へ向けていた視線を部長へスライドさせ、昇さんは不敵に言い放つ。
その殺人者からの威圧には微塵も動じる様子もなくニヤリと笑うと、部長はツイッと顎を蓮田へ向けた。
「あなたが犯人だと気づいたのは、蓮田くんです。彼女があなたのある不自然な行動に違和感を持ったから、事件の謎を解くきっかけができたんです。そして、その違和感の正体こそが、あなたが犯人である証拠の一つになっている」
「不自然な行動? 何のことだ?」
心当たりがないのだろう。
昇さんは、僅かに眉根を寄せて蓮田の顔を覗く。
「せっかくですし、そこは蓮田くん本人から話してもらおうか。良いかな?」
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