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第四章:風岡夏純――②
風岡夏純――②
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「茜!」
解放された友人へ近寄り、生死を確かめる。
完全に意識が飛び反応はなくなっているけど、死んではいない。
とは言え、手足を僅かに痙攣させながら横たわる姿に安堵を得ることはできず、わたしは即座に竜次へと振り返った。
逃げ延びられなければ、意味がない。
目に突き刺さったままの枝を、竜次は無造作に引き抜く。
「う……っ」
その先端に潰れた黒い目玉が付着しているのを見て、吐き気が込み上げる。
(どうしよう……)
茜を守るようなかたちで竜次と対峙するのは良いが、今の一撃で既に策は尽きている。
茜を放置して逃げれば、あるいは助かる可能性もあるのかもしれないがそれはさすがにできない。
片目を失い、黒い液体を流す竜次の顔がわたしを認識しまた不気味な笑みを浮かべてきた。
殺されて化物になり、何がそんなに嬉しいのか。
やるせない気持ちになりながら、わたしはそっと地面に手をつき体勢をずらした。
解放された友人へ近寄り、生死を確かめる。
完全に意識が飛び反応はなくなっているけど、死んではいない。
とは言え、手足を僅かに痙攣させながら横たわる姿に安堵を得ることはできず、わたしは即座に竜次へと振り返った。
逃げ延びられなければ、意味がない。
目に突き刺さったままの枝を、竜次は無造作に引き抜く。
「う……っ」
その先端に潰れた黒い目玉が付着しているのを見て、吐き気が込み上げる。
(どうしよう……)
茜を守るようなかたちで竜次と対峙するのは良いが、今の一撃で既に策は尽きている。
茜を放置して逃げれば、あるいは助かる可能性もあるのかもしれないがそれはさすがにできない。
片目を失い、黒い液体を流す竜次の顔がわたしを認識しまた不気味な笑みを浮かべてきた。
殺されて化物になり、何がそんなに嬉しいのか。
やるせない気持ちになりながら、わたしはそっと地面に手をつき体勢をずらした。
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