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決着
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空想を楽しむように闇を見上げる片桐を、ひとまず黙って見つめて待つ。
――馬鹿な無駄話で、悦に入ってくれてんなら好都合。
時間を稼がなければいけない。片桐が何か別のアクションを起こさぬよう見張りながら、現状を維持させる。
これ以上、自分たちに不利な戦局にされないように。
桜の見解では、十分もあれば準備ができると言っていたから、こちらとしてはさほど難しいミッションではない。
廃墟に戻るだけで、既に七、八分が経過している。あともう暫く耐えればきっと何とかなる。
準備を終えここへ戻る時間に少し手間取ることを配慮したとしても、桜ならそれほど時間が伸びることはないだろう。適当に片桐の注意を引き付けておければ何とかなる。
唯一、ガーディアンとの接触が心配だが、そこに関しては彼女を信じることしかできることはない。
「結局、お前は何を目指してるんだ?」
知りたいわけでもなかったが、訊ねてみる。
上げていた首を静かに戻し、片桐が再びこちらを向く。
「何って、さっき言わなかったかな? このリアルに僕の創造世界を融合させるのが――」
「その先だよ」
相手の言葉を遮り、言う。
「うん?」
意味が伝わらなかったらしく、片桐は怪訝そうに眉をしかめる。
「リアルに自分の考え反映させて、自己満足したいんだろ? それをした後に、今度はどうするつもりでいるんだ?」
「……さぁ。まだそこまでははっきり考えてないよ。でも、この能力があればいずれ何でもできるようになる。焦って考える必要がないでしょ?」
あっけらかんとしたその答えに理解できる部分を見いだせなかったが、それでも無理矢理言葉を捻り出す。
「そのイカれた能力で、自分に都合よく周りを巻き込んでいくつもりか? 何様って感じだな」
「仕方ないよ。たまたま僕には、他の人にはない力があった。突き詰めればそれだけの差さ。きみだって、自由に使える便利な道具が目の前にあれば、それを使うだろう?」
「ものによるだろ。それで他人を不幸にするなら、普通は使えねぇよ」
罪の意識を感じることもなく人を殺せるような物なら、尚更に。
「ふぅん。……新薬を作るのに、人は無害なネズミを利用する。きみは、そういうことにも文句が言えるのかい?」
「今度は屁理屈か?」
嫌味を込めて告げる。
「はぁ……。どうしてもきみは僕を敵対視するんだね。こっちはそんなつもり全然ないのにさ」
困ったように息をつき、片桐は首を振る。
「お前が桜を殺そうとするからだ。それに、ここで見過ごしたら町が大変なことになる」
そろそろ、予定の十分が過ぎた頃だ。しかし、まだ桜の戻る気配はない。
こちらへ引き返している最中か、ガーディアンを警戒して行動が慎重になってしまっているのか。確かめる術もないが、もう暫くは片桐を見張る必要がありそうだ。
「お前の訳のわからん遊びのために、俺たちが暮らしてきた町を滅茶苦茶にされなきゃいけないってのは、納得いかねーんだよ」
「楽しくないかな? 僕の創り出したドラゴンたちが、警察や自衛隊と戦うシーンとかさ。想像してみなよ、ワクワクしない?」
「するか馬鹿」
まさに吐き捨てて、俺は真っ直ぐに片桐を指差す。
「お前の考えは狂ってる。つーか、何だろうな? ガキか? リアルと妄想のコラボだかなんだか知らねーけど、そんなに観たけりゃヒーローショーでも観に行きやがれ」
――馬鹿な無駄話で、悦に入ってくれてんなら好都合。
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これ以上、自分たちに不利な戦局にされないように。
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廃墟に戻るだけで、既に七、八分が経過している。あともう暫く耐えればきっと何とかなる。
準備を終えここへ戻る時間に少し手間取ることを配慮したとしても、桜ならそれほど時間が伸びることはないだろう。適当に片桐の注意を引き付けておければ何とかなる。
唯一、ガーディアンとの接触が心配だが、そこに関しては彼女を信じることしかできることはない。
「結局、お前は何を目指してるんだ?」
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上げていた首を静かに戻し、片桐が再びこちらを向く。
「何って、さっき言わなかったかな? このリアルに僕の創造世界を融合させるのが――」
「その先だよ」
相手の言葉を遮り、言う。
「うん?」
意味が伝わらなかったらしく、片桐は怪訝そうに眉をしかめる。
「リアルに自分の考え反映させて、自己満足したいんだろ? それをした後に、今度はどうするつもりでいるんだ?」
「……さぁ。まだそこまでははっきり考えてないよ。でも、この能力があればいずれ何でもできるようになる。焦って考える必要がないでしょ?」
あっけらかんとしたその答えに理解できる部分を見いだせなかったが、それでも無理矢理言葉を捻り出す。
「そのイカれた能力で、自分に都合よく周りを巻き込んでいくつもりか? 何様って感じだな」
「仕方ないよ。たまたま僕には、他の人にはない力があった。突き詰めればそれだけの差さ。きみだって、自由に使える便利な道具が目の前にあれば、それを使うだろう?」
「ものによるだろ。それで他人を不幸にするなら、普通は使えねぇよ」
罪の意識を感じることもなく人を殺せるような物なら、尚更に。
「ふぅん。……新薬を作るのに、人は無害なネズミを利用する。きみは、そういうことにも文句が言えるのかい?」
「今度は屁理屈か?」
嫌味を込めて告げる。
「はぁ……。どうしてもきみは僕を敵対視するんだね。こっちはそんなつもり全然ないのにさ」
困ったように息をつき、片桐は首を振る。
「お前が桜を殺そうとするからだ。それに、ここで見過ごしたら町が大変なことになる」
そろそろ、予定の十分が過ぎた頃だ。しかし、まだ桜の戻る気配はない。
こちらへ引き返している最中か、ガーディアンを警戒して行動が慎重になってしまっているのか。確かめる術もないが、もう暫くは片桐を見張る必要がありそうだ。
「お前の訳のわからん遊びのために、俺たちが暮らしてきた町を滅茶苦茶にされなきゃいけないってのは、納得いかねーんだよ」
「楽しくないかな? 僕の創り出したドラゴンたちが、警察や自衛隊と戦うシーンとかさ。想像してみなよ、ワクワクしない?」
「するか馬鹿」
まさに吐き捨てて、俺は真っ直ぐに片桐を指差す。
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