どうやらネアンデルタール人が復活したようです。

有名人イセ

ネアタールがこの世界にきてから20年後、ネアンデルタール人とサピエンスはこれまで以上に交流を深めていた。

国連とネアタールの調査の結果、お互いに未知のウイルスは存在せず、また、ネアタールの人間が免疫を持っていないウイルスもなかった。

ということで、お互いの国を行き来することが可能となったのであるっっっ！

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「いや～、そうなんですよ～。面白半分でこの世界に家族を飛ばしちゃって～」

サピエンス語をいち早く覚えたイセは、あれからこの世界のいろんなテレビ局に出演し、自分の体験談や魔術について語ることを繰り返して、一躍有名人に。

今や年収億を超えるような大金持ちになっていた。

ドラマ、CM、ゲームキャラのモデルなど、この世界で彼を知らない者はいないというほどの知名度である。

ちなみに、気まぐれで魔法を使った占いなどもしていて、彼にしかできないその希少性も、有名になった原因の一つである。

まあ、そもそも異世界からやってきたネアンデルタール人という時点で注目を浴びること間違いなしなのだが...

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「ただいま～」

「「「おかえり！！」」」

イセが自宅のドアを開くと、そこにはイセの子どもたちが笑顔で歓迎の言葉を口にしている姿があった。

テレビに引っ張りだこのイセは、なかなか自宅に帰ることができない。

今回は約2か月ぶりに自宅に帰ることができた。

「おお、意外と早かったな」

イセの父親がエプロンをつけたまま、イセに向かって歩く。

「父さん！久しぶりだね！」

イセは笑顔で言う。

「こんなところで立ち話せずに、早く上がりなさい。今日はお前の大好物のサバの味噌煮だぞ」


和風派のイセを気遣い、父親はかなり贅沢な食材を使用して待っていたのだ。

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食卓には、イセの長女、次男、三男、妻、父、母がそれぞれ決められた席に座っていた。

「あなた、仕事はどう？」

妻のサチコ(この世界で命名)は、イセが出演しているテレビ番組を観ながら言う。

「ああ、すごくやりがいがあるよ。サピエンスからしたら、俺たちはまだまだ珍しいからな。ここじゃ、ネアンデルタール人ってだけで仕事がどんどん入ってくるんだ」

あれから20年経ったとはいえ、ネアタールのネアンデルタール人たちが、外の世界に移住してくることはほとんどない。逆もまた然りだ。

ネアンデルタール人の存在が明らかになったことで、この世界での自分たちの優位性が揺らぐことを恐れるようになった一部のサピエンスたちは、人種差別ならぬ"人類差別"団体を立ち上げた。

それを見たネアンデルタール人側も、ネアンデルタール人至上主義をかかげ、ネアタール内のサピエンスを排斥することを主張した団体が年々増加してきている。

「まあ、俺がネアンデルタール人じゃなくても、異世界から来た魔法使いってだけで注目を浴びるよな」

と、イセは魔法で結構リアルなう●この模型をつくり

「このう●ことサバについてる味噌って結構似てるよな」

とかいう全く空気の読めないことを家族の前で言い放った。

それを聞いた家族は身体を硬直させながら、顔だけをイセのほうに向けた。

「あ、めんごめんご！う●こはいかんよなう●こは！」

そう言うと、イセは今度は全身の魔力を腕にこめて、何かを作り出そうとしていた。

「はあああ～」

先程よりも集中しているイセは、今まさに魔法を発動させようとしていた。

家族はそれをじっと見つめている。

そしてしばらくしたのち、ついに魔法が発動されたのであった。

「ふん！..........ほら、平均的なネアンデルタール人の
ちん...」

言い終わる前にサチコが放った包丁がイセの頭蓋骨に突き刺さり、イセは血を吹き出してバタッと倒れた。

「さ、食べましょ」

そして、医療的な措置を受けずに放置された結果、イセは死亡したのであった。享年36