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【 5本角 】
こいつを倒せばいいのか
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周囲を囲んでいたアラルゴスが一斉に飛来する。
しかし真っすぐではない。螺旋を描くように様子を見ながら警戒を怠らない。
そしてその中から数匹が死角からトラックを襲う。
だが――、
「悪いが見えているよ」
重い爆発音と共に神弾を発射する。
本来なら、何の変哲もない徹甲弾。
だがそれは、横から襲撃しようとしていたアラルゴスの腹部を撃ち抜き塵へと変えた。
しかしやっぱり向こうも分かっているよな。
生き残ったのが情報共有しているのか本能か、こちらの装弾が終わる前に2匹が飛来する。
しかしこのヒントは高円寺から教えてもらっている。
装弾より優先してポケットの予備弾を放る。
ただ宙に浮いているだけ。
だが向こうが早ければ同じ事。直撃を避け動きが鈍る。
「若いな」
まだ小さく茶色の個体。
まあ小さいといっても2メートルは越えているが、とにかく若い連中だ。
2匹目を仕留め、続けざまに3匹目も仕留める。
連射のせいで、弾倉の半分を撃っただけなのにもう銃身が焼けてきた。
チリンチリンと荷台に放った弾が落ちるが、向こうは少し警戒に入ったな。
この辺りは前回と同じだ。
全員一丸となって突っ込んでくれば、犠牲は出しつつも俺を排除できる。確実だ。
人間なら間違いなくそうするだろう。
しかしそうはしない。これ以上の犠牲を出さないように、より慎重に動く。
こちらとしては助かるが、前回と違う点がもう一つある。
今の俺が一人だという事だ。
考えた事もなかった。誰かの援護を求めるなど。
だけど今は、心の中で共に戦える仲間を求めている。
あれが戦友というものだったのだろうか……。
なんてもう死んだような事を考えるのはやめろ俺。
上空にはやはり赤いアラルゴスが浮いている。
ただ上半身は赤いが、下半身がなんかまだ少し赤みがある茶色って程度だ。
時々発するキチキチという耳障りな音は奴が発する指示の音か?
用宗での奴はやっていなかった。
それぞれ個性があるという事なのか、それとも――、
トラックの装甲版を撃ち抜き、密かに隠れて並走していたアラルゴスを2匹纏めて撃ち抜く。
上手く並んでくれたのはラッキーだったが、そうなる事は自体は分かっていた。
また見えているとか言われそうだが否定はしない。実際にそうなのだから。
さて、これでアラルゴスは残り4匹かな。
上で飛んでいる赤い奴はまだ降りてこない。情けない奴だ。
そんな事を考えながら、正面から教官を狙って運転席に飛び込もうとしていた奴を仕留める。
これで弾倉は空。薬室に一発だけか。
状況がどう転ぶかは分からないが、俺は迷わず同じ徹甲弾の弾倉をはめた。
この瞬間に襲ってこなかったのは、さっき荷台に落とした神弾を俺が踏んでいたからだ。
目が良くて賢いのが災いしたね。
さてこれで弾倉含めた弾丸は7発。
これなら余裕だが、肝心のセスナが見えない。交戦の様子も見えない。
詳しい事は分からないが、一度離脱した可能性のかもしれない。
その辺りは教官が知っているだろうが、今は聞いている余裕はない。
赤いアラルゴスは当たり前のように上にいる。
用宗の奴は途中で降りてきたが、アイツは降りてこない。
まあロボットが相手じゃないんだ、動物には全て個性がある。これは狩りをするうえで、絶対に忘れてはいけない教訓だ。
3体のアラルゴスが螺旋を描きながら降りてくる。
単調な動きに見えるが、こういう時が逆に当たらない。
相手は銃をよく知っている。そして今はどの方向にも動ける状態。当然撃つと同時に避けるだけ。
来栖の腕でもそうそう当たらない完全回避モードというわけだ。
まあ撃つけどね。
トラックの横に回り込もうとした奴を撃つ。
巨大な炸裂音と噴き出す炎。当然こちらの姿は見えなくなるが、撃つ前の姿はしかり見られていた。
当然避ける。当たり前だな。
しかし弾はまるで意思を持つかのように軌道を変え、ギリギリで裂けたはずのアラルゴスにヒットする。
命中した箇所は尻をかすめた程度。だがそれだけでも、神弾は相手を倒すのに十分であった。
「さすがに人間の使う武器を知っていても、特性は知りもしないか。よほどの事が無ければ脅威にもならない物だしな」
既にここに来るまでに1度焼けた銃身は既に悲鳴を上げており、2度目ともなれば真っすぐ弾は飛んでいかない。
それを先読みで当てていたのだ。
そしてここに来ての更なる連射で完全に歪んでいる。
この状態では弾が何処へ飛んでいくかを予想する事は困難だ。ただ一人を除いて。
トラックの真下に入り込んだアラルゴスを上から狙撃する。
当然荷台に大穴が空いたが、大丈夫。問題にはならないポイントだ……多分。
まあ結構スカスカだったからできる芸当だな。
「さあどうする。お前だけになっても降りてこないのか? ならこちらはゆっくりとさせてもらおう」
実際、ゆっくりと――だが全速で銃身を交換する。
さすがにこれは見逃せなかったのか動き出す。
しかしその前にまたキチキチを耳障りな音を発していた。
何の為かは知らんけどな。
それよりも、さすがに銃身の交換する時間は与えないか。
慣れているから10秒もかからない作業ではあるが、今更だが奴の方が早い。
だから投げる。ごく普通のアサルトライフルを。
目の良い奴の事だ。引き金に結んであるピアノ線は見えているだろう。
だがこんなもので普通引き金は引けない。弾が出ても、それは当たるわけがない。
それでも用宗であった赤兜とまでは言わないが、あの時やり合った奴なら先ず警戒したんじゃないかな?
だけどあいつは、死ぬ前の悪あがきと見たに違いない。
しかし真っすぐではない。螺旋を描くように様子を見ながら警戒を怠らない。
そしてその中から数匹が死角からトラックを襲う。
だが――、
「悪いが見えているよ」
重い爆発音と共に神弾を発射する。
本来なら、何の変哲もない徹甲弾。
だがそれは、横から襲撃しようとしていたアラルゴスの腹部を撃ち抜き塵へと変えた。
しかしやっぱり向こうも分かっているよな。
生き残ったのが情報共有しているのか本能か、こちらの装弾が終わる前に2匹が飛来する。
しかしこのヒントは高円寺から教えてもらっている。
装弾より優先してポケットの予備弾を放る。
ただ宙に浮いているだけ。
だが向こうが早ければ同じ事。直撃を避け動きが鈍る。
「若いな」
まだ小さく茶色の個体。
まあ小さいといっても2メートルは越えているが、とにかく若い連中だ。
2匹目を仕留め、続けざまに3匹目も仕留める。
連射のせいで、弾倉の半分を撃っただけなのにもう銃身が焼けてきた。
チリンチリンと荷台に放った弾が落ちるが、向こうは少し警戒に入ったな。
この辺りは前回と同じだ。
全員一丸となって突っ込んでくれば、犠牲は出しつつも俺を排除できる。確実だ。
人間なら間違いなくそうするだろう。
しかしそうはしない。これ以上の犠牲を出さないように、より慎重に動く。
こちらとしては助かるが、前回と違う点がもう一つある。
今の俺が一人だという事だ。
考えた事もなかった。誰かの援護を求めるなど。
だけど今は、心の中で共に戦える仲間を求めている。
あれが戦友というものだったのだろうか……。
なんてもう死んだような事を考えるのはやめろ俺。
上空にはやはり赤いアラルゴスが浮いている。
ただ上半身は赤いが、下半身がなんかまだ少し赤みがある茶色って程度だ。
時々発するキチキチという耳障りな音は奴が発する指示の音か?
用宗での奴はやっていなかった。
それぞれ個性があるという事なのか、それとも――、
トラックの装甲版を撃ち抜き、密かに隠れて並走していたアラルゴスを2匹纏めて撃ち抜く。
上手く並んでくれたのはラッキーだったが、そうなる事は自体は分かっていた。
また見えているとか言われそうだが否定はしない。実際にそうなのだから。
さて、これでアラルゴスは残り4匹かな。
上で飛んでいる赤い奴はまだ降りてこない。情けない奴だ。
そんな事を考えながら、正面から教官を狙って運転席に飛び込もうとしていた奴を仕留める。
これで弾倉は空。薬室に一発だけか。
状況がどう転ぶかは分からないが、俺は迷わず同じ徹甲弾の弾倉をはめた。
この瞬間に襲ってこなかったのは、さっき荷台に落とした神弾を俺が踏んでいたからだ。
目が良くて賢いのが災いしたね。
さてこれで弾倉含めた弾丸は7発。
これなら余裕だが、肝心のセスナが見えない。交戦の様子も見えない。
詳しい事は分からないが、一度離脱した可能性のかもしれない。
その辺りは教官が知っているだろうが、今は聞いている余裕はない。
赤いアラルゴスは当たり前のように上にいる。
用宗の奴は途中で降りてきたが、アイツは降りてこない。
まあロボットが相手じゃないんだ、動物には全て個性がある。これは狩りをするうえで、絶対に忘れてはいけない教訓だ。
3体のアラルゴスが螺旋を描きながら降りてくる。
単調な動きに見えるが、こういう時が逆に当たらない。
相手は銃をよく知っている。そして今はどの方向にも動ける状態。当然撃つと同時に避けるだけ。
来栖の腕でもそうそう当たらない完全回避モードというわけだ。
まあ撃つけどね。
トラックの横に回り込もうとした奴を撃つ。
巨大な炸裂音と噴き出す炎。当然こちらの姿は見えなくなるが、撃つ前の姿はしかり見られていた。
当然避ける。当たり前だな。
しかし弾はまるで意思を持つかのように軌道を変え、ギリギリで裂けたはずのアラルゴスにヒットする。
命中した箇所は尻をかすめた程度。だがそれだけでも、神弾は相手を倒すのに十分であった。
「さすがに人間の使う武器を知っていても、特性は知りもしないか。よほどの事が無ければ脅威にもならない物だしな」
既にここに来るまでに1度焼けた銃身は既に悲鳴を上げており、2度目ともなれば真っすぐ弾は飛んでいかない。
それを先読みで当てていたのだ。
そしてここに来ての更なる連射で完全に歪んでいる。
この状態では弾が何処へ飛んでいくかを予想する事は困難だ。ただ一人を除いて。
トラックの真下に入り込んだアラルゴスを上から狙撃する。
当然荷台に大穴が空いたが、大丈夫。問題にはならないポイントだ……多分。
まあ結構スカスカだったからできる芸当だな。
「さあどうする。お前だけになっても降りてこないのか? ならこちらはゆっくりとさせてもらおう」
実際、ゆっくりと――だが全速で銃身を交換する。
さすがにこれは見逃せなかったのか動き出す。
しかしその前にまたキチキチを耳障りな音を発していた。
何の為かは知らんけどな。
それよりも、さすがに銃身の交換する時間は与えないか。
慣れているから10秒もかからない作業ではあるが、今更だが奴の方が早い。
だから投げる。ごく普通のアサルトライフルを。
目の良い奴の事だ。引き金に結んであるピアノ線は見えているだろう。
だがこんなもので普通引き金は引けない。弾が出ても、それは当たるわけがない。
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