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【 出会いと別れ 】
外の世界へ 前編
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跳んできた時は光沢のあるまな板という感じだったけど、近くで見ると金属製でかなり頑丈そうに見える。
ただし上は剥き出し。かろうじて落下防止の柵があるだけで、それ以外はただの板だ。
「救助隊が先だよ! ほらそこのデカ男! 邪魔だ! どきな! それとお前ら、今のうちに鎧は脱いどきな!」
王様に対して堂々と罵声を飛ばしているのは、操縦席らしき部分にいた女性だった。
肌は白く、身長は170前後だろうか。碧色の瞳で鼻は高く、口は少し大きめで美人と言えば美人。
服から弾け出しそうなほど大きな双丘が目につくが、緑の髪の魔法使いエンバリ―と違い、腰はくびれ、お尻は大きめと普通の体格だ。
特徴的なのは、後ろで1つに束ねた腰まである美しいストレートの金髪と、その服装であった。
軍服を思わせる白い固めのシャツは袖とボタンを上から3つ残した下半分を全部切り取ってあり、下も鼠径部から下は全部切り取ってある。
しかも大きな身振り手振りで救助隊に指示を出すので、その度に下乳がたゆんたゆんと飛び出して目のやり場に困る。
「なんだその恰好。誘ってんのか?」
赤紫の鎧を着た兵士が乗り込みながら軽口をたたく。
なるほど、やっぱりあの格好は一般的じゃないのか。ホッとしたような残念な様な……。
「ああん? 馬鹿かお前は! ちゃんと鎧脱いどけって言ったろうが! 死にたいのかい! 死ぬなら落ちて死ね! 上で死ぬんじゃねーぞ!」
うーん、しゃべらなければお嬢様って感じなのになぁ……
「あちっ!あちち!何だこりゃ!あじぃ!ヴァァァァァァーーー!」
先に乗り込んだ兵士のけたたましい悲鳴が響く。
救助隊が乗り込んだ後、いよいよこちらが乗り込む番になった。
先ず王様とその部下たちが乗り込み。
鎧を脱いだ下は真っ黒な長袖シャツに同じく真っ黒いズボン。シャツは中央と襟、ズボンはサイドラインに沿って金糸の線刺繍が走り、シャツの左ポケットには牛らしき頭骨の金糸刺繍が施されている。
女性の緑の髪の魔術師エンバリ―も同じ服装だ。サイズはまるで違うけど……
王様の服は更に少しだけ豪華で、袖と裾にも金糸刺繍のラインが引かれていた。
よく見ると文字だ――えっとカルター・ハイン・ノヴェルド、ティランド……うーん、持ち物に名前を書く子供のようだが、あの刺繍を本人が入れたわけじゃないだろうしなぁ。
彼らが乗り込む際、下乳のお姉さんはそのがさつさに似合わない真摯な態度で一人々に対して右掌を左胸に添えるしぐさをし、兵士たちもそれに応える。
敬礼……なのだろうな。
続いて青い鎧を着ていた集団だ。
こちらは比較的軽装が多かったっため大体わかっていたが、白のシャツに白のズボン。
しかしその大半は血で赤黒く染まっており、鎧を脱ぐと尚はっきりと分かる。
こちらも服装に男女の差は無いが、軍服だからなのか、それともお国柄なのかは不明だった。
ただ、亜麻色の少女の胸は予想通りの絶壁であった。
最初に青い青年が乗り込もうとした際、下乳のお姉さんは僅かに左手を上げそうになったが、すぐに右手で先ほどと同じしぐさをする。
「気を使わせて済まない」
青い鎧を着ていた青年はそう呟いた。
「ほら、さっさと乗り込めよ」
最後は自分とオルコスだけになりせっつかれる――だが不穏な空気を感じて躊躇(ちゅうちょ)する。
「とっとと乗りな! こっちは無理な体制で臨界寸前なんだよ! 置いてかれたいのかい!」
とは言え、置いて行かれるよりはマシ、そう思うしか無い様だ。
真夏の照り付ける太陽がじりじりと肌を焼く。
そして下は溶岩、ここは鉄板。
陽炎に霞む視界が、ここが楽園ではないと伝えていた。
「いいから水撒け! 水だ!」
後ろの方から王様の怒声が飛んでくる。
最初から分かっていたのだろ、後部には水の入った樽が大量に詰まれていた。
撒かれた水はジュウジュウと音を立て水蒸気に変わり、飲んだ水はすぐさま滝のような汗となって流れ、鉄板にジュッという音を立てて消えた。
「はたらけ―!」
休む暇もなく兵士達と一緒になって水を撒く。
そんな中、王様と青い鎧を着ていた青年、亜麻色の髪の少女は荷物に座って談笑中だ。
確か持っていた金属板に、なんたら委員長とか書いてあった。王様と同じくらい偉いのだろうか。
それにしても、青い鎧を着ていた青年と亜麻色の髪の少女のイチャイチャっぷりがハンパない。
談笑中、ずっと青年の左腕を両手で抱えるように掴み、その平らな胸を押し付けている。
うらやましい――。
「ほらそこ、サボってるな!!はたらけぇーー!」
勿論、自分に向けられた言葉だった。
ただし上は剥き出し。かろうじて落下防止の柵があるだけで、それ以外はただの板だ。
「救助隊が先だよ! ほらそこのデカ男! 邪魔だ! どきな! それとお前ら、今のうちに鎧は脱いどきな!」
王様に対して堂々と罵声を飛ばしているのは、操縦席らしき部分にいた女性だった。
肌は白く、身長は170前後だろうか。碧色の瞳で鼻は高く、口は少し大きめで美人と言えば美人。
服から弾け出しそうなほど大きな双丘が目につくが、緑の髪の魔法使いエンバリ―と違い、腰はくびれ、お尻は大きめと普通の体格だ。
特徴的なのは、後ろで1つに束ねた腰まである美しいストレートの金髪と、その服装であった。
軍服を思わせる白い固めのシャツは袖とボタンを上から3つ残した下半分を全部切り取ってあり、下も鼠径部から下は全部切り取ってある。
しかも大きな身振り手振りで救助隊に指示を出すので、その度に下乳がたゆんたゆんと飛び出して目のやり場に困る。
「なんだその恰好。誘ってんのか?」
赤紫の鎧を着た兵士が乗り込みながら軽口をたたく。
なるほど、やっぱりあの格好は一般的じゃないのか。ホッとしたような残念な様な……。
「ああん? 馬鹿かお前は! ちゃんと鎧脱いどけって言ったろうが! 死にたいのかい! 死ぬなら落ちて死ね! 上で死ぬんじゃねーぞ!」
うーん、しゃべらなければお嬢様って感じなのになぁ……
「あちっ!あちち!何だこりゃ!あじぃ!ヴァァァァァァーーー!」
先に乗り込んだ兵士のけたたましい悲鳴が響く。
救助隊が乗り込んだ後、いよいよこちらが乗り込む番になった。
先ず王様とその部下たちが乗り込み。
鎧を脱いだ下は真っ黒な長袖シャツに同じく真っ黒いズボン。シャツは中央と襟、ズボンはサイドラインに沿って金糸の線刺繍が走り、シャツの左ポケットには牛らしき頭骨の金糸刺繍が施されている。
女性の緑の髪の魔術師エンバリ―も同じ服装だ。サイズはまるで違うけど……
王様の服は更に少しだけ豪華で、袖と裾にも金糸刺繍のラインが引かれていた。
よく見ると文字だ――えっとカルター・ハイン・ノヴェルド、ティランド……うーん、持ち物に名前を書く子供のようだが、あの刺繍を本人が入れたわけじゃないだろうしなぁ。
彼らが乗り込む際、下乳のお姉さんはそのがさつさに似合わない真摯な態度で一人々に対して右掌を左胸に添えるしぐさをし、兵士たちもそれに応える。
敬礼……なのだろうな。
続いて青い鎧を着ていた集団だ。
こちらは比較的軽装が多かったっため大体わかっていたが、白のシャツに白のズボン。
しかしその大半は血で赤黒く染まっており、鎧を脱ぐと尚はっきりと分かる。
こちらも服装に男女の差は無いが、軍服だからなのか、それともお国柄なのかは不明だった。
ただ、亜麻色の少女の胸は予想通りの絶壁であった。
最初に青い青年が乗り込もうとした際、下乳のお姉さんは僅かに左手を上げそうになったが、すぐに右手で先ほどと同じしぐさをする。
「気を使わせて済まない」
青い鎧を着ていた青年はそう呟いた。
「ほら、さっさと乗り込めよ」
最後は自分とオルコスだけになりせっつかれる――だが不穏な空気を感じて躊躇(ちゅうちょ)する。
「とっとと乗りな! こっちは無理な体制で臨界寸前なんだよ! 置いてかれたいのかい!」
とは言え、置いて行かれるよりはマシ、そう思うしか無い様だ。
真夏の照り付ける太陽がじりじりと肌を焼く。
そして下は溶岩、ここは鉄板。
陽炎に霞む視界が、ここが楽園ではないと伝えていた。
「いいから水撒け! 水だ!」
後ろの方から王様の怒声が飛んでくる。
最初から分かっていたのだろ、後部には水の入った樽が大量に詰まれていた。
撒かれた水はジュウジュウと音を立て水蒸気に変わり、飲んだ水はすぐさま滝のような汗となって流れ、鉄板にジュッという音を立てて消えた。
「はたらけ―!」
休む暇もなく兵士達と一緒になって水を撒く。
そんな中、王様と青い鎧を着ていた青年、亜麻色の髪の少女は荷物に座って談笑中だ。
確か持っていた金属板に、なんたら委員長とか書いてあった。王様と同じくらい偉いのだろうか。
それにしても、青い鎧を着ていた青年と亜麻色の髪の少女のイチャイチャっぷりがハンパない。
談笑中、ずっと青年の左腕を両手で抱えるように掴み、その平らな胸を押し付けている。
うらやましい――。
「ほらそこ、サボってるな!!はたらけぇーー!」
勿論、自分に向けられた言葉だった。
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