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抱かれる※
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突然、ストレートに伝えられて、何を言われたのかしばらく理解できなかった。
抱き上げられた状態で固まる私の頬に、サランダがキスをする。
ようやく理解して、それでも、突然のことに戸惑うばかり。
何故、突然。
今まで、サランダが私にそういった欲望を見せたことはない。だからこそ、彼に妻にと望まれてもピンとこなかった。
私は、サランダが好きだ。とてもとても好きで、離れたくなくて。
サランダは私を『そういう対象』としては見ていないと分かっていても、ついてきたくてここまで無理矢理くっついてきた。
それなのに。
何がどうなって、一体全体どういうこと?
目をまん丸く見開く私に、サランダは苦笑を漏らす。
「俺は、この姿が人間に怖がられることを知っている」
言いながら、サランダの手が頬を撫でる。
優しくて、温かくて、この手を怖いと感じる人なんていないと思う。
「怖がらないよ」
首をかしげる私に、サランダは小さく首を振る。
「俺は、恐れられてきたよ。リンカも、怖がるだろうと思っていた。……だから……姿が変わったくらいじゃ気にならないくらい、慣れてから、この姿を見せようと思っていた」
私は、抱きしめられたまま、サランダの全身に視線を這わす。
黒い髪。手足が長く均整の取れた逞しい体。太く凛々しい眉の下に、切れ長の黒い目。
黙っていれば冷たそうな印象の顔の中で、瞳がとても優しい光を放っている。
黒髪の間から、同色の太く大きな羊のような角が生えている。そして、首筋には毛が生えて、背中へと続いていっている。どこまであるのか分からないけれど、全身ではなさそうだ。鎖骨の当たりには毛は生えていない。
元々知っていたサランダよりも一回り大きくなっている。
変身前でも大きかったので、今は私を片腕で抱きかかえても平気そうな顔をしている。
抱きかかえられたまま、あちこち見て、私はもう一度言う。
「あまり変わらない」
「そうか」
サランダは笑って、口づける。
優しく、啄むように何度も何度も繰り返し唇に触れる。
口づけは、初めてだ。
そもそも、抱き上げられるのも撫でられるのも、全部全部、サランダだけが私にできる。
温かさが嬉しくて、サランダの首に腕を回して抱き付いた。
もっとして欲しいとあごを上げて首を伸ばすと、サランダが笑ったような気がした。
呆れたような笑いだったと思って、私はサランダの顔を覗き込むように顔色を窺った。
「……ひいた?」
初めて尽くしのくせにねだったりしたのが悪かっただろうか。
「全然?今、笑ったのが感じが悪かったか?」
ごめんと謝るように優しく、顔中にキスが降ってくる。
「必死で、この姿を隠していた。本当の姿を見せても、リンカが変わらないことが嬉しいのと……必死で隠して我慢していた自分がバカだと思って」
サランダが私を抱えたまま、ゆっくりと進んで、別のドアを開ける。
「我慢?」
「魔法で変化していた姿は、興奮したら解ける。リンカを抱きながら興奮しないなんて無理だろう?」
だろう?……って聞かれても、返答に困る。
サランダは嬉しそうに微笑んで、柔らかくキスを繰り返す。
「……こういうことは、もっとしっかりと囲ってからと思っていたんだ」
ふわりと重さを感じないように柔らかく下ろされたのは、大きなベッドだった。
見上げると、熱をはらんだ目が私をとらえていた。
「リンカ」
乞うような声で呼ばれて、私は腕を上げる。
サランダの首に巻き付けて、自分で引き寄せた。
とっくに、覚悟はできている。ただ、サランダが私に手を出そうとしなかっただけだ。
「好き」
呟いて、私も彼の頬にキスをする。
「リンカ」
「サランダ」
お互いがお互いを何度も呼びあって、何度くっついたのか、唇がひりひりするほど、唇を寄せ合う。
「ひぅっ!?」
突然、胸を直接触られて、変な声が出た。
なんと、キスに夢中になっている間に、裸になっていた。
足を抜いたり両手を上げたりもしていないのに。私が着ていた服は見渡す限りどこにもない。
「ふっ、服は!?」
慌てて胸と下を隠そうとした両手は、あっさりと頭の上でひとくくりに拘束されてしまう。
「消した。必要なら、後から出す」
「い、今!今必要!」
いきなり素っ裸の全身をじっくりと眺められるのは恥ずかしい。
体をよじって拘束から逃れようとすると、ぐりっと強く胸の先端がつままれる。
「……っぁ!」
――変な声出た!
痛いと感じてもおかしくないほどの力で敏感な先端をつままれたのに、それに対する反応が甘い声だなんて。
「必要ない。どうしても隠したいっていうのなら、俺がその間隠しておいてやろう」
にやりと笑うサランダに嫌な予感がして、慌てて止めようとしたのに――
「あぅっ……んっ」
サランダの大きな口に、私の胸が丸ごと含まれてしまう。
反対側の胸は、器用に先端をつまんだまま、包み込まれて、ぐにぐにと好き勝手に形を変えられている。
「やっ……うそ、やぁん」
サランダの口の中で、舌がうごめいて先端を嬲る。右側は柔らかな舌で押しつぶされて転がされているのに、反対側は強く引っ張られたり引っかかれたりする。
全く違う刺激が同時に施されて、頭がどうにかなってしまいそうだ。
サランダがようやく胸から口を離して問いかけてくる。
「どっちがいい?」
「はっ……ふぅっ、どっちって……」
サランダは、楽しそうに口角を上げて私を観察しているようだ。
どっちと聞かれても困る。同時にされて、何が何だか分からなくなっていたのだから。
サランダは、彼の唾液にまみれた濡れ光る胸の先端にちゅっとキスをする。
全く違う刺激を与えられた胸は、しかし反応は同じで、ぷっくりと立ち上がって存在を主張している。
サランダの手の中と唇の前で、もっとして欲しいと言わんばかりに主張する二つの先端が、ひどく卑猥だ。
「どっちも?」
答えない私に、ニヤリと笑いかけて、見せつけるように舌を伸ばして先端を弾く。
たったそれだけなのに、びくんと体が揺れた。
サランダの表情から目が離せない。
されていることは、とても淫らで恥ずかしいのに、彼の表情に欲望が宿っていることに、悦びを感じる自分がいる。
抱き上げられた状態で固まる私の頬に、サランダがキスをする。
ようやく理解して、それでも、突然のことに戸惑うばかり。
何故、突然。
今まで、サランダが私にそういった欲望を見せたことはない。だからこそ、彼に妻にと望まれてもピンとこなかった。
私は、サランダが好きだ。とてもとても好きで、離れたくなくて。
サランダは私を『そういう対象』としては見ていないと分かっていても、ついてきたくてここまで無理矢理くっついてきた。
それなのに。
何がどうなって、一体全体どういうこと?
目をまん丸く見開く私に、サランダは苦笑を漏らす。
「俺は、この姿が人間に怖がられることを知っている」
言いながら、サランダの手が頬を撫でる。
優しくて、温かくて、この手を怖いと感じる人なんていないと思う。
「怖がらないよ」
首をかしげる私に、サランダは小さく首を振る。
「俺は、恐れられてきたよ。リンカも、怖がるだろうと思っていた。……だから……姿が変わったくらいじゃ気にならないくらい、慣れてから、この姿を見せようと思っていた」
私は、抱きしめられたまま、サランダの全身に視線を這わす。
黒い髪。手足が長く均整の取れた逞しい体。太く凛々しい眉の下に、切れ長の黒い目。
黙っていれば冷たそうな印象の顔の中で、瞳がとても優しい光を放っている。
黒髪の間から、同色の太く大きな羊のような角が生えている。そして、首筋には毛が生えて、背中へと続いていっている。どこまであるのか分からないけれど、全身ではなさそうだ。鎖骨の当たりには毛は生えていない。
元々知っていたサランダよりも一回り大きくなっている。
変身前でも大きかったので、今は私を片腕で抱きかかえても平気そうな顔をしている。
抱きかかえられたまま、あちこち見て、私はもう一度言う。
「あまり変わらない」
「そうか」
サランダは笑って、口づける。
優しく、啄むように何度も何度も繰り返し唇に触れる。
口づけは、初めてだ。
そもそも、抱き上げられるのも撫でられるのも、全部全部、サランダだけが私にできる。
温かさが嬉しくて、サランダの首に腕を回して抱き付いた。
もっとして欲しいとあごを上げて首を伸ばすと、サランダが笑ったような気がした。
呆れたような笑いだったと思って、私はサランダの顔を覗き込むように顔色を窺った。
「……ひいた?」
初めて尽くしのくせにねだったりしたのが悪かっただろうか。
「全然?今、笑ったのが感じが悪かったか?」
ごめんと謝るように優しく、顔中にキスが降ってくる。
「必死で、この姿を隠していた。本当の姿を見せても、リンカが変わらないことが嬉しいのと……必死で隠して我慢していた自分がバカだと思って」
サランダが私を抱えたまま、ゆっくりと進んで、別のドアを開ける。
「我慢?」
「魔法で変化していた姿は、興奮したら解ける。リンカを抱きながら興奮しないなんて無理だろう?」
だろう?……って聞かれても、返答に困る。
サランダは嬉しそうに微笑んで、柔らかくキスを繰り返す。
「……こういうことは、もっとしっかりと囲ってからと思っていたんだ」
ふわりと重さを感じないように柔らかく下ろされたのは、大きなベッドだった。
見上げると、熱をはらんだ目が私をとらえていた。
「リンカ」
乞うような声で呼ばれて、私は腕を上げる。
サランダの首に巻き付けて、自分で引き寄せた。
とっくに、覚悟はできている。ただ、サランダが私に手を出そうとしなかっただけだ。
「好き」
呟いて、私も彼の頬にキスをする。
「リンカ」
「サランダ」
お互いがお互いを何度も呼びあって、何度くっついたのか、唇がひりひりするほど、唇を寄せ合う。
「ひぅっ!?」
突然、胸を直接触られて、変な声が出た。
なんと、キスに夢中になっている間に、裸になっていた。
足を抜いたり両手を上げたりもしていないのに。私が着ていた服は見渡す限りどこにもない。
「ふっ、服は!?」
慌てて胸と下を隠そうとした両手は、あっさりと頭の上でひとくくりに拘束されてしまう。
「消した。必要なら、後から出す」
「い、今!今必要!」
いきなり素っ裸の全身をじっくりと眺められるのは恥ずかしい。
体をよじって拘束から逃れようとすると、ぐりっと強く胸の先端がつままれる。
「……っぁ!」
――変な声出た!
痛いと感じてもおかしくないほどの力で敏感な先端をつままれたのに、それに対する反応が甘い声だなんて。
「必要ない。どうしても隠したいっていうのなら、俺がその間隠しておいてやろう」
にやりと笑うサランダに嫌な予感がして、慌てて止めようとしたのに――
「あぅっ……んっ」
サランダの大きな口に、私の胸が丸ごと含まれてしまう。
反対側の胸は、器用に先端をつまんだまま、包み込まれて、ぐにぐにと好き勝手に形を変えられている。
「やっ……うそ、やぁん」
サランダの口の中で、舌がうごめいて先端を嬲る。右側は柔らかな舌で押しつぶされて転がされているのに、反対側は強く引っ張られたり引っかかれたりする。
全く違う刺激が同時に施されて、頭がどうにかなってしまいそうだ。
サランダがようやく胸から口を離して問いかけてくる。
「どっちがいい?」
「はっ……ふぅっ、どっちって……」
サランダは、楽しそうに口角を上げて私を観察しているようだ。
どっちと聞かれても困る。同時にされて、何が何だか分からなくなっていたのだから。
サランダは、彼の唾液にまみれた濡れ光る胸の先端にちゅっとキスをする。
全く違う刺激を与えられた胸は、しかし反応は同じで、ぷっくりと立ち上がって存在を主張している。
サランダの手の中と唇の前で、もっとして欲しいと言わんばかりに主張する二つの先端が、ひどく卑猥だ。
「どっちも?」
答えない私に、ニヤリと笑いかけて、見せつけるように舌を伸ばして先端を弾く。
たったそれだけなのに、びくんと体が揺れた。
サランダの表情から目が離せない。
されていることは、とても淫らで恥ずかしいのに、彼の表情に欲望が宿っていることに、悦びを感じる自分がいる。
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