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執務室
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シャルルの言葉に反応できず、礼など取る余裕もなく、部屋から出た。
メイドが驚いた顔をしているのに気が付いたが、取り繕えない。
気が付かれてないつもりでいたのだ。
結婚なんて興味ありませんって態度で、叶わぬ恋に一人で浸っていた。
自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。
――なんてこと。彼も、同じ部屋にいたのに。
ベルト・ロベール。もとは伯爵家の三男で、近衛騎士として、王族の警護についている。
通常ならば、長男以外は爵位を持てないが、若くしてその才能を認められ、騎士爵までいただいている。
ベルトは、黒目黒髪長身で、鍛え上げられたがっしりとした体つきをしている。彼が近衛騎士の制服を着ると、さらに威圧感が増し、彼の無表情と相まって怖がられているのを知っている。
護衛には、それくらいでも構わない。見た目だけで抑制できるのなら、それに越したことはないと、彼は、職務中は笑わないのだそうだ。
マリアは、大きな人が好みだった。
最初は、格好いい人がいると思っていた。そもそも、騎士はがっしりした体の人ばかりだし、見ているだけでうきうきしていた。
その中でも、ベルトは、マリアを淑女扱いしてくれる希少な方だった。
小柄な彼女は、騎士たちから見ると、幼い子どもに見えるのか、細かな態度や言葉が子ども扱いされているのが分かるのだ。
しかし、ベルトは最初から淑女の扱いをしてくれる。マリアが一人だけ集団から外れると、そっとついて来て、離れた場所で彼女だけを警護してくれるのだ。
その時間が好きだった。
彼の手を煩わせていることを分かりながら、わざとやっていた。
そっと見守ってくれる彼の存在が嬉しくて……バレているだなんて思ってもみなかった。
マリアは両手で頬を抑えながら、とぼとぼと歩き始める。
どうにか、馬車までに顔色が治まって欲しいと、風にあたるために、遠回りをしようかと思った。
「どちらへ?」
中庭への階段へ行こうとした瞬間、目の前に大きな体が現れた。
「――っ!」
今まさに、考えていた人がいた。
さっきまで部屋にいたのに――と考えて、いつも通り、一人飛び出したマリアを護衛してくれていたのだと気が付いた。
ああ、なんていたたまれない。
「なっ、何でもありません!」
声がひっくり返った。
泣きそうだ。
今くらい、別の人が護衛についてくれても良かったのではないかとシャルルを恨みたい気持ちになってしまう。
「ご気分が悪いのですか?」
体調的には全く問題はない。精神的には死にそうだけれど。
「いいえ」
ベルトは、さっきの王太子とその婚約者の発言を聞かなかったことにしている。いつも通りの態度をとってくれている。
だったら、マリアもそうしてみせよう。
「少し、お庭でも見てから帰ろうかと思いまして」
中庭に出るためだったと言えば、ベルトは視線を動かして、得心して頷く。
「なるほど。では、こちらの部屋にどうぞ。窓から一望できますよ」
「…………ええと」
庭を見たいのではない。顔を冷やして、可及的速やかに帰りたいのだ。
けれど、ベルトは親切に庭が見渡せるという部屋に案内してくれる。そりゃ、王太子の部屋がある階の部屋から見た方が一望できるだろうが、マリアが求めているのはそれじゃない。
どうにか遠慮の言葉をいくつか吐き出したが、全てにおいて
「大丈夫です」
と、聞き流された。こちらが大丈夫ではないというのに。
近衛騎士は、親切が過ぎる。
案内された部屋は、そんなに広くないが、確かに庭に面していて、一望できる。
「……?この部屋、どなたのですか?」
てっきり、客間などに通されると思っていたら、誰かの執務室のようだ。
「私のです」
部屋に入ったと思ったら、後ろでドアがしっかりと閉まる音がした。
「えっ?」
慌てて振り返る。
「騎士爵をいただいたときに、殿下と同じ並びに部屋をいただきました。ほとんど使っていないのですが」
へー、騎士にも部屋があてがわれるのね~……なんて、豆知識を仕入れている場合ではない。
ベルトの執務室に、ドアを閉めて二人きりって、それはまずい。
マリアのために部屋に通してくれたのは有難いが、せめてドアは開けておいてもらわないと!と思い、ドアノブに手をかける。
「もう出て行かれるのですか?」
ドアを開けるよりも早く、腰にするりと腕が回り、項に柔らかなものが触れる。
いきなりの触れ合いに、理解が追い付かずに体が固まる。
ベルトにそっと手を取られて、マリアの手がドアノブから外される。
ギギギ……と油が切れたからくり人形のようにぎこちなく振り向けば、間近からこちらを見下ろすベルトがいた。
「求婚を断られて、諦める気だったのですが、さきほどのコンフィール伯爵令嬢の好みをお聞きしまして、迫ってみようかと思い至ったのです」
「は……あ、な、なるほ……ど?」
求婚を断った?誰が?
そういえば、シャルルが降嫁リストにベルトが入っていたというようなことを言っていた。ということは、マリアが彼の求婚を断ったことになるのか。
肩を抱かれて、そっと体を反転させられて、背中が壁にくっつく。
「今は逃げられそうになって焦ってしまいましたが、もう許可を得ずに触れることはしません。怖がらずに聞いてもらえますか」
焦って項にキスをするって。どんな焦り方ですか。
ベルトは、両腕を肘までを壁について、逃げないようにマリアを囲っている。
触ってない。触ってないが、限りなく近い。
声を出せば、吐息が彼に触れてしまいそうで、マリアは小刻みに小さく頷いた。
怖くはない。
この体勢で心配すべきところはそこじゃない。この体勢よりも手をつなぐ方がきっと健全だ。
しかも、そんなに近かったら、毛穴が見えてしまうじゃないか!もっとしっかりと塗り込んでくればよかった!
「婚約者候補でなくなったあなたに、ようやく告げられる。コンフィール嬢、愛しています。私と結婚していただけませんか?」
マリアは、目の前の求婚者の目を見つめた。
……いつ、眠っただろうか。まさか、自分は城の廊下で夢を見るほどぐっすりと眠っているのか?
大変だ。起きなければ。
自分のほっぺをつねってみる。
「……いたい」
夢だと思って思い切りやりすぎた。もしもの場合を考えてもう少し力加減を考えるべきだった。
「コンフィール嬢?」
痛いのに、目の前にはベルトがまだいる。目を丸くしてから、マリアの頬を心配そうにのぞき込んでくる。
これが白昼夢というやつか?ここまでリアルな妄想ができるとは。一種の才能かもしれない。
至近距離から熱く見つめられて、彼の瞳の中に、不安があることに気が付く。
「はい。私も愛しています」
妄想だろうが現実だろうが、彼からの求婚を断る理由はない。
ベルトがマリアの返事を不安そうに待っているならば、すぐさま返事をしなくてはと答えたのだが、さすがに恥ずかしい。
彼の目を見て言った後、『私も』と言ってしまったことに今更照れて、頬を熱くする。
これが夢だった場合は起きた時に打ちひしがれないとならなくなるが、ここで断るよりもずっといい。
マリアの返事に、ベルトは少しだけ目を丸くしてから、ふっと目元を緩ませる。
――あ……笑った。
明確な笑顔とかではないけれど、そう思った。
それで、このマリアの妄想を具現化したような現状が現実だと認識する。
彼が笑った顔なんて、マリアの想像力で見られるはずがない。
メイドが驚いた顔をしているのに気が付いたが、取り繕えない。
気が付かれてないつもりでいたのだ。
結婚なんて興味ありませんって態度で、叶わぬ恋に一人で浸っていた。
自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。
――なんてこと。彼も、同じ部屋にいたのに。
ベルト・ロベール。もとは伯爵家の三男で、近衛騎士として、王族の警護についている。
通常ならば、長男以外は爵位を持てないが、若くしてその才能を認められ、騎士爵までいただいている。
ベルトは、黒目黒髪長身で、鍛え上げられたがっしりとした体つきをしている。彼が近衛騎士の制服を着ると、さらに威圧感が増し、彼の無表情と相まって怖がられているのを知っている。
護衛には、それくらいでも構わない。見た目だけで抑制できるのなら、それに越したことはないと、彼は、職務中は笑わないのだそうだ。
マリアは、大きな人が好みだった。
最初は、格好いい人がいると思っていた。そもそも、騎士はがっしりした体の人ばかりだし、見ているだけでうきうきしていた。
その中でも、ベルトは、マリアを淑女扱いしてくれる希少な方だった。
小柄な彼女は、騎士たちから見ると、幼い子どもに見えるのか、細かな態度や言葉が子ども扱いされているのが分かるのだ。
しかし、ベルトは最初から淑女の扱いをしてくれる。マリアが一人だけ集団から外れると、そっとついて来て、離れた場所で彼女だけを警護してくれるのだ。
その時間が好きだった。
彼の手を煩わせていることを分かりながら、わざとやっていた。
そっと見守ってくれる彼の存在が嬉しくて……バレているだなんて思ってもみなかった。
マリアは両手で頬を抑えながら、とぼとぼと歩き始める。
どうにか、馬車までに顔色が治まって欲しいと、風にあたるために、遠回りをしようかと思った。
「どちらへ?」
中庭への階段へ行こうとした瞬間、目の前に大きな体が現れた。
「――っ!」
今まさに、考えていた人がいた。
さっきまで部屋にいたのに――と考えて、いつも通り、一人飛び出したマリアを護衛してくれていたのだと気が付いた。
ああ、なんていたたまれない。
「なっ、何でもありません!」
声がひっくり返った。
泣きそうだ。
今くらい、別の人が護衛についてくれても良かったのではないかとシャルルを恨みたい気持ちになってしまう。
「ご気分が悪いのですか?」
体調的には全く問題はない。精神的には死にそうだけれど。
「いいえ」
ベルトは、さっきの王太子とその婚約者の発言を聞かなかったことにしている。いつも通りの態度をとってくれている。
だったら、マリアもそうしてみせよう。
「少し、お庭でも見てから帰ろうかと思いまして」
中庭に出るためだったと言えば、ベルトは視線を動かして、得心して頷く。
「なるほど。では、こちらの部屋にどうぞ。窓から一望できますよ」
「…………ええと」
庭を見たいのではない。顔を冷やして、可及的速やかに帰りたいのだ。
けれど、ベルトは親切に庭が見渡せるという部屋に案内してくれる。そりゃ、王太子の部屋がある階の部屋から見た方が一望できるだろうが、マリアが求めているのはそれじゃない。
どうにか遠慮の言葉をいくつか吐き出したが、全てにおいて
「大丈夫です」
と、聞き流された。こちらが大丈夫ではないというのに。
近衛騎士は、親切が過ぎる。
案内された部屋は、そんなに広くないが、確かに庭に面していて、一望できる。
「……?この部屋、どなたのですか?」
てっきり、客間などに通されると思っていたら、誰かの執務室のようだ。
「私のです」
部屋に入ったと思ったら、後ろでドアがしっかりと閉まる音がした。
「えっ?」
慌てて振り返る。
「騎士爵をいただいたときに、殿下と同じ並びに部屋をいただきました。ほとんど使っていないのですが」
へー、騎士にも部屋があてがわれるのね~……なんて、豆知識を仕入れている場合ではない。
ベルトの執務室に、ドアを閉めて二人きりって、それはまずい。
マリアのために部屋に通してくれたのは有難いが、せめてドアは開けておいてもらわないと!と思い、ドアノブに手をかける。
「もう出て行かれるのですか?」
ドアを開けるよりも早く、腰にするりと腕が回り、項に柔らかなものが触れる。
いきなりの触れ合いに、理解が追い付かずに体が固まる。
ベルトにそっと手を取られて、マリアの手がドアノブから外される。
ギギギ……と油が切れたからくり人形のようにぎこちなく振り向けば、間近からこちらを見下ろすベルトがいた。
「求婚を断られて、諦める気だったのですが、さきほどのコンフィール伯爵令嬢の好みをお聞きしまして、迫ってみようかと思い至ったのです」
「は……あ、な、なるほ……ど?」
求婚を断った?誰が?
そういえば、シャルルが降嫁リストにベルトが入っていたというようなことを言っていた。ということは、マリアが彼の求婚を断ったことになるのか。
肩を抱かれて、そっと体を反転させられて、背中が壁にくっつく。
「今は逃げられそうになって焦ってしまいましたが、もう許可を得ずに触れることはしません。怖がらずに聞いてもらえますか」
焦って項にキスをするって。どんな焦り方ですか。
ベルトは、両腕を肘までを壁について、逃げないようにマリアを囲っている。
触ってない。触ってないが、限りなく近い。
声を出せば、吐息が彼に触れてしまいそうで、マリアは小刻みに小さく頷いた。
怖くはない。
この体勢で心配すべきところはそこじゃない。この体勢よりも手をつなぐ方がきっと健全だ。
しかも、そんなに近かったら、毛穴が見えてしまうじゃないか!もっとしっかりと塗り込んでくればよかった!
「婚約者候補でなくなったあなたに、ようやく告げられる。コンフィール嬢、愛しています。私と結婚していただけませんか?」
マリアは、目の前の求婚者の目を見つめた。
……いつ、眠っただろうか。まさか、自分は城の廊下で夢を見るほどぐっすりと眠っているのか?
大変だ。起きなければ。
自分のほっぺをつねってみる。
「……いたい」
夢だと思って思い切りやりすぎた。もしもの場合を考えてもう少し力加減を考えるべきだった。
「コンフィール嬢?」
痛いのに、目の前にはベルトがまだいる。目を丸くしてから、マリアの頬を心配そうにのぞき込んでくる。
これが白昼夢というやつか?ここまでリアルな妄想ができるとは。一種の才能かもしれない。
至近距離から熱く見つめられて、彼の瞳の中に、不安があることに気が付く。
「はい。私も愛しています」
妄想だろうが現実だろうが、彼からの求婚を断る理由はない。
ベルトがマリアの返事を不安そうに待っているならば、すぐさま返事をしなくてはと答えたのだが、さすがに恥ずかしい。
彼の目を見て言った後、『私も』と言ってしまったことに今更照れて、頬を熱くする。
これが夢だった場合は起きた時に打ちひしがれないとならなくなるが、ここで断るよりもずっといい。
マリアの返事に、ベルトは少しだけ目を丸くしてから、ふっと目元を緩ませる。
――あ……笑った。
明確な笑顔とかではないけれど、そう思った。
それで、このマリアの妄想を具現化したような現状が現実だと認識する。
彼が笑った顔なんて、マリアの想像力で見られるはずがない。
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