2 / 2
森の中へ
しおりを挟む
アベル君は森を目指して元気に歩いて行きます。森に続く道は、川沿いの一本道です。迷う心配はありせん。
アベル君が歩いていると、一人のおじさんが川で魚釣りをしていました。おじさんはアベル君に気がつくと言いました。
「おやおや、おはようアベル君。今日は一人で遊んでいるのかい?」
釣りをしていたのは、村で道具屋さんをしているおじさんでした。アベル君はおじさんに言いました。
「ううん、町までおつかいに行くところなんだ!」
おじさんは驚きました。
「町までおつかいに行くのかい?それは大変だね。アベル君一人で大丈夫なのかい?」
「うん!だってもう僕は5歳なんだもん!」
おじさんはアベル君の成長が自分の子供のことのように嬉しく思いました。おじさんはアベル君に言いました。
「偉いねアベル君は。よし、アベル君にこれをあげよう!」
そう言うとおじさんはポケットから銀色のメダルを取り出し、アベル君に渡しました。
「ありがとうおじさん!でも、これはなんのお金なの?」
「アベル君、それはお金じゃないんだよ。このメダルは『幸せのメダル』といって、持っているといいことがあるんだよ。」
それを聞いてアベル君はとても喜びました。
「わぁ!すごいね!僕大事にするよおじさん!」
おじさんは笑顔で頷きました。するとおじさんはなにかを思い出したように言いました。
「そうだアベル君、この後森を通るだろうから、注意しておくよ。もしも森の中でフードを被った女の子に会ったらすぐ逃げること、いいね?」
「どうしてなの?」
「その女の子は人間を食べちゃう怖いおばけだからさ。」
アベル君は驚きました。そんな恐ろしいおばけがいるなんて、はじめて聞いたからです。アベル君はすこし怖くなってしまいましたが、家で風邪をひいて寝込んでいるお母さんを思い出して、おばけなんかに負けるもんか!と心で叫びました。
「ありがとうおじさん!僕気をつけるよ!それじゃあまたね。」
アベル君はおじさんに手を振りながら、森の方へと歩き出しました。おじさんからもらったメダルをポケットに大事にしまって。
アベル君は川沿いの一本道をずんずん進んでいきます。しばらく歩いていると、森の入り口に着きました。おじさんから聞いたおばけの話を思い出して、不安になるアベル君でしたが、勇気を振り絞って森の道へと入っていきました。森の中に入ると、背の高い木々によって太陽の光が遮られ、薄暗く不気味な雰囲気に満ちていました。アベル君はすこし怖がりながらも、森の奥へと進んでいきます。
アベル君が歩いていると、遠くから何か聞こえてきました。アベル君は耳をすませてその音を聞いてみました。どうやらその音は、小さな女の子の泣き声のような音でした。アベル君は不思議に思って、音のする方へと進んでいきました。
泣き声のする方へ進んでいると、すこし開けた場所へ着きました。アベル君は驚きました。そこにはなんと狼のような耳と尻尾が生えた女の子が、動物を捕まえる罠にかかっていたのです。
アベル君は迷いました。おじさんからは、女の子に会ったら逃げなさい。逃げなければ食べられてしまうと言われいます。しかし目の前には足が罠に挟まれ、痛そうに泣いている女の子がいるのです。アベル君は考えます。大きな耳と尻尾を生やした女の子を助けるべきなのかを…。
続く
アベル君が歩いていると、一人のおじさんが川で魚釣りをしていました。おじさんはアベル君に気がつくと言いました。
「おやおや、おはようアベル君。今日は一人で遊んでいるのかい?」
釣りをしていたのは、村で道具屋さんをしているおじさんでした。アベル君はおじさんに言いました。
「ううん、町までおつかいに行くところなんだ!」
おじさんは驚きました。
「町までおつかいに行くのかい?それは大変だね。アベル君一人で大丈夫なのかい?」
「うん!だってもう僕は5歳なんだもん!」
おじさんはアベル君の成長が自分の子供のことのように嬉しく思いました。おじさんはアベル君に言いました。
「偉いねアベル君は。よし、アベル君にこれをあげよう!」
そう言うとおじさんはポケットから銀色のメダルを取り出し、アベル君に渡しました。
「ありがとうおじさん!でも、これはなんのお金なの?」
「アベル君、それはお金じゃないんだよ。このメダルは『幸せのメダル』といって、持っているといいことがあるんだよ。」
それを聞いてアベル君はとても喜びました。
「わぁ!すごいね!僕大事にするよおじさん!」
おじさんは笑顔で頷きました。するとおじさんはなにかを思い出したように言いました。
「そうだアベル君、この後森を通るだろうから、注意しておくよ。もしも森の中でフードを被った女の子に会ったらすぐ逃げること、いいね?」
「どうしてなの?」
「その女の子は人間を食べちゃう怖いおばけだからさ。」
アベル君は驚きました。そんな恐ろしいおばけがいるなんて、はじめて聞いたからです。アベル君はすこし怖くなってしまいましたが、家で風邪をひいて寝込んでいるお母さんを思い出して、おばけなんかに負けるもんか!と心で叫びました。
「ありがとうおじさん!僕気をつけるよ!それじゃあまたね。」
アベル君はおじさんに手を振りながら、森の方へと歩き出しました。おじさんからもらったメダルをポケットに大事にしまって。
アベル君は川沿いの一本道をずんずん進んでいきます。しばらく歩いていると、森の入り口に着きました。おじさんから聞いたおばけの話を思い出して、不安になるアベル君でしたが、勇気を振り絞って森の道へと入っていきました。森の中に入ると、背の高い木々によって太陽の光が遮られ、薄暗く不気味な雰囲気に満ちていました。アベル君はすこし怖がりながらも、森の奥へと進んでいきます。
アベル君が歩いていると、遠くから何か聞こえてきました。アベル君は耳をすませてその音を聞いてみました。どうやらその音は、小さな女の子の泣き声のような音でした。アベル君は不思議に思って、音のする方へと進んでいきました。
泣き声のする方へ進んでいると、すこし開けた場所へ着きました。アベル君は驚きました。そこにはなんと狼のような耳と尻尾が生えた女の子が、動物を捕まえる罠にかかっていたのです。
アベル君は迷いました。おじさんからは、女の子に会ったら逃げなさい。逃げなければ食べられてしまうと言われいます。しかし目の前には足が罠に挟まれ、痛そうに泣いている女の子がいるのです。アベル君は考えます。大きな耳と尻尾を生やした女の子を助けるべきなのかを…。
続く
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
乙女ゲームはエンディングを迎えました。
章槻雅希
ファンタジー
卒業パーティでのジョフロワ王子の婚約破棄宣言を以って、乙女ゲームはエンディングを迎えた。
これからは王子の妻となって幸せに贅沢をして暮らすだけだと笑ったゲームヒロインのエヴリーヌ。
だが、宣言後、ゲームが終了するとなにやら可笑しい。エヴリーヌの予想とは違う展開が起こっている。
一体何がどうなっているのか、呆然とするエヴリーヌにジョフロワから衝撃的な言葉が告げられる。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様・自サイトに重複投稿。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる