紅月の神話 EP4 黒い悪魔

与那覇瑛都

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第一章 黒い悪魔の逃亡

第三話 騙す方が悪いんじゃない、騙される方が悪いんだ

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 ガレック達はダウンタウンを出るとダン地区の中でもっとも北にある紅い翼の本社フェニックス城へと向かった。
 フェニックス城は北と南に城門がある。北門から真っ直ぐ進むとカトリーヌ領に行き、南門から進むと王城アヴァロンに行く。
 フェニックス城南門に着くと、いつも城門の警備をしている三十代半ばぐらいの屈強な門番ボブ・モーテナイが叫ぶ。
「その可愛い女の子達は誰だ! 俺に紹介しろ!」
「俺の奴隷だ。手ぇ出したら殺すぞ」
「えっ? 奴隷?」
「奴隷だ」
「可哀想だろッ! いいか。女の子は国の、いや、世界の宝だ!」
「うるせぇな。いいか。俺は英雄だ。古来から英雄には付き従う奴隷がいるだろ」
「いやいや従者だから! 奴隷とは全然違うから!」
「似たようなもんだ。それより邪魔だ。道を空けろ」
 ボブは諦めて素直に道を譲ると、ある事を思い出した。
「そういや、社長が呼んでたぞ」
「マジか。かったるい。聞かなかった事にしよ」
「ちゃんと行けよ。後で怒られても知らねぇぞ」
「分かったよ。行けばいいんだろ。行けば」
 ガレックは受付に報告書を提出し、奴隷姉妹を連れ社長室に向かった。
 社長室に向かう途中、マリアが尋ねた。
「あの、質問してもいいですか?」
 ガレックは嘆息して言った。
「お前は俺の奴隷だ。いちいち質問していいかなんて聞くな。分からなかったら聞け」
「あ、はい」
「それで、何だ?」
「あの、ガレックさんも錬金術師なんですか?」
「ガレックさん?」
 足を止め軽く睨んだ。
「間違えました! ご主人様は錬金術師なんですか!?」
「ああ、金になるから覚えた」
 そう言ってまた歩き出した。それを聞いたアリスが言う。
「いや、普通無理だから」
 錬金術は化学と魔法、相反する二つを融合させた術だ。そのため錬金術師は双方の深い知識が要求される。
「俺様は英雄だからな、大抵のことなら何でも出来る」
「やっぱりトトリさんに教わったんですか?」
「うん? ああ、基礎だけな」
「基礎だけ?」
「基礎だけだ。基礎さえ解れば後は簡単だ。化学と魔法の本を読んで、自分の考えが間違ってないか実験を繰り返す。正解だったら新しい事を始めて間違いだったら何処で間違えたか考察し改め、また実験を繰り返す」
「教えて貰った方が早いんじゃない」
「確かにそうだが人から教わった物はすぐ忘れる。自分で調べ、考え、見付けた物は忘れない」
 姉妹はガレックを少し見直した。
「でもまあ、世の中は広い。習った事や見た事を忘れない完全記憶能力者や、一聞いて十を知る俺みたいな天才だっている。凡人は俺達天才の手足となって働けばいいんだ」
 姉妹は呆れた。
 何でこの人(こいつ)は自分で持ち上げ自分で突き落とすんだろう?
「着いたぞ。奴隷共」
 三人は社長室前に来た。ガレックが部屋に入る。
「ノックもなしか。クソガキ」
「口が悪いなぁ。ヒゲ」
「お前が言うな。お前が。それより貴様、またやったな」
「何を?」
「惚ける気か? 今朝、奴隷商人の死体が見付かり先ほどダウンタウンでホームレスの死体が見付かった」
「二人共可哀想に、心よりお悔やみを申し上げよう」
 二人のやりとりを冷や汗ダラダラしながら姉妹は見る。
「二人の左胸に小さい何かが貫いた、同じ傷跡があった」
「同一犯の仕業か」
「ああ。俺は過去にその傷跡を見た事がある」
「本当か!?」
「ああ。武器は銃だ。弾が出なかったから魔弾だろう。銃を持つ事が許可されてるのは王族と軍と警察、そして戦士か魔導士ランクがA以上の人物と錬金術師だ。だが今回使われたのは魔弾、つまり魔導銃だ。王族と軍なら死体が出る事などまず無い、治安を護る警察が魔導銃を使う事は許可されていないから除外。今現在、王都で魔導銃を持ってる傭兵は俺とお前だけだ。他はみんな遠征に出してる。後は錬金術師だけだな」
「ダウンタウンで銃を持ってるのはトトリだけか。まさか!? 犯人はトトリか!?」
「犯人はお前だ。このバカ! ってか。人の娘を勝手に殺人犯にするんじゃねぇ!」
「うっせぇ! 言い掛かりだ! 俺が犯人って証拠があるのか!? 証拠が!?」
「商人の護衛でAランク以上はお前だけだ! それにホームレスの殺害は目撃者がいる」
「目撃は証拠になりませぇん」
「ダウンタウンは最近、治安向上のため監視カメラを多数設置したんだ。お前の犯行現場はバッチリ映ってるんだよ!」
 ガレックは観念して苦笑いをした。
 ああ、娘は何でこんなクズを弟子にしたんだ? しかし、娘の愛した男。だが、だが、あまりにも非道すぎる。盗賊団討伐の依頼を任したら毒ガスを使って全滅させるし、人質立て籠もり事件を任したら爆弾使って人質ごと皆殺しにするし。殺してやりたいが娘にすぐバレる。バレたら嫌われる。クソォォ。
 ザックスはガレックに会う度に苦悩する。気持ちを落ち着け切り替えるため、深く深呼吸をして尋ねた。
「それで、後ろの二人は新しい女か?」
 マリアが自己紹介しようとしたが、ガレックが先に言う。
「俺の奴隷だ。金髪がマリア、銀髪がアリス」
「奴隷って・・・・・・まぁいい。俺の名前はザックス・ホーキンス、この会社の社長だ」
 マリアがザックスに尋ねた。
「さっきトトリさんが娘って」
「うん? 娘を知ってるか」
「は、はい。ここに来る前に会いました」
「そうか・・・」
 ザックスは娘と仲良くやってくれと言おうとしたが止めて、小さく苦笑した。ガレックはそれを見逃さず、ククク・・・と笑う。
「うるさいぞクソガキ。殺人に関してはまぁ、いつも通り罰金を取るとして」
「またかよ」
「当たり前だ。普通ならお前、捕まって死刑だぞ」
「それでも捕まらないのが英雄だ」
 ガレックは不敵に笑いザックスを見て、ザックスはうんざりした。
 捕まらない事を不思議に思ったアリスが尋ねる。
「ねぇ、ザックスさん。何でこいつ捕まらないの?」
「おいアリス、主に向かって、こいつはないだろ」
「・・・・・・」
「無視すんな!」
 アリスを襲おうとするガレックをマリアは必死に止め嘆願する。
「ご、ご主人様抑えて下さい! アリスちゃんも無視はよくないよ!」
「いちいち相手にすると疲れるよ。お姉ちゃん」
「そうだけど」
「何だとマリアァッ!」
「うわぁぁぁ! ご、ごめんなさい。ご主人様!」
「許さぁん!」
 ガレックはマリアの左右の頬を引っ張った。
「ひたい。ひたいれすぅ!」
「ちょっと! お姉ちゃんに酷い事をしないでよ!」
「うっせぇ! お前もつねってやる!」
 ガレックはカード抜き地面に叩きつけた。すると影が分離し実体化してアリスに頬を引っ張った。
「ひたい! ひゃにほれ!?」
「ドッペルゲンガー。(話しに聞く)本物があるかどうかは知らんが、本物と違って俺様の意思をくみ取り、俺様の邪魔をしないように行動する」
 ガレックとドッペルゲンガーが姉妹を苛めるのをザックスは呆れて見ていたが、長くなりそうだから終わらせる事にした。
「いいかげんにしろ」
 嘆息して目を瞑り指を鳴らした。すると一瞬、部屋中に強い光が放たれた。
「クソッ。フラッシュ(一瞬だけ強い光を放つ魔法)か。目がやられた」
 ガレックと姉妹は視力が回復するまで怯んでいた。いち早く視力が回復したのはアリスだった。
「あれ?」
 アリスの前にいたはずのドッペルゲンガーの姿はなかった。
 続いてマリア、最後にガレックの視力が回復した。
「いきなり何しやがる」
「あのままじゃ話が進まんだろ。アリスさんって言ったな。さっきの質問の答えだが、国が定めた戦士と魔導士どちらかのランクがSかAなら王族や貴族の護衛をするため殺人許可書を貰えるんだ。ただし無関係の者を殺したり傷付けたりしたら重い罰金を払う事になる。払えなかったら捕まって牢屋行き、最悪死刑だ」
「そうなんですか。あの、さっきのやつは?」
「ああ、ドッペルゲンガーの事か。あれは影だ。さっきのフラッシュみたいに、強い光で影をなくせば消える」
「なるほど」
「対処法、教えるなよ」
「そのうちバレる事だろ」
「まあ、そうだが・・・もう用はないな。帰るぞ奴隷共」
 ガレックはそそくさとドアに向かった。
「待て待て待て。まだ話は終わってない」
 チッ。逃げれなかったか。
「今日呼んだのはお前の受ける依頼についてだ。Sランクのくせに、三下の護衛、荷物の配達、庭の草むしりとか有り得ないだろ」
 二人はガレックのランクを聞いて驚き、やってる仕事を聞いて呆れた。
「金が無いんだ仕方ねぇだろ、誰かさん達が店を閉鎖しやがったから」
「当たり前だ! 爆発物の大量販売、金塊に薬物の密造、武器の密輸、他にもまだあるぞ!」
「仕方ないだろ。錬金術師なんだから」
「そんなわけあるかっ! お前のやったことは犯罪だ! アトリエを使えるだけでも感謝しろ!」
 ザックスは言い終えると机の引き出しから資料を出した。
「何だ? 人捜しかよ。かったるいからパス」
「いいのか? 美人だぞ」
「それを先に言え」
 ガレックは慌てて資料を奪う、資料にはAランクと書かれていた。
 ザックスは笑顔で尋ねる。
「受けるんだな」
「当たり前だ」
 資料に添えられた写真を見る。
「美人だ。ショートヘアのボーイッシュか」
「違う、ボーイだ」
「・・・・・・は?」
 ザックスは笑いながら言う。
「だからボーイだよ。男の子、女の子じゃない。ちゃんと資料を読んでみろ」
「レオナルド・レーデ・カトリーヌ、十六歳。なんだとぉ!?」
「これは特務だ。依頼は受理したからな。俺の友達の依頼だ必ずやれよ」
「クソ、奴隷姉妹。後は任せた」
 そう言うと資料を机に置いた。
「「えぇ!?」」
 ザックスが立ち去ろうとするガレックに言う。
「ちなみに奴隷って事はお前の所有物だ。失敗の責任はお前が持つことになるからな。失敗した場合アトリエを潰す。いいな」
「クソ。やればいいんだろ、やれば」
 そう言って資料を乱暴に取り部屋を出て行った。姉妹も後に続いた。
 三人がいなくなりザックスは溜息を吐いた。
 これでひとまず安心だな。
 ザックスはレオナの身の安全を考えて、ガレックを騙し任務に就けた。
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