紅月の神話 EP4 黒い悪魔

与那覇瑛都

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第一章 黒い悪魔の逃亡

第二話 大金を手に入れるとすぐになくなる

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 ドラゴンを売り捌いたあと、ガレックは奴隷姉妹を引き連れて王都に戻った。ガレックは左手に姉妹は両手でアタッシュケースを持って歩く。
 オッサン二人がガレック達を見て小声で話す。
「おい。あの子達」
「ああ、可哀想に」
 冴えない青年が呟く。
「クソ。羨ましい」
 可愛い女の子二人組が話す。
「私もガレックさんにだったら……」
「バカ。何言ってるのよ」
 三人はかなり目立っていた。特にガレックの後ろにいる姉妹が、そんな二人に呆れて言った。
「あれだな。お前等目立ちすぎだ」
「だったら服買ってよっ!」
「うぅぅぅ。恥ずかしいよぉ。足痛いよぉ」
 二人は大きいボロボロの服に裸足だった。
「かったる。あそこに行くか」
 そう言ってガレックは歩き出した。

 シンフォニアの王都には王城アヴァロンを中心に中央政府関連の重要施設がある中央区、荒くれ者の多い北区、平民が多く商売が盛んな東区、貴族などの富裕層が屋敷を構える南区、工業が盛んな西区がある。
 ガレックは北区でもっとも治安が悪いダウンタウンに下りた。
 すれ違う人は人相が悪く。不幸にも一人、ガレックに気付かず善意から話し掛けてしまった。
「可愛いお嬢さん。出口は・・・・・・」
 ダァンッ!
 男は眉間を撃たれて死んだ。
「俺の女に手を出すな。殺すぞ」
 そう言ってガレックはいつの間にか抜いていた銃をしまうと姉妹は揃って抗議した。
「もう死んでるじゃない!」
「やり過ぎです!」
「あっ、本当だ。チッ、避けろよ。クズが、不幸な事故だ。行くぞ」
「「えっ、えぇぇぇ」」
 ガレックは何事もなかったように目的地に向かい姉妹は男の死体を気にしながらも付いて行った。
 暫くして有刺鉄線で封鎖された洞窟とガラクタの山が見えた。
「あれだ。あれ」
「あれに、入るの?」
 姉妹は危険が漂う洞窟を見る。
「そっちじゃない。あっちだ」
 ガレックはそう言いながらガラクタ山を指差し姉妹は言葉を無くした。
 戸惑う姉妹を引き連れ洞窟の方へ真っ直ぐ進むとガラクタ山の裏側に隠れた外からでは何を売ってるのか解らない怪しい店があり、ガレックが躊躇いなくその店に入ったから姉妹は仕方なく後に続いた。
 店の中は日用品から非常食、武器や防具、薬品、他にも用途不明な物が多数置かれて外と同様、混沌としていた。
 そんな店とは場違いな可愛さを持つ黒髪をポニーテールにした黒と紅のオッドアイの少女がガレックに近づきながら挨拶をする。
「いらっしゃいやせぇ。旦那ぁ。お久し振りれすねぇ」
「相変わらず汚ねぇ店だな」
「酷いれすよ。旦那ぁ。これれも毎日掃除してるんれすよ」
 ガレックは鼻で笑って言う。
「掃除してこれか。末期だな」
「本当に酷いれすよ。旦那」
「まあいい」
 ガレックは一歩下がって、後ろにいた姉妹の頭に手を置いた。
「こいつらを紹介する。金髪がマリアで銀髪がアリスだ」
「あい。初めやして、ここは……」
「大人の夜をより熱くする。エロエロ専門店だ」
「違いやすよ旦那! 御新規様が勘違いするじゃないれすか!」
「ちゃんと売ってるだろ」
 そう言って店に飾ってあった鈴の首輪を二つ取った。
「そりゃ旦那の時だけれすよ。しかもマスターには内緒なんれすよ」
 売らないと営業妨害とかいろいろ酷いめにあいやすから。
 涙目の店員を見てマリアが話しを戻す助け船を出した。
「えぇと。本当は何の店なんですか?」
「あ、あい。ここは錬金術師トトリ・ホーキンスのアトリエれす。あっしはホムンクルスのシャーリーっていいやす」
 姉妹は錬金術師トトリ・ホーキンスと聞いて驚いた。
 錬金術は機工魔術の基になったものである。
 錬金術から枝分かれした魔術を使える技術者が機工魔術や医療魔術を作り、魔術を使えない技術者が科学を用いて機工魔術や医療魔術に並ぶ技術を作った。
 誰でも錬金術師と名乗れた昔と違い現在錬金術師と名乗るには錬金術から枝分かれした全ての資格が必要である。
「トトリ・ホーキンス……」
「最年少で錬金術師になった。あのトトリ・ホーキンス・・・・・・」
「あのぅ、あっしホムンクルス」
「どうしてこんな所に?」
「彼女だったらもっと良い場所で店を出せるはずなのに」
「あのぅ、あっし」
「「うぅぅぅん?」」
「完璧無視だな」
「いいれす。いいれす」
 錬金術の傑作ホムンクルス。チヤホヤされると思っていたシャーリーはいじけた。その隙にガレックは飾ってあった首輪を二つポケットに入れる。
「おい。シャーリー、服は何処だ? 俺達は服を買いに来たんだ」
「服れすか? 旦那がここれ買うって事は、またエロい服れすか?」
「普通だ。普通」
「ありゃ、珍しい。水に濡れると溶けちゃう服とか簡単に破けちゃう服とかいろいろありやすけど」
「普通だ。普通。いいか。そういうのは普通の服があって初めて効果を発揮するんだ。常にそんな服だと最初は楽しいが、だんだん飽きて邪魔になる」
「邪魔って、酷いれすねぇ」
「邪魔だ。邪魔。俺は俺の女の裸を他の野郎に見せる趣味はねぇ。そういうのはたまにやってスリルを楽しむのがいいんだ。常に裸にしないように気ぃ使うなんて、かったるくてやってられるか」
「そうれすか」
 チッ。ぼったくり失敗れす。
「そういやぁ、トトリは何処だ?」
「マスターはお昼寝中れす」
「俺が来たんだ。叩き起こせ。ダメ店員」
「ダ、ダメって」
「さっさと行け。犯すぞ」
「ヒ、ヒィィィ」
 シャーリーは店の奥にあるアトリエを通り涙目で寝室に向かい、ガレックはアトリエに入りソファに座った。暫くして寝起きのため不機嫌な顔をした黒髪の小柄な少女がシャーリーを連れてやって来た。
「ガッ君。またシャーリーを苛めたわね」
「眼が赤いぞ。それにヨダレ」
「なっ! う、うるさい」
 顔を赤くし慌てて袖口で口元を拭(ぬぐ)った。
「そこにティッシュがあるんだから使えよ」
「本当にうるさいよ! 自分家でくらいいいでしょ!」
「男が目の前にいてその発言、女捨ててるぞ。ククク・・・・・・」
「うるさい、黙れッ!」
「そう怒るな」
 ガレックは軽く振り返り、トトリが来たため店内で緊張し固まっている二人を呼ぶ。
「おい奴隷姉妹。こっちに来い」
 姉妹は緊張しながらアトリエに入った。
「奴隷姉妹。本当。会う度に鬼畜度が増すね。君は」
「うるせ」
 トトリは姉妹の方を向いて自己紹介をする。
「初めまして。このアトリエの店主、錬金術師のトトリ・ホーキンスです」
「は、初めまして。マリア・イヴ・スカーレットです!」
「ア、アリス・イヴ・スカーレットです」
「緊張しすぎだろ。それじゃあシャーリー、こいつらの私服を選んでやれ」
「分かったれす。普通の服はこっちれすね」
 シャーリーは姉妹を再び店に連れて行った。
「イヴ?」
「自称賢者の末裔だ」
「ふぅん。だからいつもと違うんだ」
 トトリは近くの作業机の椅子に座った。
「何が?」
「いつものガッ君なら一回やってバイバイでしょ。もし一回やっても一緒にいるなら依頼人か興味を持ったか。賢者の末裔って聞いて興味を持ったんでしょ」
「当たり前だ。お前も興味持ったろ」
「まあね。それで、今日は彼女達を紹介するために来たの?」
「ああ。後、あいつ等の仕事着として俺の服と同じ素材のメイド服十二着と自動魔法障壁の指輪を二つくれ」
「育てるの!?」
「面白そうだからな」
「ふぅん。どうやら本気みたいね。・・・三億エスト」
 にっこりと言ったトトリに、ガレックは引きつって言う。
「ちょっと待て。一億くらいのはずだろ」
「何言ってんのガッ君。今までウチにどんだけ被害与えたと思ってんの? はっきり言って三億でも安いわよ。ガッ君、金遣いが荒いから持ってる時に取らないとね。そのアタッシュケースを置いてったら作ってあげる」
「だぁぁぁぁっ! わったよ! 置いてきゃいいんだろ。置いてきゃ」
「まいどありぃ!」
 そう言うと机の引き出しから指輪を二つ出した。
「先に渡しとく。メイド服は全部で一ヶ月くらいかかるから」
 ガレックは立ち上がり「了解」と頷いて指輪を受け取り、ポケットから首輪を出した。
「工具借りるぞ」
「別にいいけど。どうしたのその首輪。飛竜の皮を使った珍しいやつね」
「さっき買った(嘘)」
 トトリは指輪の力を首輪に移す作業を黙って見ていた。
 真面目にしてたら強くて頼りになるし、格好いいんだけどなぁ。
「よし出来た」
「お疲れ。この後どうするの?」
 ガレックは少し悩んでニヤリと笑って言った。
「さっさと本部(紅い翼の本社)に行って、報告書出して帰る」
「最低。王都の案内くらいしなさいよ。鬼畜」
「おいおい。何処が最低だよ。早く帰って親睦を深めましょって話しだよ(ベッドの中で)」
 トトリは嘆息しながら言った。
「紅い翼の鬼畜とゲスな公爵。シンフォニアの悪評は日に日に高まるよ」
「ちょっと待て。どうして俺がゲスと同列なんだよ」
「やってる事同じじゃない」
「あん?」
 ガレックは立ち上がりトトリが逃げないよう両肩を押さえた。
「な、何よ?」
「話し合おう」
「絶対ヤダッ! 放せっ! 放せぇっ! ムグッ!」
 非力なトトリは強引に唇を奪われた。
 トトリの悲鳴と嬌声は店内にいた姉妹とシャーリーにも聞こえたが、巻き添えを恐れた三人は顔を赤くし心の中で何度も何度もトトリに謝った。
 数時間後、ガレックは満足して店内に戻った。戻ってきたガレックにシャーリーが涙目で抗議した。
「旦那ぁ。ここでやるのは勘弁してくだせぇ」
「こういうのはやっぱり、愛し合う二人がやる事です」
「最低。鬼畜」
「何処で誰とやろうが俺の勝手だ。だいたい奴隷が俺に指図すんじゃねぇ」
 姉妹が少し俯き、シャーリーが慌てて否定した。
「ちょっとちょっと! あっしは奴隷じゃないれすよ!」
 否定したシャーリーにガレックが言う。
「シャーリー、お前を構成する素材を集めたのは誰だ?」
「うん? マスターと旦那れす」
「お前の制作者は?」
「マスターと旦那れす」
「お前に命令できるのは?」
「・・・マスターと旦那れす」
「俺は誰だ?」
「あっしの制作者の一人、もう一人のマスターれす・・・・・・」
「俺の命令には?」
「逆らえないれす・・・・・・」
「つまりお前は俺の奴隷だ。解ったか。バァカ」
「酷いれす。あんまりれす」
「お前等奴隷は一生俺様がこき使ってやる」
 高笑いするガレックを姉妹とシャーリーが涙目で見ていた。
 店の奥から少し涙目で顔を赤くし怒ったトトリがヨロヨロやって来た。そしてガレック同様、右腰に下げたカードホルダーからカードを抜き魔力を込めカードをハリセンにして高笑いするガレックを思いっきり叩いた。
「イタッ! 何しやがる!」
「うるさい、鬼畜悪魔ッ!」
 さらに叩いた。
「イッテェッ!」
 叩く、叩く、叩く、叩く・・・・・・
「いや、本当、痛い!」
 叩く、叩く、叩く、叩く・・・・・・
「さっさと出てけぇッ!」
 フルスイング!
「イテェッ!」
 ガレックは店から叩き出され、姉妹は服の入った袋を二つずつ持って出て来た。
「ったく。なんて女だ」
「当然でしょ。あんな事やっといて」
「ああいうのは、お互いの同意の上でやる事です」
「・・・うるさいッ」
「ちょっと!」
「待って下さい!」
 急に歩き出したガレックを姉妹が慌てて追い掛けた。
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