紅月の神話 EP4 黒い悪魔

与那覇瑛都

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第一章 黒い悪魔の逃亡

第十話 軍の階級ってややこしいよね。特に下士官はややこしい。

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 翌日どうやって依頼を成功したかは忘れたが、依頼成功の報告のためガレック達はフェニックス城に来た。
 受付でレイチェルが西方軍の兵士に詰め寄られ困っていた。
「どうした?」
「あっ。ガレックさん」
「うん? 誰だお前は?」
「錬金術師だ。三下」
 兵士は言葉が詰まった。何故なら錬金術師は軍では尉官以上の扱いを受ける。では何故ガレックは目の前の兵士が三下だと判ったかというと、軍では階級章を着用する。
 兵は谷線が三つまで増え兵長になると一番上に弧線が一本加わり、曹は山線が三つまで増え曹長になると一番下に弧線が加わる。准尉は横線一本のみで尉官は横線一本と星が三つまで増え、佐官は横線二本と星が三つまで増え、将官は星のみで四つまで増える。
 山線三本の階級章を持つ兵士は、言葉遣いを改めてガレックと話す。
「私は西方軍所属、ベン・キプロス一等曹です。援軍のお願いをしにやって参りました」
「ウチは今、援軍を出せないだろ。なぁレイチェル」
「はい。電話で何度も無理だと言ったらウチに来たんです」
「キプロス一等曹、諦めろ。ウチは今、幹部は全員出払って部隊長達も他の任務で出払っている」
「それでは貴方が部隊を率いてきてください。錬金術師なら可能でしょ」
 ガレックは口調を変えベンを冷たく睨んで言う。
「ふざけるなよ。三下。わざわざこっちがテメェ等の顔を立てて穏便に帰れって言ってるんだ。さっさと帰れ」
「ぐ、軍に向かってなんだその態度は」
「こっちが何も分からねぇと思ってるのか? 西方軍の任務は小国同士戦乱中のアルベーナ地方からの防衛だろ。西方軍が他の軍と比べ数が少ないとはいえ、小国がロベリアもしくはバルセ・ルナと同盟も組まずに西方軍を攻めるなんてありえねぇ。大方無茶な進軍をして失敗したか。何かやらかして相手を怒らせたかのどちらかだろ。こっちが調べて政府に告げ口するか、それとも自分の口で政府に言うか、好きな方を選べ」
 兵士は苦い顔をして「し、失礼する」と言って去っていった。
「助かりました。ガレックさん」
「それじゃあ、お礼を貰おうかな。奴隷共少し待ってろ」
 そう言ってレイチェルを抱き上げてどこかへ走って行った。
「ど、どうしよっか?」
「待つしかないんじゃない」
 姉妹は仕方なくガレックを待った。

 カトリーヌ親子は領地に戻る前にザックスの下へ挨拶をしに来ていた。
 ガレックが兵士を追い返した頃、ジョルジュの携帯に電話が掛かってきた。
「もしもし」
『警備責任者のハヤウェイです』
「どうした?」
『申し訳ございません。ジョルジュ様! ジャック様が誘拐されました!』
「なんだと!?」
 突然大声を上げたジョルジュに驚き、ザックスとレオナは視線を向ける。
「それで被害は?」
『森のトラップが所々解除され、屋敷の車を奪われました。負傷者は数名、死人はいません』
「そうか・・・レオナは無事保護した。動ける者は王都に来てレオナの護衛をしろ」
『はっ!』
 携帯をしまいザックスとレオナに言う。
「ジャックが誘拐された」
 ザックスは帰還途中のレオナ捜索隊隊長に電話を掛けジャックが攫われたことを伝えジャックを捜索するよう命じる。次にガレックに電話を掛けたがいつも通り無視され仕方なく出向くことにする。
「ガレックを連れてくるから二人はそこで待っててくれ」
 そう言ってザックスは部屋を出て外に出ようとロビーまで来ると姉妹を見付け声を掛ける。
「お嬢ちゃん達どうしたんだ?」
「ザックスさん」
「どうも」
 二人はいるが、ガレックがいないな。
「ガレックはいないのか?」
「えぇっと。受付の人を攫ってどこかに行きました」
 ザックスは嘆息して姉妹に言う。
「あのクズが戻ったら社長室に来るよう言ってくれ」
「はい」
 それから二時間後、戻ってきたガレックはいやいや社長室に向かった。
 社長室ではカトリーヌ親子が肩を落とし俯いていた。五歳は老けた感じのジョルジュがガレックに言う。
「頼む。ジャックを、息子を救ってくれ」
「今度はレオナの弟、ジャックが誘拐されたんだ」
 ザックスが補足説明した。
「嫌だ。かったるい」
「お願いだ! ガレック君!」
「えぇぇい。うっとうしい」
 やはりだめか。
 ガレックは縋るジョルジュを押しのけ出て行こうとする。
 姉妹が行く手を塞ぐ。
「ご主人様。助けてあげましょう」
「ちょっとぐらい良いじゃない」
「嫌だったら、嫌だ。絶対やらねぇ」
 ザックスは無駄だと解っていた。いくら大金を積んでもこの依頼は受けないだろう。ガレックがこの依頼を受ける方法も解ってはいるが、あえて口にしなかった。
 しかし、レオナの言葉で事態は急変する。
「ガレックさん、お願いです。何でもしますから弟を助けてください」
 その言葉を聞きガレックがニヤリと笑いザックスとアリスが慌てて止める。
「ダメだレオナ! その言葉は禁句だ!」
「そうよ! もっと自分を大切にして!」
 二人は何とか説得しようと頑張る。
 マリアは諦めて親子は意味が分かっていない。
「それじゃあ、前払いだ」
 ガレックは必死に説得する二人を押しのけて左手でレオナの手を取り右手でカードを抜いて消えた。
 それを見たマリアは驚いて叫んだ。
「転移魔法!」
「そんな。どうやって!」
 アリスがそう言うとザックスは悔しそうに言った。
「あいつは無詠唱魔法の達人だ。魔方陣が描かれたカードに魔力を込めて魔法を発動させたんだ。転移先はおそらく、あいつの自宅だろう」
 ガレックがこれから何をするかよく分かっていないジョルジュを連れ、一同はガレックの家を目指した。
 四人が着いた頃には、すでに事は終わっていた。
 ダイニングに顔を赤くして俯くレオナとニヤニヤ笑うガレックが座っていた。
「思った通りの時間に来たな」
「最低」
「外道め」
「何とでも言え」
 文句を言われても今のガレックは気にしない。
「それで、お前これからどうするんだ」
「取り合えず今日の夜にでもレオナが捕まってたっていう屋敷でも調べようと思う」
「そうか。何か分かったら連絡くれ」
 これ以上レオナをここに置きたくないザックスは、カトリーヌ親子と一緒に戻ろうとしたがレオナが動かない。最悪な事態にザックスが狼狽える。
「ど、どうした? レオナ」
「お父様、小父様。今日は、その、あの、ここに泊まります。はい」
 ザックスの予想通りだった。まだよく分かっていないジョルジュは不思議に思いながらも、ここなら誘拐の危険性もないと判断し了承した。
 マリアが呟く。
「ライバルだ」
 それを聞いた妹が嘆息した。
 ザックスはジョルジュと共に帰りガレックはニヤリと笑いながら三人に言う。
「まずは飯にしよう。精が付く物が食いたい」
 それを聞いたマリアがモジモジとし、アリスが睨み、レオナは俯いた。
 三人の顔は真っ赤だった。

 夜になりガレックは三人に言う。
「じゃあ、俺は手がかりを見付けにレオナが捕まってた屋敷に行く。この家から出なければ安全だから外出するなよ」
 三人は頷いた。
「それとレオナ」
「何ですか?」
「護身用のため店から好きな武器を選ぶといい」
「しかし・・・」
 ガレックの店にある武器は実用的だがどれもものすごく高い。
「金ならいらんぞ。なんたってお前は俺の女だからな」
 俺の女といわれレオナは顔を真っ赤にする。
「この際だ。お前等も武器を選べ」
「いいんですか!」
「ああ。いつまでも武器を持ってないといざって時に困るからな」
 姉妹にそう言ってガレックは店へと向かい一時的に店の防衛機能を解除する。
 三人は店に入るとレオナは一直線に欲しいと思っていた剣の前に立ってガレックに尋ねる。
「この剣が欲しいんだが、本当にいいのか」
 その剣は三年前に入ったあるダンジョンで拾った物で持ち主は勿論制作者も不明の名も無き剣である。この剣について分かったことは精霊の加護を受けたオリハルコン製の剣ということだけである。よってガレックはこの剣を精霊の剣と値を付けて店に並べた。
「この剣か。やってもいいが・・・今のレオナにあげるのはもったいない。ぶっちゃけ宝の持ち腐れだな。だが、本気で二、三年修行した後なら使いこなせるだろう。素質はあるっぽいからな」
 宝の持ち腐れといわれ少し傷付いたレオナだったが素質があるといわれ喜ぶ。
「本当ですか!」
「ああ。だけど学校に通ってる限り無理だからな。あそこは集団線を学ぶには最適だが個人戦は並だからな。何せ教えるやつが並だから、その剣は一流でも手が余る、超一流がやっと使いこなせる武器だ」
「超一流がやっと・・・」
「まぁ、今回は使いこなす必要はねぇ使えればいいからな。最低でも戦士と魔導士の両方ランクAになれば誰も文句言わねぇよ」
 そう言ってガレックは精霊の剣をレオナに渡した。
 現在のレオナのランクは戦士ランクC魔導士ランクDと普通より少し強いくらいだったので表情は硬く一言だけ言って受け取った。
「頑張ります」
「そう硬くなるな。さっき言ったろ。並のやつに教わっても並にしかならんと、じゃあ並じゃないやつに教わればいい。例えばうちの会社に依頼を出すとかな」
 その手があったと硬かった表情は消え笑みを浮かべて「はい!」っと言った。
 ちなみにガレックはこれで依頼が入り自分が受けようと思っていたがこの先起こる問題でガレックが依頼を受けることはなかった。
 剣を受け取ったレオナは剣を腰に提げるとガレックと共に姉妹の下へと向かう。姉妹は杖コーナーの前で固まっていた。
「どうしたお前等」
 どうしたと聞かれ二人が振り返りマリアは困惑しアリスは怒りながら尋ねる。
「これしか杖ないんですか?」
「なんで全部初心者用なのよ!」
「はぁっ? だって俺杖使わねぇし」
「でも凄い武器とか道具とか並んであるじゃないですか!?」
「そうよ! なんで杖だけ無いのよ!」
「だから、俺が使わねぇからだって、ここに置いてるのは道具以外は全部俺が使わねぇ物だぞ。杖は盗賊から巻き上げた物だしな」
「じゃあ本当にこれしかないんですね」
 ガレックが頷くのを見て姉妹は諦め仕方なく初心者用の杖を取り三人の武器が決まったことでガレックは店から連れ出し店の防衛機能を作動させそのまま家の玄関まで行き三人に言う。
「じゃあ俺はもう行くからお前等は寝てていいぞ」
「分かりました」
「お気を付けて」
 マリアとレオナはそう言いアリスは頷くだけだった咎めることなくガレックは家から出て車庫へと向かい車庫に老いてある大型自動二輪車に乗りレオナが捕まっていた屋敷へと向かった。

 屋敷に近づきガレックは少し離れた場所におり大型自動二輪車をカードにしてカードホルダーへとしまい、歩きながら屋敷へと向かう。
 屋敷の門番は、ガレックと同じ歳くらいの若い男と女だった。
 茶色い髪をした男の名はスティーブ・ダダン。短い黒髪をした、可愛い女性の名は平山楓(ひらやまかえで)。
 二人は結婚の約束をした恋人同士だった。
 ガレックはスティーブに話し掛ける。
「すいませぇん。ちょっといいっすか?」
「何ですか?」
 少し警戒しつつもスティーブは近づいた。
 次の瞬間ガレックは一気に間合いを詰めボディにアッパーをし身体がくの字に曲がった所で顎にアッパーを思いっきり突き上げる。
 スティーブは空を舞い気絶し楓が驚き怒りの声を上げる。
「貴様ぁっ!」
 楓は剣を抜こうとしたが、一気に間合いを詰めたガレックが右手で柄を押さえ剣を抜けないようにし、強引に抱き唇を奪った。
 異変を感じた他の兵士が屋敷を出て見たのは、まさかのキスシーンだった。
「う、浮気か」
「近々結婚するんじゃなかったのか」
 他の兵士のざわめきで気絶していたスティーブが起きた。そしてスティーブは愕然とし、思考が停止した。
 結婚を約束した彼女が他の男と濃厚なキスをしていた。
 ガレックはゆっくり唇を離した。
 楓の目がトロンっとしている。
「な、何をしてるんだ?」
 震えながらスティーブが言う。
 スティーブの声で楓が正気に戻り、首を横に振りながら言う。
「違う。違うのよスティーブ! この人が無理矢理!」
 スティーブは怒りに震え、剣を抜いた。
「貴様ぁっ!」
 斬り掛かるスティーブを蹴り飛ばし楓を無理矢理抱きかかえニヤリと笑って言う。
「ハァッハッハッハッ! 女は貰っていくぜ!」
 蹴飛ばされたスティーブは楓を守れなかった悔しさとガレックへの怒りで涙を流す。
 そこで屋敷からアッシュが出て来た。
「えっと、何? この状況?」
 他の兵士達も状況が解らなくて首を横に振る。
 ガレックに抱かれている楓が泣きながら懇願する。
「アッシュ様! お願いです。この男を殺してください!」
「えっと、何の用? ガレック」
 ガレックはアッシュの質問でやっと本来の目的を思い出した。
「・・・寝取り?」
「絶対違うよね。っていうか。彼女、婚約してるんだから」
 アッシュは静かに剣を抜くのを見て、ガレックは冷や汗を流す。
 しまった! 予定が狂った! こっそり侵入して情報収集するつもりだったんだが、これ屋敷の兵士全員来てない? さすがに逃げるしかないか。
 泣きながら睨んでいる楓を見る。
 しかし戦利品は持ち去りたいな。
 次に周りを見る。
 でも、さすがに無理か・・・・・・いや、犯る。
 ガレックは近づいてくるアッシュに向かって楓を「ほれっ」っと放り、アッシュは慌てて受け止めようとしたがガレックはすぐに右手で楓の襟を掴んで引き寄せアッシュの目の前で魔力を込めた左手を鳴らしフラッシュの魔法を使う。アッシュが怯んだ隙に楓を抱き上げガレックは全力で逃げた。
「楓、楓ぇぇぇぇぇっ!」
 婚約者の名前を呼ぶ、スティーブの叫び声が闇夜に消えた。
 それからすぐにアッシュはエドガーの下に向かった。
「ガレックが屋敷に来たぁ!?」
 報告を聞いたエドガーはこれからどうするか考える。
 もう完全に俺達が犯人だとバレてるな。楓の事は心配だが捨て置くしかないか。
「それで、これからどうする?」
「さあ、どうするか? ガレック予想以上に訳の分からん奴だ」
「楓の救出は?」
「スティーブには悪いが捨て置く。部下をキャンベルに帰し屋敷を燃やせ。証拠を残すな」
 アッシュは少し驚く。
「証拠なんて無いのに、わざわざ燃やすの?」
「それは俺達から見たら無い証拠だ。相手は錬金術師だぞ。俺達が考えつかない物を証拠として見つけ出す奴らだ」
「分かった」
 その後アッシュは言われた通り部下を帰して屋敷に火を放った。

 ガレックは武器や兵器を造る紅い翼の子会社C・H社の倉庫に逃げ込んだ。
 カードを抜き手錠を出すと女性兵の手を後ろに組んで掛ける。
「私をどうするつもり!?」
「そんなの決まってる。犯らせろぉぉぉっ!」
「・・・・・・ハァァァッ!?」
 意味分かんない!? 意味解んない!? 意味判んないっ!? 何なのこの人っ!? ってか、なんで服を脱ぎ始めるのよ!? ほ、本気なの? うわぁぁぁっ! 胸触られた! 胸触られた! 胸触られたぁ! スティーブにもまだ触らせた事ないのにぃ! ウエェェェン! こんなのってないよぉぉっ!
 ・・・事が終わり、満足してニヤニヤ笑うガレックは手錠を外し、裸にされ涙目で睨む楓に言う。
「よかったぞ。またやろうな」
「に、二度とやるかぁ」
 楓はヨロヨロと服で身体を隠す。
「手錠を外して、これから私をどうするつもり?」
「どうもしねぇ。解放しよう」
「・・・はっ?」
 まさか、本当にただ犯りたかっただけ?
「うん? 逃げないのか」
 本当に逃がすか分からないため楓は動かない。
「そうか。俺様に惚れたか」
「そんなわけないでしょ!」
 こいつの気が変わる前にさっさと逃げよう。うん!
 楓は一瞬で服を着て風のように逃げ去った。
 は、速ぇぇぇっ。・・・・・・あっ、そういえば名前聞くの忘れた?
 ガレックは名前を聞き忘れた事を後悔した。
 ガレックが屋敷に向かうと、そこにはもう屋敷はなく焼け跡だけが残っていた。
 ガレックは屋敷を封鎖している警官に尋ねる。
「何があったんだ?」
 様々な依頼を受けた結果ガレックは警官との知り合いが多い。警官はすぐに何が起きたか説明する。
「放火です。幸い屋敷には誰もいなかったから死傷者はいません。犯人に繋がる証拠を捜してるんですが見付かりそうにないですね」
「へぇ。そうか、じゃあ頑張れよ」
 そう言ってガレックはこの場を後にし取り合えず家へと歩き出し考える。
 誰もいなかったって事は火を放ったのは自分達か、さてさて、これからどうする? レオナのためとはいえ焼け跡を調べるのはかったるい・・・・・・そういやぁ伯爵には妹がいたな。
 思い出した瞬間ニヤリと笑った。
 目には目を歯には歯を、俺も誘拐しよう。
 ガレックはキャンベルへと向かう前にレオナの護衛をトトリにお願いしに向かった。
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