紅月の神話 EP4 黒い悪魔

与那覇瑛都

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第一章 黒い悪魔の逃亡

エピローグ

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 あれからシェリア達は話し合い今回の騒動は国籍不明の工作員が起こした事にして、シェリアは自身を守った叔父のジョルジュと紅い翼のザックスに褒美として謝罪の品を渡した。
 そしてジョルジュは騒動の原因となった自身の王位継承権を放棄しシェリアを支える宰相となった。

 深夜になりようやく話し合いが終わった後、シェリアはミシェルを連れ地下牢へと降りた。
 地下牢を監視していた近衛兵がシェリア達を目的の場所へと案内する。
 シェリアに気付いた囚人達がうるさい中、目的の場所にシェリアは辿り着く。そこは地下牢の一番奥、様々な魔方陣が張り巡らされ最上位種すら逃げる事が出来ない牢の前にシェリアは立つ。
 地下牢には魔方陣の影響で心身共に力尽きているガレックがいてガレックはシェリアに気付くと話し掛ける
「何だ、俺様に惚れたか?」
 魔方陣の影響で魔力が尽き体力も奪われたガレックが話し掛ける。
「減らず口を」
 ミシェルがガレックを睨んでそう言いシェリアは若干顔を赤くして言う。
「ガレック・グレート・スーパーキング」
 ガレックはかなり嫌そうに顔を歪めて言う。
「その名で呼ぶな」
「ご、ごめんなさい。貴方の本名ですよね?」
「うるせぇ。若気の至りだったんだよ」
「分かった。これからは名前で呼ぶわ。ガレック、今回の件は元はといえば私が招いたこと。貴方を解放します」
 シェリアは魔方陣の効力を解きガレックを解放する。
 ちくしょう。今回は大人しく引き下がるか。だが、だが、いつかきっと犯る!
 ガレックに強く睨まれシェリアは耐えきれなくなり大声で命じる。
「さっさと連れ出しなさいっ!」
 近衛兵が慌ててガレックを抱き起こし肩を貸すと二人がかりで連れ出していく。

 暫く城で休んでいたガレックが家に帰ると家の灯りは点いてなかった。
 ガレックは家に入り、寝室に向かうとベッドで安らかに寝ている姉妹の頬を思いっきりつねった。
「「いひゃっ! いひゃいっ。いひゃぁぁい!」」
「主が捕まってるっていうのに、お前等は?気にお休みか? このこのこの!」
「ご、ごめんなひゃぁい!」
「あに、ふんのよ!」
 ガレックは思いっきり引っ張って放した。
 涙目で引っ張られた頬をさする姉妹にガレックが言う。
「女王の処女奪えなかったんだ。お前等相手しやがれ」
「な、何よそれ!」
「うるさい。犯らせろぉぉぉお!」
「「いやぁぁぁあ!」」
 いつも通り無理矢理ガレックは姉妹を抱いた。

 翌朝ガレックは一人フェニックス城に訪れ受付にいるレイチェルへ話し掛ける。
「おはようレイチェル。昨日保護した女達何処行った?」
「うっ、ガレックさん。社長の指示で家に帰しましたよ」
「何だと!?」
 ガレックは何かを話すレイチェルを無視して急ぎ社長室に向かった。
 社長室ではカトリーヌ親子がお礼に来ていた。
「今回は世話になった。改めてお礼申し上げる」
 ジョルジュが頭を下げるのに続き姉弟も「ありがとうございました」と頭を下げる。
「なぁに、貰える物さえ貰えれば俺達は何でもする。俺達は傭兵だからな」
「相変わらずだな」
「それよりお前も大変だな。宰相に就任なんかして、中央から動けなくなるぞ。カトリーヌはどうするんだ?」
 ジョルジュはレオナを見て言う。
「そうだな。そろそろレオナに働いて貰うとする」
 ジョルジュの言葉に姉弟は驚きジョルジュを見た。
「勿論。至らぬ所も多々あるがなり生きとはいえ今回初陣を果たした。初陣したのなら大人として扱うべきだろう。補佐は義父上に頼めばいい。隠居したとはいえ、まだまだ元気だからな。孫娘のためなら断らんさ」
 ザックスは一度だけ会った事のある先代のカトリーヌ大公を思い出した。
 世間では国を売ったとか大国に屈したとか悪いイメージだが、実際は全然違っていた。実のところ先代シンフォニア王は弟を婿に出すとはいえカトリーヌ家を大公家にする気はなく一公爵家として領地を半分没収しようとしたが、それを言葉巧みに躱し公爵ではなく大公家に格上げし領地も減らさず守った謀略家である。
 その事がありシェリアは叔父を、カトリーヌ大公家を警戒していた。
「確かに、あの人なら大丈夫だな」
 その後はたあいない話をしていると、いきなりドアが蹴破られガレックが入って来た。
「どういう事だヒゲェッ!?」
 驚くカトリーヌ親子とは違い、慣れているザックスは冷静に言う。
「ドアを壊すな」
「うるせぇっ! そんな事はどうでもいい! 勝手に帰すとはどういう事だ!?」
 勝手に帰す? ああ、保護した女達の事か。帰ったのは家が近い者だけで、まだ保護しているが、わざわざ言う必要ないな。
「家に帰すのは当たり前だろ。それよりジョルジュ達が来てるんだ大人しくしろ。クソガキ」
「ああっ!?」
 ガレックは振り返りカトリーヌ親子を見て、ジャックの目の前まで歩いて行き、前髪を掴んで無理矢理顔を上げさせた。
「何をするんだ貴様!?」
「ガレック止めろ!」「ガレックさん!」
 周りを無視してガレックは暫くジロジロとジャックの顔を見て言った。
「昔から病弱? 違うな。こりゃ中毒だ。ほっとくと死ぬぞ」
 全員が驚いてガレックを見る。
「トトリが気付かなかったのは無理がない。トトリは昔から、錬金術師になる前から病弱だと思っていたんだろ。誰がやったか知らんが、賢者の石に冒されている。適合したら魔神達を足止め出来る人間界最強の魔術師になるが、適合者なんて百年に一人出るか出ないかだ。このガキは案の定適合出来ず、大きすぎる石の力が身体を蝕んでる」
「ど、どうにもならないのか!?」
「俺は回復魔法は専門外で医術の腕もないが、安心しろ大公。お宅の領地、カトリーヌに医療専門の錬金術師がいる。そいつに頼めば大丈夫だ。ただそいつはシンフォニア最強の結界師でもあってな。ザックスの命令で一年のほぼ全て北の砦を防衛している」
「傭兵なのか?」
「そうだ。交渉ならザックスとしろ」
 カトリーヌ親子がザックスを見るとザックスはその傭兵の説明を始める。
「その傭兵の名はドロシー・アイギス。シンフォニア、バルセ・ルナ、ロベリアの三ヵ国が接する、超激戦区の砦、オルトロスの防衛を特務として受けている。政府からの正式な依頼だから外すのに何ヶ月もかかるが、現地に直接向かうならすぐに会えるぞ」
「本当か!?」
「バルセ・ルナとロベリアとは停戦しているから今やってるのは見張りだけだ。停戦破りの可能性があるから動かす事は出来んが会う事は簡単だ。俺が話しを通してやる。今から向かえば今日の夜には会えるだろ」
 喜びに震える親子に笑みを浮かべて言う。
「礼は言い。さっさと行け」
 ザックスは礼はいいと言ったが親子は感謝を述べて、大急ぎでオルトロスに向かった。
 親子がいなくなりザックスがガレックに言う。
「たまには役に立ったな」
「うるさいぞヒゲ。それよりBKKを寄こせ」
「何だよBKKって」
「BKKも知らんのか? 美女がいて金になる簡単な仕事だ」
「お前以外に分かるかっ! それに、そんな依頼あるはず無いだろ!」
「チッ、使えねぇ」
「さっさと帰れ。こっちは忙しいんだ」
 ガレックはザックスに追い返された。

 事件の後からシェリアは仕事が手に付かず、窓ばかり眺め溜息を吐く。
 そんなシェリアをミシェルは心配そうに見ていた。
 暫く窓を眺めていたら突然シェリアが席を立ち、強い眼差しでミシェルを見た。
「ミシェル。決めたわ」
 そう言ってシェリアは自身の考えをミシェルに話した。
 話しを聞いたミシェルは大いに驚くがシェリアの考えに従い準備を始める。

 キャンベルに戻ったエドガーとアッシュは農作業をしていた。
「広すぎだろこの畑! ってか、今時鍬(くわ)ってありえねぇだろ! まだ半分も終わってねぇぞ!」
 サボろうとしたエドガーにアッシュは小声で注意する。
「エドガー、エドガー。影人が睨んでる」
「うわっ、居たのか。そういう事は先に言え」
「今気付いたんだよ」
 農民に扮した影人は木陰で休んだ振りをして周りに溶け込み、二人を監視していた。
 二人への罰は当分続きそうだった。

 キャンベルにあるアパートの一室でスティーブは荷物を纏めその光景を楓は悲しそうに見ている。
 スティーブが荷物を全て纏めると楓は言う。
「本当に行くの?」
「ああ。今度こそ君を守れるよう強くなるんだ。だから楓、俺が帰ってくるまで待っててくれ」
「うん。分かった。待ってる。貴方を信じて待ってるから」
 スティーブは強くなるため武者修行の旅に出た。

 紅い翼の追撃を受けドグ達は散り散りになりドグ総長は一体だけで森を彷徨っていた。
 遂に僕一人になったか。
 ドグ総長は森を彷徨い一人の男を見付ける。その男はガレックに彼女を寝取られ泣きながら逃げ出したケビンだった。
 ケビンの後ろ姿を見てドグ総長は思った。
 あの男、不幸の匂いがする!
 人の不幸は蜜の味。ドグ総長はケビンの後を付けた。
 ケビンは太くて大きな木の前に立ち鞄から縄を取り出す。それをドグ総長は陰から見守る。
 首吊り! きっと首吊だ! わぁぁ。首吊りする所なんて初めて見るよ。
 ドグ総長は準備をするケビンをドキドキしながら見守る。
 まだかな。まだかな。
 遂に準備が終わった。後は首を吊るだけか。
 ケビンはロープに首を通す。
 俺が死んだら誰か悲しむかな?
 家族や友、仕事の仲間の顔が浮かび、最後に浮かんだのは爆笑するガレックの顔だった。
 このまま死んでいいのかケビン? あいつの、あいつの被害に遭ってるのは俺だけじゃない! あの悪魔を倒さない限り俺みたいな被害者が増える。そうだ! あの悪魔を倒す。それが俺の生きる意味だ!
 生きる気力を取り戻したケビンは首から縄を外した。そこでドグ総長が飛び出した。
「どうして縄を外すんだ!」
 突然現れたドグにケビンは驚く。
「な、なんだこの土偶」
「首吊り楽しみにしてたのに!」
「なっ!? 楽しみだと・・・」
「当たり前だ! 自殺なんて滅多に見られない最高のショーじゃないか!」
 さすがにケビンはブチ切れた。
「死ね外道がぁッ!」
 ケビンとドグ総長の戦い、互角の戦いの末両方とも力尽き倒れた。
「さすがは赤いドグか」
「そっちも中々の強さだ。だがあの人間には負けるな」
「誰だ?」
「僕の主を殺し、僕と仲間達に無謀な戦いをさせた人間だ!」
 ドグを利用する人間? まさかあいつか!?
「その人間、もしかしてガレックか?」
「貴様、あいつの仲間か!?」
「違う。あいつは俺の敵だぁぁっ!」
 ケビンはどうして自殺しようとしたかを話した。
「ぷ、くくく・・・・・・へたれ」
「うるさい土偶!」
 ひとしきり笑った後ドグ総長は真面目にケビンに提案する。
「ケビン君。僕達には共通の強大な敵がいる。奴を倒すため協力しようではないか!」
「お前等みたいな卑怯者と誰が手を組むか」
「そ、そうか」
 容赦ないケビンにドグ総長はそれ以上何も言えなかった。
 その後二人はそれぞれガレックへの復讐のため行動を始めた。

 いつも通り仕事していないガレックの下にトトリ達がメイド服を届けに来ていた。
 トトリはガレックから借りた柄だけの武器を持って嘆息吐いた。
「ったく、何て武器作ってるのよ。倒した相手の力を奪って成長する剣なんて」
「雷黒剣だ。凄ぇだろ」
「凄い、凄ぉい」
 トトリはガレックの自慢を適当に流した。
 アトリエにコーヒーとアップルジュースを二つ持ってマリアが来て、その後ろに紅茶を二つ入れたアリスが付いて来る。
 ガレックはコーヒーを取り、トトリとシャーリーはアップルジュースを取った。姉妹は残った紅茶を取る。
 暫く雑談を楽しんでるとザックスが手紙を持ってやって来た。
「よう、ガレック」
「男が俺の家に入るんじゃねぇ。殺すぞ」
「いいのか? お前宛に女の子、それも美女からの手紙だ」
 アトリエにいた全員がそれぞれ反応した。
「それを先に言え」
 ガレックはザックスから手紙を奪い、読んで固まった。
「うん? どうした?」
 手紙を横から読もうと覗き込んできたザックスを見てガレックは正気を取り戻す。
 こいつは俺の敵だ! 排除せねば!
 ガレックはザックスの鳩尾を殴った。
「ぐはっ!?」
 身体がくの字に曲がった所で肘を撃ち落とし叩きふせ気絶させる。
 よし! 後は逃げるだけだ。
「ちょっと!? 人のお父さんに何て事してくれるのよ!?」
「話しは後だ。妨害者は始末した。行くぞ!」
「行くって何処に!?」
「何が書いてあったんですか?」
「後で話してやる。お前等も行くぞ!」
「私達も!?」
「いやれす。今日は世の中鬼ばっかりの再放送があるんれす」
「うるせぇっ! さっさと行くぞ!」
「うぅぅ。酷いれす」
 シャーリーは渋々立ち上がると、呼び鈴が鳴った。
 チッ。もう来やがった! 早すぎだろ!
 客を迎えるため玄関に向かおうとしたマリアをガレックが止める。
 ガレックは声を小さくして急がせる。
「出なくていい」
「ですが・・・・・・」
「いいから、裏から車庫に回って車に乗れ」
「車って、私のでしょ」
「いいからトトリ。早く行け」
 訳が分からないままガレックに言われた通り、トトリ達は車に乗った。
「よし、全員乗ったな。行くぞ」
「行くって、何処に行くのよ。ガッ君?」
 北方と東方は無理だ。西方は中央軍がいるから無理、危険だが南方しかないな。
「そうだ海に行こう」
「「「「海ぃっ!?」」」」
 みんなが驚く中ガレックはカードを抜き車庫のシャッターに投げ、シャッターにカードが当たると爆発しシャッターを壊した。
 ガレックは、壊れて開いた穴に向かって車を走らせる。
「ちょっと、ガッ君!?」
 家が大丈夫か心配になったマリアは振り返り、呟いた。
「何ですか、あれ?」
「どうしたの。お姉ちゃん? 何、あれ?」
 後ろから警察、軍の車だけではなく高級車までもが追い掛けてくる。
『お待ちください。ガレック殿!』
 スピーカーからミシェルの声が聞こえる。
「何よあれ!? ガッ君、どういう事?」
「これを読め!」
 ガレックは握りしめてた手紙を助手席に座るトトリに渡した。トトリは手紙を受け取ると、後ろにいる三人にも見えるようにした。

 親愛なるガレック様へ

 突然ですがどうしても伝えたい事があって筆を執らせていただきました。
 貴方も知っての通り私は権力を使い沢山の罪を犯しました。
 誰も私を裁かない事を、いえ、裁けない事をいい事に・・・・・・
 そんな中、貴方が現れた。
 権力に屈する事なく私を叱り罰してくれた。
 嬉しかった。叱られて私は嬉しかった。
 貴方は他の人と違い私を女王として見ないで一人の人間として見てくれた。
 貴方に叱られたおかげで私は成長する事が出来ました。ありがとうございます。
 そんな貴方だから、私の事を一人の人間として女性として見てくれる貴方だから傍にいて欲しい。
 私は貴方が好きです。大好きです。
 この手紙を受け取った頃、迎えを寄こします。

                     シェリア・ルーシェ・シンフォニア

 女王からのラブレター、婚約、そして結婚。全員の頭にそれが浮かんだ。
「ちょっと、これって」
「そうだ。捕まったら終わりだ」
「別にいいじゃん。逆玉ってやつでしょ」
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「私達関係ないじゃん!」
「うるさいっ!」
「処刑されないだけマシれすね」
「黙れシャーリー!」
「これからどうするんですか?」
「知るかぁっ!」
 こうしてガレックはトトリ達を巻き込みシンフォニア王国から逃げ出した。
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