紅月の神話 EP4 黒い悪魔

与那覇瑛都

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第二章 戦場に舞う天使の涙

第一話 テロには屈しない。人質交渉なんて無駄だ!

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 ダルマスカ王国。
 北半分を砂漠で覆われたこの国は現在、北のシンフォニア王国と西のクラフト王国の連合軍から侵攻を受け領土を侵されている。そんな危険きわまりない所にシンフォニアからの追っ手を振り切ったガレック達は潜入していた。
 警備が厳重な道路がある道ではなく道なき道を突っ切って出た砂漠を車で走らせながら。
 汗だくで運転しながらフードを被りガレックが言う。
「あっちぃ。誰か水持ってないか?」
 同じく汗だくで布を頭から被り少しでも直射日光を避けようとしているトトリが答える。
「魔法使わねぇって自分で出したらどうよ。ってか、何の準備もしないで砂漠に入るって私達殺す気?」
「しゃあねぇだろ。彼奴等しつこかったんだから」
「だからってねぇ」
「それよりトトリ。ガソリン持ってないか?」
「あるわけないでしょ」
「なら、もうこの車捨てるしかないな」
「ダメよ。高かったんだから」
「じゃあ、どうすんだよ?」
「えっと、ガイウスの小父さんからガソリンを買う?」
「いや。無理だろ。第一どうやって捜すんだ?」
「さぁ? 言ってみただけよ」
 トトリから布を借り後部座席に座る三人のうちマリアが尋ねる。
「ガイウスさんって誰です?」
「あぁぁぁあ、説明するのがかったるい。トトリよろしく」
「しょうがないわね。ガイウス・アルビヌス。南方軍司令官を務める大将、現在ダルマスカ進軍作戦の総指揮を執ってるわ」
 アリスが呆れて言う。
「トトリさん。軍から買うつもりですか?」
「やっぱ無理か」
 トトリが諦めたその時、車が急にパンクした。
「何ッ!?」
 車が激しく横転しそのショックでガレック達は気を失った。

 数時間後ガレックは目を覚ましそっと辺りを見回した。
 周りには誰もおらず周囲が岩に囲まれた事からここが洞窟だと分かり鉄格子が見えた事で牢屋だと分かった。
 また牢屋か。しかも手枷に足枷か。これくらいなら壊せるな。
 ガレックは魔力を込めあっさり枷を壊し牢を蹴破った。
 よし、俺の女に手を出したんだ。皆殺し決定。
 大きな物音がしてやってきた見張りの男はガレックを見て驚きの余り言葉を無くす。
 可視化出来るほどの濃密な青白い魔力を纏いガレックは言う。
「俺の女の下に案内するなら楽に殺してやる。断れば拷問した上で意識だけ残った動けない人形にしてやろう」
「うっ・・・あっ・・・あっ・・・・・・」
 男は恐怖の余り崩れ落ち言葉を上手く発せなかった。
「拷問がお望みか。いいだろう」
 ゆっくりガレックは近づき男の目の前まで来るとトトリが見知らぬ男を連れ慌ててやって来た。
「良かった。間に合った。マリアちゃん達も無事だから、その物騒なオーラ消しなさい」
 言われた通りガレックは素直にオーラを消して言う。
「そうか。無事か。ならここに用はないな。シンフォニアには暫く帰れんから、さっさとクラフトに行くぞ」
 今まで黙っていた男が言う。
「それはダメだ」
「ああ? つぅか、何だよお前。さっきから俺の女の隣に立ちやがって」
「俺の名は・・・」
「興味ねぇ」
 そう言うとガレックは躊躇無く男を殴り飛ばし男は気絶した。
「ちょっとガッ君!?」
「お頭っ!?」
「うるせぇな。お前」
 ガレックはうるさくて苛ついたから男を蹴り飛ばし気絶させる。
「何て事すんのよ!」
「何が?」
「何がじゃないわよ。どうすんのよ!? 彼、この集団のボスよ!」
「だから、さっさとマリア達を助けて、こっから出てくぞ」
「・・・えっ?」
「うん? どうした? 捕まってるんだろ?」
「いや、そうだけど。何で分かったの?」
「俺を牢に入れてたからな。大方、俺達の素性を知ったこいつらがマリア達を人質にして俺達を利用しようとしたんだろう。トトリは俺を説得するために連れて来られた。違うか?」
「そうよ。そこまで分かってて何で殴ったのよ」
「いいかトトリ。こういう輩は人質を利用して俺達を死ぬまで利用する。人質になった奴らは自分達のせいで仲間が辛い目にあってると死ぬまで後悔する。だから相手が人質を取って交渉してきた場合、人質は死んだと思い相手を死ぬよりも辛い目に遭わせるんだ」
 最初は納得したが最後がダメすぎてトトリはげんなりした。
「どうしたトトリ?」
「何でもない。それより、さっさとマリアちゃん達を助けるわよ」
「そうだな。でもその前に、せっかく二人っきりなんだ。やろう」
「・・・えっ?」
「なぁに、マリア達なら大丈夫だ。まだ敵は利用価値があると思い込んでるんだから」
「何考えてるのよ。このバカ!」
 トトリはハリセンでガレックの頭を叩いた。
「いてっ!? うんっ!? ちょっと待てどうやって出した!?」
 ガレックは痛みよりも驚きの方が勝った。
「えっ? ああ」
 トトリはガレックに右手を見せる。右手の人差し指と中指に今までなかった指輪がはめられていた。
「原理はカードと同じ、指輪にアイテムを登録するの」
「便利だな」
「うん。でも指の数が限られてるから結局カードを使用するんだけどね」
「それでも戦術は広がるぞ」
「言っとくけど、もうC・H社に作り方教えたから」
「教えたって、タダでか!?」
「当たり前でしょ。ウチの会社よ。でもまあ、叔母さん(C・H社の社長)からメープルのアップルパイを貰ったけど」
 そう言ってトトリはアップルパイの味を思い出し笑みを浮かべた。
「安すぎだろ」
「安いって言うけどメープルのアップルパイは希少な妖精林檎を使ったアップルパイなんだよ!」
「分かった分かった。じゃあ援護よろしく」
 そう言ってガレックは前を歩き、歩きながら尋ねる。
「ところでトトリ、ここ何処だ?」
「さぁ? 一方的に協力しろって言うだけで、そう言った情報は何一つ教えて貰えなかったよ」
「そうか。マリア達が捕まってる場所は分かるか?」
「うん。三人とも一緒に捕まってるわ。それと、荷物の場所も分かってる」
 荷物の場所が分かると聞きガレックは呆れて言う。
「奪った道具を持ち主に教えるとか」
「武器だって分からなかったのよ。見た目はカードホルダーだし」
「カード収集が趣味と思われたのか」
「そう言う事。最近多いじゃないカードゲーム」
「ああ。最近じゃアニメキャラだって出てるな」
「そうそう。何で知ってるの?」
 ガレックは笑みを浮かべて言う。
「可愛いは正義だ」
「二次元にも興味持つって本当最悪だよ」
「別にいいだろ人の趣味だ。シャーリーがキレて暴走しないうちに俺達の荷物を回収しよう」
「そうね。シャーリーが暴走した場合カードがないと止めきれないし」
 トトリはそう言うと指輪に封じていた自身の杖を出した。
 ガレックが「便利だな」っと呟きトトリは「でしょ」っと答える。
 こうして二人は荷物を取り戻しに向かった。

 荷物が置かれた部屋の前に見張りが一人、突撃銃を持っていた。
 ガレックとトトリは声を潜め話し合う。
「あれって魔法式突撃銃?」
「ああ。バルセ・ルナの大手、バーズ社のファルコンだ」
 トトリは杖を構える。
「準備はいい?」
 ガレックはいつでも走り出せるよう腰を少し落として頷く。
「じゃあいくよ」
 トトリが無詠唱の中級魔法ファイアアローを放つと同時にガレックが走り出し、ガレックが走る音で見張りが気付いた。
 ファイアアローはファイアボールと同じ魔力量だが魔力を鏃に一点集中して放つためファイアボールよりも速く威力も高いが、その代わり追尾も操作もできず一方向にしか進まない。そのため戦闘経験も少なく練習もしていないトトリの攻撃は当然外れるが、見張りにとって武器を持たないガレックとファイアアローではファイアアローの方が脅威に映り避ける事に集中してしまったためファイアアローが外れた時にはガレックが目の前まで来ていた。
 見張りはガレックの攻撃を避けるか防いだ後、銃で撃ち殺すつもりだったがガレックの拳は見張りの予想以上に速く鋭かった。見張りは下から突き上げられる拳を避ける事も防ぐ事も出来ず顎に受け身体は宙を浮き意識を失った。
 見張りが気絶してるのを確認するとガレックは服を漁り始めた。
 トトリが呆れながら寄ってくる。
「何してんのよ?」
「戦利品を探してる。おっ、あったあった」
 ガレックはメモリを三つ見付けた。
「何盗んでるのよ。みっともない」
「盗んだんじゃねぇ。戦利品だ」
 そう言ってファルコンを奪い取り、使えないよう壊した。
「それはいいの?」
「ああ。ファルコンはもう持ってるからな。それに、ファルコンよりメモリの方が高い」
「そう言う事。お金は取らないんだ」
「この国もう終わりだ。ダルマスカの金なんて何の役にも立たん」
「確かにそうね。ならさっさと荷物を調べましょ」
 二人は荷物の置いてある部屋に入った。
 木箱の上にガレックとトトリそれぞれのカードホルダーと、ガレック愛用の二丁拳銃が置かれていた。
「武器は無事か」
「協力させるつもりだったからでしょ。一応カードの確認をしましょう」
「そうだな」
 二人はそれぞれカードホルダーを持ち中身を確かめる。
「こっちは大丈夫だ」
「うん。こっちも大丈夫」
 次に二人は木箱を開けた。箱の中身は二種類のメイド服だった。
「メイド服六着ずつ、確かにあるな」
「この荷物どうする?」
「持って行くに決まってるだろ。戦闘は任せる」
 そう言ってガレックは木箱を持ちトトリと先頭を替わった。
 トトリを先頭に歩いてると遠くから銃撃が聞こえ始める。
「戦闘でも始まったか?」
「早く脱出した方がいいね」
「ああ急ぐぞ」
 ガレック達は急いで三人が捕まっている場所に向かう。幸い誰にも見つからずすぐに三人と合流出来た。
 合流するとすぐにアリスが言う。
「遅いわよ」
「こっちもいろいろあったんだよ」
「それでご主人様これからどうするんですか?」
「さっさとこんな場所おさらばするさ」
「銃声が聞こえやすけど大丈夫れすか?」
「大丈夫じゃないだろうが。いつまでもこんな場所いられるか」
 三人は頷いた。
 さっきから黙っているトトリにガレックは話し掛ける。
「さっきから黙ってどうしたトトリ?」
「あれ」
 トトリが指差す少し遠い場所に攻撃を受けたせいでボロボロの廃車になったトトリの車があった。
 それを見てガレックが言う。
「ありゃ使えんな」
「私の車ぁ」
「まあ、そこまで高い車じゃないからいいんじゃね」
「高級車じゃないけど広くて便利なのよ! それに改造したから速く走るし燃料だって多く積めるわ」
「改造のせいで高級車並みに高くなったか」
「そうなのよ。高いのよ」
「ああ、だから砂漠を平気で走ってたのか。じゃあこれ、修理するの?」
「空きカードがない。ガッ君は?」
「そんなの持ってたら木箱なんて担がねぇよ」
「だよねぇ」
 そう言ってトトリは深い溜息を吐き車を諦めた。
「いつまでもここにゃぁいられねぇ。お前等、さっさと出るぞ」
 ガレックがそう言うと全員頷き見つからないよう外に出た。
 ガレック達の予想に反し誰にも見つからずあっさり外に出ることができた。
「案外どうにかなったな」
「本当ね」
 誰もいない事で全員気がゆるみ歩いていると背後から警告される。
「全員動くな!」
 声を合図に隠れていた武装集団が一斉に飛び出しガレック達は全方位から銃を突きつけられる。
「「「「「はっ?」」」」」
 ガレック達は動く事が出来ず再び捕まった。
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