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第三章 ウソつき勇者とダリアスの町
3-5 水門のクエストの攻略法
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キラーリザードが暴れて、今まさに村人やヤンダさんが襲われている。
「どうすればよい?考えろ!」
僕は滝に向かい覗き込んだ。水は少量だけ流れている。滝壺には、水はあまり貯まっていない。そして、滝の途中の岩に光るものが見えた。
「これだ。これが僕に残されたあり得る可能性だ!」
ヤンダさんは、かなり疲れていて、もう限界のようだ。
「ヤンダさん、下がって、僕がそいつを倒す」
「おお、剣士さん、待っていましたぞ」
「僕が今からそいつに体当たりするから、避けてください」
僕はキラーリザードに向かった。全力で走って突っ込んでいく。
「け、剣士さん、剣はどうされたのだ?もしかして、キラーリザートと一緒に滝に落ちるつもりか?」
「キラーリザードは、かならず倒します。。。。大丈夫。信じて!」
僕はキラーリザードに思いっきり体当たりした。キラーリザードはバランスを崩して、滝に落ちて行った。僕もその勢いで一緒に落ちて行った。僕は【ライアー・ストーン】を握りしめていた。
握りしめた【ライアー・ストーン】は光り出し、消えた。
僕は落ちながら、滝の途中の岩に引っ掛かっていた、光るものに向かってロープを投げた。ロープは光るものの隣の岩に当たり、うまくバウンドして光るものに引っ掛かかった。
僕はロープを握りしめた。ロープは僕の落ちる力に負けることもなく、引っ掛かったまま保持出来たようで、僕の体は下に落ちず中に浮いた状態になった。
光っていたのは、実は流された僕の剣だったのだ。そして、ヤンダさんの家に行く前に練習した、ロープの投げ方練習が早速役に立ったのだ。
キ ラーリザードは頭から谷底に落ち、瀕死の状態になっていた。
僕はロープを近くの岩に縛り変えてから、ロープを伝って下に降り、取り戻した青銅の剣でキラーリザードに止めを刺した。キラーリザードは絶命し、クリスタルが残った。倒したのだ。
しばらくすると、ヤンダさんが崖の上から降りてきて、僕のところに近づいてきた。
「剣士さん、身体は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫です。全くの無傷ですよ。びしょ濡れですけどね」
「剣士さんは私たちのために、命を捨てて、完全に相打ちを狙っていたと思いましたよ」
「心配かけてスミマセン」
「そして驚いたのは、ロープを投げたらうまく剣に引っ掛かったし、仮に剣に引っ掛かっても、耐えられるかどうか怪しいのに、外れずに耐えて残っていた。私に言わせると、奇跡だ。まさか、すべて想定済みで飛び込んだなんて言わないですよね?」
「その通りです。計画通りですよ。大丈夫って言ったじゃないですか」
「そうだったのですが・・・・いや~あんたはすごいよ。感動したよ」
最後は計画通りなんて嘘をついてしまった。ロープが引っ掛かったのも、剣が落ちなかったのも、たぶん【ライアー・チェンジ】のおかげだろう。
でも、これが【ライアー・チェンジ】の能力だから、感謝します!
僕は崖の上にあがり、けがをしている方々に覚えたての魔法【ヒール】を使って傷を回復させた。完全に治す力はないが、一人で歩ける程度まで回復させた。
「ありがとう。あんたには本当に感動したよ。これがクエスト完了の書類だ。また今度何かあったら頼むから」
「はい、喜んで。次はご指名でお願いします」
僕はクエスト完了の書類を受け取った。
僕はキラーリザードを倒したので、レベルが上がった。
覚えたのは【タイムシフト】だ。自分や味方の魔法の発動を、後から自分のタイミングで出来魔法だ。しかしこの魔法は、発生する時間を遅らせるだけで、威力が上がるわけでもない。普通、魔法を使うときはすぐに効果が欲しいからであり、実際、【タイムシフト】は、【クエクエ】では使われない魔法トップ3に入っている。
そして【クエクエ2】で作られた魔法だが、【クエクエ3】では無くなっていた。
空を見上げると、まだこんなに暗くはない。しかし、ギルドに行かずにミランの家に向かった。すごく疲れたので、報酬は明日貰いに行くことにして眠りについた。
次の日、起きるとミランはすでに出掛けた後だった。外で体を洗い、洗濯をし、ギルドに向かった。このあたりはゲームにはない、リアルな行動だ。朝ご飯は報酬を貰ってから食べようと思う。
ギルドに入ると、ミーナとミランが話をしていた。
「あれ、ミラン、どうしてここにいるの?」
「おお、ケント。お前の話、冒険者の中でずいぶん盛り上がっているぞ」
「え、本当ですか??」
僕のミスで、畑仕事をしている方々が襲われたことだろうか?恐る恐る聞いてみた。
「ケントさん、あなた【キラーリザード】を一発で倒したんだって?凄いわね!」
「へ?」
「昨日の夜、町の飲み屋でヤンダさんがみんなに話していたぞ。クエストに来たケントって剣士が、キラーリザードを剣一振りで倒したんだと」
確かに、滝から落ちた瀕死のキラーリザードに剣でとどめを刺したのは間違いないが、あれは相手が瀕死だったわけで、要は運よく倒せた、だ。
「俺もその話に混ざって騒いだぜ、あいつはモグリンマスターも素手で倒したとか、魔王を倒す力があるとかで、ずいぶん盛り上がったぞ!」
「ケントさん、あなた本当に勇者なのね。そのレベルで、モグリンマスターもキラーリザードも一瞬で倒すなんて、普通考えられないわ」
まずい、ちょっと話が盛られすぎている。いつの間にかモグリンマスターを素手で一瞬で倒したことになっているぞ。
「いや~あはは。あんまり公表しないでくださいね。魔王に見つかると、まだ倒せるほどの力はありませんから。まずいですから」
「そりゃそうだな。これから強くなっていくんだからな。将来期待してるぞ!」
「私、ケントの伝説の始まりを見ているってこと?有名になる前に、ハートを掴んでおこうかしら」
僕の知らないところで、間違った情報が広がっていくイメージが頭をよぎる。
「どうしたんだ?ケント、顔色悪いぞ。ミーナの求婚に酔ったのか??」
今日もストレスでご飯がのどを通らない気がする。ウソって怖い。
---第三章 完---
「どうすればよい?考えろ!」
僕は滝に向かい覗き込んだ。水は少量だけ流れている。滝壺には、水はあまり貯まっていない。そして、滝の途中の岩に光るものが見えた。
「これだ。これが僕に残されたあり得る可能性だ!」
ヤンダさんは、かなり疲れていて、もう限界のようだ。
「ヤンダさん、下がって、僕がそいつを倒す」
「おお、剣士さん、待っていましたぞ」
「僕が今からそいつに体当たりするから、避けてください」
僕はキラーリザードに向かった。全力で走って突っ込んでいく。
「け、剣士さん、剣はどうされたのだ?もしかして、キラーリザートと一緒に滝に落ちるつもりか?」
「キラーリザードは、かならず倒します。。。。大丈夫。信じて!」
僕はキラーリザードに思いっきり体当たりした。キラーリザードはバランスを崩して、滝に落ちて行った。僕もその勢いで一緒に落ちて行った。僕は【ライアー・ストーン】を握りしめていた。
握りしめた【ライアー・ストーン】は光り出し、消えた。
僕は落ちながら、滝の途中の岩に引っ掛かっていた、光るものに向かってロープを投げた。ロープは光るものの隣の岩に当たり、うまくバウンドして光るものに引っ掛かかった。
僕はロープを握りしめた。ロープは僕の落ちる力に負けることもなく、引っ掛かったまま保持出来たようで、僕の体は下に落ちず中に浮いた状態になった。
光っていたのは、実は流された僕の剣だったのだ。そして、ヤンダさんの家に行く前に練習した、ロープの投げ方練習が早速役に立ったのだ。
キ ラーリザードは頭から谷底に落ち、瀕死の状態になっていた。
僕はロープを近くの岩に縛り変えてから、ロープを伝って下に降り、取り戻した青銅の剣でキラーリザードに止めを刺した。キラーリザードは絶命し、クリスタルが残った。倒したのだ。
しばらくすると、ヤンダさんが崖の上から降りてきて、僕のところに近づいてきた。
「剣士さん、身体は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫です。全くの無傷ですよ。びしょ濡れですけどね」
「剣士さんは私たちのために、命を捨てて、完全に相打ちを狙っていたと思いましたよ」
「心配かけてスミマセン」
「そして驚いたのは、ロープを投げたらうまく剣に引っ掛かったし、仮に剣に引っ掛かっても、耐えられるかどうか怪しいのに、外れずに耐えて残っていた。私に言わせると、奇跡だ。まさか、すべて想定済みで飛び込んだなんて言わないですよね?」
「その通りです。計画通りですよ。大丈夫って言ったじゃないですか」
「そうだったのですが・・・・いや~あんたはすごいよ。感動したよ」
最後は計画通りなんて嘘をついてしまった。ロープが引っ掛かったのも、剣が落ちなかったのも、たぶん【ライアー・チェンジ】のおかげだろう。
でも、これが【ライアー・チェンジ】の能力だから、感謝します!
僕は崖の上にあがり、けがをしている方々に覚えたての魔法【ヒール】を使って傷を回復させた。完全に治す力はないが、一人で歩ける程度まで回復させた。
「ありがとう。あんたには本当に感動したよ。これがクエスト完了の書類だ。また今度何かあったら頼むから」
「はい、喜んで。次はご指名でお願いします」
僕はクエスト完了の書類を受け取った。
僕はキラーリザードを倒したので、レベルが上がった。
覚えたのは【タイムシフト】だ。自分や味方の魔法の発動を、後から自分のタイミングで出来魔法だ。しかしこの魔法は、発生する時間を遅らせるだけで、威力が上がるわけでもない。普通、魔法を使うときはすぐに効果が欲しいからであり、実際、【タイムシフト】は、【クエクエ】では使われない魔法トップ3に入っている。
そして【クエクエ2】で作られた魔法だが、【クエクエ3】では無くなっていた。
空を見上げると、まだこんなに暗くはない。しかし、ギルドに行かずにミランの家に向かった。すごく疲れたので、報酬は明日貰いに行くことにして眠りについた。
次の日、起きるとミランはすでに出掛けた後だった。外で体を洗い、洗濯をし、ギルドに向かった。このあたりはゲームにはない、リアルな行動だ。朝ご飯は報酬を貰ってから食べようと思う。
ギルドに入ると、ミーナとミランが話をしていた。
「あれ、ミラン、どうしてここにいるの?」
「おお、ケント。お前の話、冒険者の中でずいぶん盛り上がっているぞ」
「え、本当ですか??」
僕のミスで、畑仕事をしている方々が襲われたことだろうか?恐る恐る聞いてみた。
「ケントさん、あなた【キラーリザード】を一発で倒したんだって?凄いわね!」
「へ?」
「昨日の夜、町の飲み屋でヤンダさんがみんなに話していたぞ。クエストに来たケントって剣士が、キラーリザードを剣一振りで倒したんだと」
確かに、滝から落ちた瀕死のキラーリザードに剣でとどめを刺したのは間違いないが、あれは相手が瀕死だったわけで、要は運よく倒せた、だ。
「俺もその話に混ざって騒いだぜ、あいつはモグリンマスターも素手で倒したとか、魔王を倒す力があるとかで、ずいぶん盛り上がったぞ!」
「ケントさん、あなた本当に勇者なのね。そのレベルで、モグリンマスターもキラーリザードも一瞬で倒すなんて、普通考えられないわ」
まずい、ちょっと話が盛られすぎている。いつの間にかモグリンマスターを素手で一瞬で倒したことになっているぞ。
「いや~あはは。あんまり公表しないでくださいね。魔王に見つかると、まだ倒せるほどの力はありませんから。まずいですから」
「そりゃそうだな。これから強くなっていくんだからな。将来期待してるぞ!」
「私、ケントの伝説の始まりを見ているってこと?有名になる前に、ハートを掴んでおこうかしら」
僕の知らないところで、間違った情報が広がっていくイメージが頭をよぎる。
「どうしたんだ?ケント、顔色悪いぞ。ミーナの求婚に酔ったのか??」
今日もストレスでご飯がのどを通らない気がする。ウソって怖い。
---第三章 完---
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