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第五章 ウソつき勇者と賢者の石
5-5 賢者の石のクエスト
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【賢者の石】が盗まれたことを聞き、ミランとアンナは驚いている。
「僕がレンツィアと結婚した際に親から譲ってもらった【賢者の石】が盗まれたんだ」
「誰にでしょうか?」
「私が・・・・その現場を見たんです」
「レンツィアさん・・・・がですか?」
「はい、ちょうど1週間前、主人が留守にしていた時でした。私が日が落ちてきていたので、夕方の庭の掃除をしていると、主人の部屋から大きな物音がしました。何か思い部屋に行くと、そこには大きな鳥の影があったんです。私は腰を抜かして気を失いました。気が付くと、その大きな鳥はいなくなっていて、主人が大事にしていた【賢者の石】が無くなっていたんです。私はそのことを思い出すが、今でも恐怖で震えてしまいます」
「それはずいぶんと、怖い思いをしたもんだ。助かってよかったぜ。たぶんそいつは【ギガクロウ】だ。襲われていたら、即死だったぜ」
「私たちは、この村に来る途中、【サンズロック】で、大きな鳥の魔獣を見ました。きっとそれが盗んだん犯人ギガクロウでしょう」
「ああ、やっぱりそうか。僕はモンスターが石なんて欲しがるとは思ってもいなかったのですが、実際に妻が見たとなると、そのギガクロウが盗んだんですね」
「賢者の石は、強い魔力が封印されていて、モンスターが飲み込むと、ボスバージョンに変化するくらいの力があります」
「なるほどな。ギガクロウが犯人であることは間違いなさそうだな」
「父親からは、必ず【防魔の封印】が施されていた箱に入れておけと言われていました。きっと賢者の石には、その魔力でモンスターが寄ってくるですね。僕は必ず入れていたのですが・・・・やはりボスバージョンのモンスターには見つかってしまうんですね」
「村でも、2週間前からサンズロックで大きなカラスを目撃するようになったと噂になっています。きっとその大きなカラスが犯人にきまっています」
「話はだいたい分かったわね。ケント、このクエスト賢者の石がらみだから、受けるでいい?」
「そうですね。報酬はいくらでしょうか?」
「ああ、20万ダイスでいかがでしょうか?」
「まあ、この手の報酬にしては一般的だな。俺は問題無いと思うぜ」
「分かりました。受けましょう」
「ありがとうございます。ちなみ、僕も一緒に行きます。妻を怖い目に合わせるなんて許せません」
「え?危ないですよ。相手はボスバージョンですよ」
「大丈夫です。こう見えても、僕は弓が得意なんです」
「まあ、依頼主の頼みなので、断れませんが・・・・危なくないように、後方にいてくださいね」
話がまとまったので、家の外に出た。外ではどこから話を嗅ぎつけたのか、10人ほど村人が集まっていた。
「あんた、大きいカラスを退治しに行くんだろ?わしの盗まれた宝石も見つけたら教えてくれ!」
「私も2週間前に、大切なクリスタルのネックレスが、カラスのモンスターに盗まれたわ」
「僕なんか、昨日フィアンセに渡そうとした指輪がやつらに盗まれたんだ!」
みんな同時に話しかけてくる。内容はほとんど同じで、カラスに宝石を盗まれた内容だ。
「おいおい、俺たちはクエストで生計を立てている冒険者だ。お願いと言われてもなぁ」
「あんたら、昨日来た冒険者だろ?取かえしてくれたら、うまい飯を食わせてあげるぞ」
「わしは、うまい酒がある。それをふるまってあげるぞ」
「なに、酒だと・・・・いいだろう。飯と酒で契約だ」
ミランは勝手に決めた。
「ちょっとミラン、勝手に決めないでよ。仕事が増えるじゃない?」
「な~に、宝石を盗んだのは同じ奴だ。そいつを倒せば賢者の石も手に入るし、盗まれた宝石も手に入る。苦労せずに完了って算段だ」
「ほんとに~?もうその場のノリで決めるんだから!」
僕はその二人の会話を聞きながら、このクエストについて記憶をたどっていった。
このクエストは、【クエクエ1】に存在する、【賢者の石】を入手する際のイベントだ。クエスト名は【盗まれた賢者の石を取り戻せ】だ。場所はやっぱり【サンズロック】。
よし、記憶と合っている。
このクエストは単純だ。
①村長に話を聞く。
②【ギガクロウ】を倒す。すると、クリスタルの代わりに【賢者の石】が出てくる。
③村長に【賢者の石】を渡す。
④怖い思いをしたくないので、村長が僕に【賢者の石】を譲る。
だ。大して難しい作業はいらない。ただこなすだけだ。
ただ、村長じゃなくて、その息子が依頼者だったが。。。。
「では、昼食後向かいましょう」
もうすぐ昼だ。そしてそれほど大きな村でもないので、装備は今持っているのが現時点最強たろうから買い物も不要。よって、準備無しで出発することが出来る。
僕たちは、今日中にクエストを片付けようと出発した。歩いて2時間ほど、昨日来た道を戻った。
「今回は楽々かな。晩飯と酒もゲットしたし」
「ちょっと、まだ倒してもいないのに。相手はボスバージョンよ、なめていると怖い目を見るわ!」
「おいおい、今怖いのはアンナの目だよ」
アンナはミランのお尻にケリを入れた。「いてっ」と言って、躓きそうになる。
「あの二人、いつもあんな感じなんですか?」
「はあ・・お恥ずかしながら・・・・」
僕たちは、ボスバージョンのギガクロウを倒すというのに、結構気楽だ。まあ、緊張するよりはいいのかも。
しかしながら、僕たちは気が付いていなかった。僕らが歩く後方で、一人の何者かがついてきていたのだ。
「僕がレンツィアと結婚した際に親から譲ってもらった【賢者の石】が盗まれたんだ」
「誰にでしょうか?」
「私が・・・・その現場を見たんです」
「レンツィアさん・・・・がですか?」
「はい、ちょうど1週間前、主人が留守にしていた時でした。私が日が落ちてきていたので、夕方の庭の掃除をしていると、主人の部屋から大きな物音がしました。何か思い部屋に行くと、そこには大きな鳥の影があったんです。私は腰を抜かして気を失いました。気が付くと、その大きな鳥はいなくなっていて、主人が大事にしていた【賢者の石】が無くなっていたんです。私はそのことを思い出すが、今でも恐怖で震えてしまいます」
「それはずいぶんと、怖い思いをしたもんだ。助かってよかったぜ。たぶんそいつは【ギガクロウ】だ。襲われていたら、即死だったぜ」
「私たちは、この村に来る途中、【サンズロック】で、大きな鳥の魔獣を見ました。きっとそれが盗んだん犯人ギガクロウでしょう」
「ああ、やっぱりそうか。僕はモンスターが石なんて欲しがるとは思ってもいなかったのですが、実際に妻が見たとなると、そのギガクロウが盗んだんですね」
「賢者の石は、強い魔力が封印されていて、モンスターが飲み込むと、ボスバージョンに変化するくらいの力があります」
「なるほどな。ギガクロウが犯人であることは間違いなさそうだな」
「父親からは、必ず【防魔の封印】が施されていた箱に入れておけと言われていました。きっと賢者の石には、その魔力でモンスターが寄ってくるですね。僕は必ず入れていたのですが・・・・やはりボスバージョンのモンスターには見つかってしまうんですね」
「村でも、2週間前からサンズロックで大きなカラスを目撃するようになったと噂になっています。きっとその大きなカラスが犯人にきまっています」
「話はだいたい分かったわね。ケント、このクエスト賢者の石がらみだから、受けるでいい?」
「そうですね。報酬はいくらでしょうか?」
「ああ、20万ダイスでいかがでしょうか?」
「まあ、この手の報酬にしては一般的だな。俺は問題無いと思うぜ」
「分かりました。受けましょう」
「ありがとうございます。ちなみ、僕も一緒に行きます。妻を怖い目に合わせるなんて許せません」
「え?危ないですよ。相手はボスバージョンですよ」
「大丈夫です。こう見えても、僕は弓が得意なんです」
「まあ、依頼主の頼みなので、断れませんが・・・・危なくないように、後方にいてくださいね」
話がまとまったので、家の外に出た。外ではどこから話を嗅ぎつけたのか、10人ほど村人が集まっていた。
「あんた、大きいカラスを退治しに行くんだろ?わしの盗まれた宝石も見つけたら教えてくれ!」
「私も2週間前に、大切なクリスタルのネックレスが、カラスのモンスターに盗まれたわ」
「僕なんか、昨日フィアンセに渡そうとした指輪がやつらに盗まれたんだ!」
みんな同時に話しかけてくる。内容はほとんど同じで、カラスに宝石を盗まれた内容だ。
「おいおい、俺たちはクエストで生計を立てている冒険者だ。お願いと言われてもなぁ」
「あんたら、昨日来た冒険者だろ?取かえしてくれたら、うまい飯を食わせてあげるぞ」
「わしは、うまい酒がある。それをふるまってあげるぞ」
「なに、酒だと・・・・いいだろう。飯と酒で契約だ」
ミランは勝手に決めた。
「ちょっとミラン、勝手に決めないでよ。仕事が増えるじゃない?」
「な~に、宝石を盗んだのは同じ奴だ。そいつを倒せば賢者の石も手に入るし、盗まれた宝石も手に入る。苦労せずに完了って算段だ」
「ほんとに~?もうその場のノリで決めるんだから!」
僕はその二人の会話を聞きながら、このクエストについて記憶をたどっていった。
このクエストは、【クエクエ1】に存在する、【賢者の石】を入手する際のイベントだ。クエスト名は【盗まれた賢者の石を取り戻せ】だ。場所はやっぱり【サンズロック】。
よし、記憶と合っている。
このクエストは単純だ。
①村長に話を聞く。
②【ギガクロウ】を倒す。すると、クリスタルの代わりに【賢者の石】が出てくる。
③村長に【賢者の石】を渡す。
④怖い思いをしたくないので、村長が僕に【賢者の石】を譲る。
だ。大して難しい作業はいらない。ただこなすだけだ。
ただ、村長じゃなくて、その息子が依頼者だったが。。。。
「では、昼食後向かいましょう」
もうすぐ昼だ。そしてそれほど大きな村でもないので、装備は今持っているのが現時点最強たろうから買い物も不要。よって、準備無しで出発することが出来る。
僕たちは、今日中にクエストを片付けようと出発した。歩いて2時間ほど、昨日来た道を戻った。
「今回は楽々かな。晩飯と酒もゲットしたし」
「ちょっと、まだ倒してもいないのに。相手はボスバージョンよ、なめていると怖い目を見るわ!」
「おいおい、今怖いのはアンナの目だよ」
アンナはミランのお尻にケリを入れた。「いてっ」と言って、躓きそうになる。
「あの二人、いつもあんな感じなんですか?」
「はあ・・お恥ずかしながら・・・・」
僕たちは、ボスバージョンのギガクロウを倒すというのに、結構気楽だ。まあ、緊張するよりはいいのかも。
しかしながら、僕たちは気が付いていなかった。僕らが歩く後方で、一人の何者かがついてきていたのだ。
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