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第六章 ウソつき勇者と王宮の姫
6-8 勇者の覚悟と救出作戦
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ケントが勇者である発言で、周りの人たちは驚いている。
「先ほど、ケント殿のギルドカードを見せていただいた。その時、確かに【職業勇者』と記載されていた。ギルドカードは正確にその職業を記載する。つまり、ケント殿が勇者であることは間違いない。そして・・・・」
「そして?」
「今、ケント殿はその【勇者の剣】を軽々と片手で持っておられる。実はこの剣は昔からの言い伝えで、勇者以外が持つと、とてつもない重量になり、戦闘としては全く扱えないものなのじゃ」
「ケントは簡単に持っているぜ?」
「それこそ、ケント殿が勇者であるもう一つの証拠じゃ」
全員が納得したようだ。
「そして、ケント殿にこの呪われた【勇者の剣】を持たせた理由はもう一つ」
「本物の勇者が、勇者の剣を触れば、呪いが解けるかも知れないってとか?」
「ミラン殿その通りじゃ。しかし、今だ呪いは解けておらん。呪いを解くには別の方法が必要のようじゃ。だが、我々はその方法は知らない・・・・」
ジルの顔が少しがっかりしたように見えた。
「リチャード王、この剣、今回の作戦に持って行ってもよろしいでしょうか?」
「そうですな、ここに有っても誰も使えない・・・・本当の勇者である、ケント殿が使うべきものだと考えます。どうぞお持ちください」
「ケント、もしかして、人は切れないが、魔人は切れるかもって考えか?」
「いや、魔人も切れないだろう。ただ、なんとなく持っていたほうがよさそうだと思ったんだ」
「ケントのカンは当たるからな。お前に任せるぜ。それはそうと、魔人にダメージを与える武器はどうする?」
「それなのですが、王宮騎士団には、最も安価な聖材料である、白銀のメッキを施した件やナイフがございます。それを使用しましょう」
「お、いいね。俺はそれを借りるとしよう。アンナはどうする?このおてんば娘は武闘家だから、武器は持てないぜ?」
「あらミランさん、冗談がお好きなようで・・・・」
そう言って、ミランの足を踏んだ。ミランはうっすらと涙を浮かべた。
「アンナ殿はやはり武闘家でしたか・・・・その美しさに見とれておりました。大変失礼いたしました」
「いいえ、私は気にしていませんわ。それよりも、私の武器は基本拳と蹴りですので、どうすればよいか教えてください。」
「アンナ殿、その身に着けているグローブを見せていただけますか?」
アンナはグローブを外してリカルドに渡した。
「このグローブ、確かに拳の部分に金属のナックルが取り付いていますね。このグローブ、6時間ほどお借りできますか?中のナックル部分に白銀のメッキを騎士団で施します」
「本当ですか?それならば、このブーツもお願いします」
アンナは履いてるブーツを脱いだ。スラっとした、白く美しい足が見えた。ミラン以外の全員が息をのんだ。
その足に見とれていたリカルドは、気を取り戻し口を開いた。
「このブーツの先端とかかと部に金属がはいいているのですね。分かりました。こちらもメッキいたしましょう。」
「よろしくお願いいたします。その間は裸足だけど・・・・まあいいわ」
全員が、ずっとそのままでも良いと思った。
「え~では、準備等含め、明日の朝9時発でレイアこと、マリア姫を救出に向かいましょう。参加者は・・・・」
「俺とケントとアンナはもちろん参加だ」
「わし、ジルも参加しよう」
「私、リカルドと、優秀な騎士団を3人連れて行きます」
「皆、すまない。私の娘を救出してほしい。」
リチャード王は全員に頭を下げた。我々全員片膝をついて礼を返す。
作戦名は【ライジング・プリンセス】と決定した。【クエクエ3】のクエスト名と同じだ。
僕たちは、作戦実行前の休息をとることにした。ミランと騎士団で保管されていたバーボンを飲みながらいろいろと思い返していた。
今回のクエスト、いろいろなバージョンのクエクエのイベントが重なっているため、僕もどういう展開になるのか予想がつかない。気を引き締めないと。
ちなみに、【勇者の剣】を鞘から抜いて、振り下ろしてみた。バーボンの瓶が真っ二つに割れて床に転がった。本当に物は切れるようだ。
ただ、中に入っていたバーボンがこぼれてしまったため、僕とミランは「あ~」と言いながらこぼれたバーボンをふき取った。そのため、お酒が無くなったということで早めの睡眠に入った。
---第六章 完---
「先ほど、ケント殿のギルドカードを見せていただいた。その時、確かに【職業勇者』と記載されていた。ギルドカードは正確にその職業を記載する。つまり、ケント殿が勇者であることは間違いない。そして・・・・」
「そして?」
「今、ケント殿はその【勇者の剣】を軽々と片手で持っておられる。実はこの剣は昔からの言い伝えで、勇者以外が持つと、とてつもない重量になり、戦闘としては全く扱えないものなのじゃ」
「ケントは簡単に持っているぜ?」
「それこそ、ケント殿が勇者であるもう一つの証拠じゃ」
全員が納得したようだ。
「そして、ケント殿にこの呪われた【勇者の剣】を持たせた理由はもう一つ」
「本物の勇者が、勇者の剣を触れば、呪いが解けるかも知れないってとか?」
「ミラン殿その通りじゃ。しかし、今だ呪いは解けておらん。呪いを解くには別の方法が必要のようじゃ。だが、我々はその方法は知らない・・・・」
ジルの顔が少しがっかりしたように見えた。
「リチャード王、この剣、今回の作戦に持って行ってもよろしいでしょうか?」
「そうですな、ここに有っても誰も使えない・・・・本当の勇者である、ケント殿が使うべきものだと考えます。どうぞお持ちください」
「ケント、もしかして、人は切れないが、魔人は切れるかもって考えか?」
「いや、魔人も切れないだろう。ただ、なんとなく持っていたほうがよさそうだと思ったんだ」
「ケントのカンは当たるからな。お前に任せるぜ。それはそうと、魔人にダメージを与える武器はどうする?」
「それなのですが、王宮騎士団には、最も安価な聖材料である、白銀のメッキを施した件やナイフがございます。それを使用しましょう」
「お、いいね。俺はそれを借りるとしよう。アンナはどうする?このおてんば娘は武闘家だから、武器は持てないぜ?」
「あらミランさん、冗談がお好きなようで・・・・」
そう言って、ミランの足を踏んだ。ミランはうっすらと涙を浮かべた。
「アンナ殿はやはり武闘家でしたか・・・・その美しさに見とれておりました。大変失礼いたしました」
「いいえ、私は気にしていませんわ。それよりも、私の武器は基本拳と蹴りですので、どうすればよいか教えてください。」
「アンナ殿、その身に着けているグローブを見せていただけますか?」
アンナはグローブを外してリカルドに渡した。
「このグローブ、確かに拳の部分に金属のナックルが取り付いていますね。このグローブ、6時間ほどお借りできますか?中のナックル部分に白銀のメッキを騎士団で施します」
「本当ですか?それならば、このブーツもお願いします」
アンナは履いてるブーツを脱いだ。スラっとした、白く美しい足が見えた。ミラン以外の全員が息をのんだ。
その足に見とれていたリカルドは、気を取り戻し口を開いた。
「このブーツの先端とかかと部に金属がはいいているのですね。分かりました。こちらもメッキいたしましょう。」
「よろしくお願いいたします。その間は裸足だけど・・・・まあいいわ」
全員が、ずっとそのままでも良いと思った。
「え~では、準備等含め、明日の朝9時発でレイアこと、マリア姫を救出に向かいましょう。参加者は・・・・」
「俺とケントとアンナはもちろん参加だ」
「わし、ジルも参加しよう」
「私、リカルドと、優秀な騎士団を3人連れて行きます」
「皆、すまない。私の娘を救出してほしい。」
リチャード王は全員に頭を下げた。我々全員片膝をついて礼を返す。
作戦名は【ライジング・プリンセス】と決定した。【クエクエ3】のクエスト名と同じだ。
僕たちは、作戦実行前の休息をとることにした。ミランと騎士団で保管されていたバーボンを飲みながらいろいろと思い返していた。
今回のクエスト、いろいろなバージョンのクエクエのイベントが重なっているため、僕もどういう展開になるのか予想がつかない。気を引き締めないと。
ちなみに、【勇者の剣】を鞘から抜いて、振り下ろしてみた。バーボンの瓶が真っ二つに割れて床に転がった。本当に物は切れるようだ。
ただ、中に入っていたバーボンがこぼれてしまったため、僕とミランは「あ~」と言いながらこぼれたバーボンをふき取った。そのため、お酒が無くなったということで早めの睡眠に入った。
---第六章 完---
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