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第七章 ウソつき勇者とマリア姫救出作戦
7-1 救出作戦の朝
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翌朝、さすがにあの後は飲まなかったので、お酒の量も少なく、久しぶりの気持ちのいい朝を迎えた。部屋の外に出ると、隣の部屋からミランがちょうど出てきた。
「おおケント、眠れたか?」
「ええ、殆ど飲んでませんので」
「おいおい、俺のバーボンは、水と同じだぜ」
「はいはい、ところで、夜何かしていた?音がしていたんだけど」
「ああ、色々と調合していたのさ。今までも随分やばい戦いはあったが、今回はそれ以上にヤバいからな」
「そうですね。僕も昨日、勇者の剣をいろいろ触ってみたのですが、やはり呪いは解けませんでした」
「じゃあ、置いていくのか?」
「いや、持っていきます。そう、僕のカンが言っています」
僕たちは、食堂に向かて歩いていると、多くの騎士団員が中庭を見ていた。全員男だ。
「なんでしょう?何かあったのでしょうか?」
「おいケント、中庭を見て見ろ、美女が鍛錬しているぜってアンナじゃないか!」
そう、騎士団員は、全員アンナを見ていたのだ。彼女は武闘の型を繰り出しているようだ。その姿は、とても妖艶で、釘付けになる。
僕たちはアンナの所に向かった。
「アンナちゃん、朝からどうしたんだ?」
「ケント、ミラン、遅いわね。私は今日の作戦のために、身体を温めていたのよ。こうやって事前に身体を動かすことで、最高のパフォーマンスを発生させることが出来るわ」
「アンナ、お前のその思い、とても分かる。俺はハートが震えたぜ!」
「あら、ミラン、ずいぶんとお世辞ね」
「ただな、周りのギャラリーが、違う意味でハートが震えているみたいだ。さすがにその恰好を見せられてはな」
アンナはハッとして自分の姿を見た。上半身は豊満な胸を布で撒いているだけ、下着は戦闘用のショーツだろうか、上から着る服にラインが見えないような仕様だと思われ、最低限の部分しか隠していない。
「な、い、いつもの癖で・・・・この変態!」
ミランはストレートパンチを貰った。その衝撃で飛ばされていった。アンナは身体を隠すように、自分の部屋に逃げ込んだ。
周りのギャラリーは舌打ちしながら退散していった。
「なんで俺が・・・・あいつのおてんばぶりが、ここまでとは。目の保養になったから良しとするか」
毎度のお約束が終わり、僕たちは食堂に向かった。先に食べていると、真っ赤な顔をしたアンナが来た。
「ミラン、さっきはごめんなさい。ついいつもの癖で手が出てしまって」
「癖で手が出るのはちょっと勘弁だけどな。まあ俺も美女に手を出す癖は無くなっていないから気にするな」
「それとこれとは違うわよ」
食事が終わり、部屋に戻ろうと歩いていると、騎士団員がアンナが通るたびに「ありがとうございました」と言って頭を下げていた。
そして8時、昨日いた作戦本部に全員が集まった。騎士団長リカルドが話し始めた。
「今日9時に、町の門から出発する。場所は旧王宮があった、旧グランムルグ城だ。あそこは70年前に王都移管をしてから、廃墟となっている。魔人がいてもおかしくない場所だ。ここから馬で5分ほどで到着する」
「団長さん、昨日依頼していた武器は?」
「こちらに用意してある。受け取ってくれ」
リカルドの部下と思われる騎士団員が、依頼されていた武器、防具をそれぞれの団員に手渡した。
僕とミランは持っていた剣に白銀のメッキをしてもらっていたので受け取った。アンナもメッキされたナックルとブーツを受け取ったが、小声で「ありがとうございました」と言われた。
「わしも久々に戦場に出る事になるな。腕が鈍っていなければよいがな」
「何をおっしゃいます、ラインハット・・・・いやジル殿。私は10年前あなたに一切の攻撃も当てることが出来ませんでしたよ。まさに鬼神の強さでした」
「昔の話じゃ。わしも、リカルドの名声は聞いておるぞ」
「あ、ありがとうございます。ありがたいお言葉です!」
リカルドはちょっと潤んでいる。かつての師匠に言われ、相当うれしかったのだろう。
「では、全員、王宮の裏の出口に馬を待たせておりますので行きましょう。町人にはあまり知られたくありませんので、静かに出発します」
僕たちは王宮の裏に回った。天気は快晴だ。
「おおケント、眠れたか?」
「ええ、殆ど飲んでませんので」
「おいおい、俺のバーボンは、水と同じだぜ」
「はいはい、ところで、夜何かしていた?音がしていたんだけど」
「ああ、色々と調合していたのさ。今までも随分やばい戦いはあったが、今回はそれ以上にヤバいからな」
「そうですね。僕も昨日、勇者の剣をいろいろ触ってみたのですが、やはり呪いは解けませんでした」
「じゃあ、置いていくのか?」
「いや、持っていきます。そう、僕のカンが言っています」
僕たちは、食堂に向かて歩いていると、多くの騎士団員が中庭を見ていた。全員男だ。
「なんでしょう?何かあったのでしょうか?」
「おいケント、中庭を見て見ろ、美女が鍛錬しているぜってアンナじゃないか!」
そう、騎士団員は、全員アンナを見ていたのだ。彼女は武闘の型を繰り出しているようだ。その姿は、とても妖艶で、釘付けになる。
僕たちはアンナの所に向かった。
「アンナちゃん、朝からどうしたんだ?」
「ケント、ミラン、遅いわね。私は今日の作戦のために、身体を温めていたのよ。こうやって事前に身体を動かすことで、最高のパフォーマンスを発生させることが出来るわ」
「アンナ、お前のその思い、とても分かる。俺はハートが震えたぜ!」
「あら、ミラン、ずいぶんとお世辞ね」
「ただな、周りのギャラリーが、違う意味でハートが震えているみたいだ。さすがにその恰好を見せられてはな」
アンナはハッとして自分の姿を見た。上半身は豊満な胸を布で撒いているだけ、下着は戦闘用のショーツだろうか、上から着る服にラインが見えないような仕様だと思われ、最低限の部分しか隠していない。
「な、い、いつもの癖で・・・・この変態!」
ミランはストレートパンチを貰った。その衝撃で飛ばされていった。アンナは身体を隠すように、自分の部屋に逃げ込んだ。
周りのギャラリーは舌打ちしながら退散していった。
「なんで俺が・・・・あいつのおてんばぶりが、ここまでとは。目の保養になったから良しとするか」
毎度のお約束が終わり、僕たちは食堂に向かった。先に食べていると、真っ赤な顔をしたアンナが来た。
「ミラン、さっきはごめんなさい。ついいつもの癖で手が出てしまって」
「癖で手が出るのはちょっと勘弁だけどな。まあ俺も美女に手を出す癖は無くなっていないから気にするな」
「それとこれとは違うわよ」
食事が終わり、部屋に戻ろうと歩いていると、騎士団員がアンナが通るたびに「ありがとうございました」と言って頭を下げていた。
そして8時、昨日いた作戦本部に全員が集まった。騎士団長リカルドが話し始めた。
「今日9時に、町の門から出発する。場所は旧王宮があった、旧グランムルグ城だ。あそこは70年前に王都移管をしてから、廃墟となっている。魔人がいてもおかしくない場所だ。ここから馬で5分ほどで到着する」
「団長さん、昨日依頼していた武器は?」
「こちらに用意してある。受け取ってくれ」
リカルドの部下と思われる騎士団員が、依頼されていた武器、防具をそれぞれの団員に手渡した。
僕とミランは持っていた剣に白銀のメッキをしてもらっていたので受け取った。アンナもメッキされたナックルとブーツを受け取ったが、小声で「ありがとうございました」と言われた。
「わしも久々に戦場に出る事になるな。腕が鈍っていなければよいがな」
「何をおっしゃいます、ラインハット・・・・いやジル殿。私は10年前あなたに一切の攻撃も当てることが出来ませんでしたよ。まさに鬼神の強さでした」
「昔の話じゃ。わしも、リカルドの名声は聞いておるぞ」
「あ、ありがとうございます。ありがたいお言葉です!」
リカルドはちょっと潤んでいる。かつての師匠に言われ、相当うれしかったのだろう。
「では、全員、王宮の裏の出口に馬を待たせておりますので行きましょう。町人にはあまり知られたくありませんので、静かに出発します」
僕たちは王宮の裏に回った。天気は快晴だ。
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