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9.龍王の番
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しおりを挟む龍王の書斎。
麗華は通された書斎に圧倒された。
私的な書斎とは言うが、広さももちろんだが、この圧巻の蔵書の数に気遅れする。
ここまで立派な書斎などどの国も持ってやしないだろう。たぶん。
「来たか。こちらに」
その書斎の中央に鎮座した大きな机で筆を取っていた龍王は手を止めた。
「もう体調は良いのか」
「は、はい。お陰様ですっかり良くなりました。ご迷惑をお掛けして申し訳ございません…!」
「よい。良くなったのなら何よりだ。では早速だが儀式に移るとしよう」
「はいっ」
その場には泰然も侍医も控えていたが、2人とも黙って後ろに待機している。
机の目の前に台座に置かれた玉が既に設置していて、麗華はごくりと喉を鳴らした。
万が一にも選ばれる可能性は皆無だが、こうも高貴な方々に囲まれてやらされるのは些か心臓に悪い。緊張するなというほうが無理だ。
「では、玉に触れよ」
「はい」
麗華は早く終われと、えいっと玉に触れた………。
その瞬間。
ピカッ!!
玉が反応し、目を開けていられない程の光が玉から発せられ麗華はひぃっと小さく声をあげた。
手を離したかったが、何故か玉から手が離れない。
怖い!!
「!!?」
周りにいた泰然や侍医も驚いて後ろに下がる。
「いやっ!怖い!怖い!」
麗華は力を込めて玉から手を離そうとするが、玉と一体化してしまったように離れてくれないので恐慌状態に陥る。
自分に何が起こっているのか。
光は更に眩く白く光り、麗華の視界はゼロだ。
この場に1人。そんな孤独感が襲う。
どうなってしまうのと麗華が涙を浮かべた時。
麗華は全身を誰かに抱き締められていた……。
「やだっ怖い。誰なの!やだぁっ」
「落ち着いてくれ。我が番よ」
麗華のすぐ近くで威厳のある低い声が語り掛けてきた。
「玉よ。もう大丈夫だ。番は我が守る。その力を解放してくれ」
麗華を抱き締めたままの誰かが玉に向かって声を掛けると、玉に触れていた麗華の手の上に誰かが自分の手を重ねてきた。
その大きな存在に麗華は急に恐怖感が無くなり、安心する。
「だぁれ?」
「炎輝だ。我が番よ。ようやく会えた」
その声に反応するように、玉が急速に光を収め、ピシリッと玉に亀裂が入る。
パリンッ!!!
玉が完全に砕けた。
「やっ」
「大丈夫だ。選定の儀は終わった。麗華、私の番」
そう言って、重ねた掌をそのまま握って来た存在に更に力を入れて抱き締められた。
「???」
玉の光に視界を奪われていた麗華はぼんやり見える男性の形に麗華は驚愕する。
「り、龍王陛下!!?」
「なんだ。麗華。龍王陛下などと。炎輝と呼べ。そなたにはそれが許されているのだから」
麗華は動転してわけが分からなくなり、その特大級の衝撃に気が遠くなるのを感じた……。
「麗華!!?」
あたふたした様子で麗華の頬を撫でる気配に麗華は夢なら醒めてと目を閉じた。
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