3大公の姫君

ちゃこ

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三章

胎動2

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ーーーーローラン国、王立学園。



「アラン様。御機嫌よう」
「アラン様、今日はどちらへ?」
「アラン様。私もご一緒させて下さいませ!」


 ここはローラン国、唯一の王立学園。
 貴族の子女や一部の裕福な平民、商人の子供が通う学院である。

 数ヶ月前、母国ルベイン公国から留学生としてやってきた彼は女子生徒の人気を獲得していた。
 痩身だが決して線が細いわけではなく、理知的で優しげな雰囲気もあり最初はまず彼の外見に見惚れる事だろう。

 しかも相手はルベイン公国の大公家の令息だ。
 アランの兄は筋骨隆々でがっしりした正に漢!というのに対し、アランは女性に好まれるタイプであった。


「こんにちは、皆さん」

 そう一言声をかけるだけで黄色い声が上がる。

 そんな様子にアランは苦笑しながら、通り過ぎる。


(ーー全く、下らないな。)

 仮面の下でそんな事を考える。
 思った以上にここは貴族至上主義だ。

 留学して来てまず初めに目に入って来たのは平民の迫害だ。
 貴族は皆、自分達以下の階級の人間に対し下等なモノとして扱う傾向にあった。
 更に頭の痛い事に平民の下には奴隷がいた。

 ルベインでは遥か遠い過去に廃止された身分だ。

 平民は平民で、普段貴族から見下される立場であるが自分達より更に下の身分を見て鬱憤を晴らすかのように扱う。

 もはや、奴隷は人間として扱われなかった。

 アランとて思う所はあるものの、奴隷なんて駄目だ!とは考えない。
 ゆえにどの階級であろうが肩を持つような事はしない。

 そんなに単純で優しい世界ではないのだから。
 綺麗事はアランの最も嫌う事だ。

 ただ、自分の理想に邪魔な物は全て排除する性格ではある。
 なので、突然突拍子もない行動に出る時もある。

 そんな性質を持ったのが、アランという男であった。


(この鬱陶しい視線は何とかならないかな。)

 実は今この学園で一番身分が高いのはアラン一人だった。

 入れ替わるように、皇太子達がルベインへ入ったので必然的にそうなったのだが。
 ただ、周りにしてみればルベインの大公家=王家という認識なので、待遇は一番良い。
 常に監視されているように感じるのだけが難点か。


 貴族連中は揃いも揃って皆アランに媚びを売る。
 まぁ、ルベインでも無くは無いがここはそれ以上だ。

 しかし、アランはこの数ヶ月をかけて、の生徒たちとも交流を深めていた。

 彼らは学園においても底辺だ。
 お金で爵位を買い上げても蔑みの目は消えない。
 そんな彼らからしてみれば、アランなど雲の上の存在だ。
 まず、関わり合いになるなど微塵も想像出来ない身分である。

 最初は警戒し疑心暗鬼になられたが、関わりを深めていく度に垣根は越えた。   
 そんな平民たちからもアランは支持を受けている。


 どうしてそんな事が出来たかと言えば、単純だ。


 アランはにしか行動してないからだ。

 一般的に集団の中へ入る場合、郷に入っては郷に従えと言う。
 しかし、アランはあくまでそのままの自分でいたのが大きい。


「アラン様。こんにちは。今日も大変ですね…」

「トールか。これから昼食かい?」

「はい。あいつらが来る前にさっさと食べてしまおうかと思いまして」

 そう話しかけて来たのは平民の一般生徒であるトールだった。その後ろには彼の友人達であろう男女が数名いる。

「トール。あんまり長時間話しかけてるとアラン様にご迷惑を掛けちゃうよ」

「ああ…そうだな…。アラン様失礼します!」

 一瞬暗い表情を見せたトールは友人達と一足先に食堂へ入って行った。

 何もトールはアランを避けたのではない。単に平民がアランに話しかけるなどありえないという思考の人間が非常に多い為、アランが場を宥める労力が必要だった。
 気を利かせてくれたのだろう。
 いい奴らだ。

「さて、私も行きますか」

 そう呟いて、アランも食堂へ足を踏み入れた。

 


 アランは食堂に入るとまだ人が疎らであったが、適当に近くの席に腰を下ろす。
 当初はに誘導されたが、アランは不要と切り捨てていた。


 今日は何を食べるかなーー…とメニューを見ながら思考に入っていると、混み合い始めた食堂で騒めきが広がって来た。

 アランは何だ?とその騒めきに目を向けると、そこには先ほど別れたトール達のグループが座っている所に別の貴族と思われるグループが詰め寄っていた。

「ちょっとここは私たちが座るのよ。退きなさいよ」

「…もう少しで食べ終わるので少しだけ待ってくれませんか」

「何だと!?セレーナ様に口答えするのか!平民風情が許されんぞ!!」

 伯爵令嬢を中心としたグループだった。
 トール達のテーブルの近くは割と空いているのにも関わらずわざとトール達の座っているテーブルを空けろと迫っているようだ。



 トール達は最初は小さな抵抗をしていたようだが、痺れを切らした貴族の男に立ち上がらされ胸倉を掴まれた。

「ト、トール…!いいよ、行こう」

 トールは悔しそうな顔をしたが、トールを心配した友人の女生徒が宥め、貴族たちに謝り席を離れたようだ。



(ーー下らない。)



 アランはまたか、という風に溜息を吐いた。
 この様な風景は割と良くあるパターンだからだ。

「メニューはどうなさいますか?」

「あ、それじゃあ今日のおススメにしようかな」

「あ、あの」

「ん?」

 呼んでいたウェイターが来てメニューを聞かれたので答えたら戸惑った様な声を上げられた。

「そのメニューは平民メニューでして…材料費を抑えたメニューなのでアラン様にはお口に合わないかと…」

 ごにょごにょ口籠もりながらウェイターが滝汗を掻きつつアランに意見した。

「…私はこれが良いと言ったんだ。何か問題でも?」

「ヒッ!い、いえ!特にありません!」

「そう?ならいいよね。それにおススメって季節の旬が使われるでしょう?旬は生産量が多くなり価格が安くなるから安物なんて決め付けるのはナンセンスだよ。一番美味しいに決まってるだろう?」

「!!」

 にっこり。
 アランが笑い掛けてやると、先ほどまで縮こまっていたウェイターが顔を真っ赤にさせて頷いた。

「あ、料理だけどさ。席に運んでもらえる?」

「かしこまりました!」

 ウェイターは風の速さで厨房に飛んで行く。

「さて、そろそろ私も行動を起こさねばならないね」



(レスティア義姉上あねうえからも始めなさいと言われたしーーー。)







ーーーーーーーーーーー


「ふん、あいつらさっさと席を譲りなさいよね」

「本当ですわね!生意気ですわ!」

「全くこれだから平民は」

「あいつらは我々の命令だけ聞いていればいいのよ」

 先ほど奪ったテーブルで貴族のグループが笑い声を上げていた。
 ウェイターが運んで来た料理に舌鼓を打ちながら、平民の扱いについて議論する。

 そんな所に出来立ての料理をウェイターに運ばせながらアランがやって来た。

「すまないね。この席いいかい?」


「!!アラン様!!もちろんですわ!是非私のお隣へどうぞ!」

「アラン様!」

 突然アランに話しかけられたセレーナ達は焦りつつも大喜びで席に誘う。

 アランはあまり個人と仲良くしない事で有名だ。

 集団の中ならば親しく話してくれるが、いざ個人でとなると途端に距離を取られる。

 そんな彼が自分から近付いて来た!
 セレーナ達のグループは沸き、優越感に浸る。

 小グループではあるが、アランがこんなに少ない人数のグループに積極的に話しかけて来た事はまずない。
 しかも、あのアランである。
 嬉しくないはずがないではないか。


「嬉しいですわ!私アラン様ともっとお話してみたかったんですの!」

「わ、私達もです!」

「アラン様!ルベインでのお話を聞かせて下さい!」

 全員が有頂天だ。
 これは完全に周りを出し抜いた。


 そう思った。



「ん?何を言っているの?」



「え?」




「私はいいかな?と聞いたんだけれど」


「え、ですから是非にと…」



「私はその席をと言ったつもりだよ?」

 頭悪いの?とでも言いそうな様子でアランが優しげに笑った。

 言葉の意味に気付いたセレーナ達は愕然とする。
 次第に頭で理解すると共に思考が真っ白になった。

「あっ!!も、ももも、申し訳ありません!直ぐにどきますわ!どうぞこちらへ!」

 セレーナはに座りたいのだと理解し慌ててアランに譲った。
 自分はアランの隣の席に移動する。

「ありがとう」

にっこりとアランに微笑みかけられてセレーナは赤面する。

「君達馬鹿なの?私はこのテーブルから退きなさいと言ったつもりなんだけどね」




 完全に沈黙。


 笑顔なのに氷山のように冷たく鋭利な表情で放たれる言葉にセレーナ達は言葉を無くした。


「君達はさっきのより物分かりが悪いのだね?生意気だなぁ」


「も、申し訳ありません!」

「私はね、賢い子が好きだよ。いいかな?」

「もちろんです!あ、貴方達!何をグズグズしてるの!さっさと行くわよ!」


 そう叱り飛ばし、セレーナ達は脱兎のごとく走り去って行った。


「皆ありがとうね。助かるよ。あ、トール!」


 静まり返った食堂内で驚きに固まっていたトール達を呼んだ。

「どうだい?こっちで一緒に食べようよ」

「え!?」

「嫌なのかい?トールは私に一人で食事しろとでも言うつもりなの?酷いやつだなぁ」

「ちょっ!」

「パクパク金魚みたいに口開けてないでこっち来なさい」

 驚愕に染まった周りからの視線にビクビクしながらトール達がアランの所まで歩いて来た。

「な、何でこんな事…」

 トールが不可解だというようにアランを見る。


「何故って言われてもね?私は自分のやりたいようにしかやらないんだよ?」

 アランは運ばれてテーブルの上に置かれたを美味しそうに食べた。






 この日を境に、学園ではアランが主体となり平民達や一部の階級の低い貴族たちからの妄信的な支持を受け学園に火種を撒き散らす。
 また、一部の高位貴族たちからの厚い信頼も寄せられ始める。



 アランの行動原理は貴族だから、平民だからというものではなく、あくまで一人の人間としてというものに基づくのである。

 ルベイン流が広がりつつある学園は以前皇太子達がいた時より活気付いていたーーーー。





「学園の掌握はこんなものかな?ね、アリアーネ嬢」

「アラン様…」


 学園の一室でこんな会話がなされた。
 アランと一緒にいるのはローラン国高位貴族、アリアーネ・ルインデ公爵令嬢。


「私はいつか国に帰る身だからね。グズグズしてられないのさ」

 という言葉にアリアーネは顔を伏せて泣きそうになる表情を見られまいとした。

「どうしたの?寂しい?」

「そんな言い方は酷いです…っ!」

 アランはくすりと笑う。
 真っ赤に目を潤ませて可愛い。


「アリアーネ嬢。君は私を信じて待てるかな?」

「そ、それはどういう意味でしょう…」

「答えてよ」

 いつになく真剣な目をしたアランにアリアーネはドキリとする。
 いつも穏やかな人だが、時々恐ろしいオーラを醸し出す事がアランにはある。


 思わず服従してしまいたくなるようなソレ。


「わ、わた…くしは、アラン様を信じて待てますわ…」


 思わずぽろりと零れた言葉。
 それにアランは心底満足そうに、嬉しげに笑んだ。


「そうかい。嬉しいね。なら、君にとっておきの事を教えよう。今から言う事は誰にも言ってはいけないよ?」

「は、はい」

「ん、いい子。破れば私は君を殺さなければいけなくなっちゃうからね。私に君を殺させないでね」


 君を殺す。

 言われた言葉は正気ではない。
 なのに何故か全身が嬉しいと叫びを上げる程、アリアーネは震えた。


「ーーーーーーー。」



 アランに引き寄せられ抱き締められながら囁かれた言葉。

 驚愕の内容だったが、アリアーネはどうでもよかった。
 生きながらに死んでいたアリアーネに光をくれた人。


 アリアーネはただ、頷いた。
 きっとやってみせると。





 ーーーローラン王国、アリアーネ・ルインデ公爵令嬢。


 かつて、ジオラルド皇太子の婚約者最有力候補であった娘。






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