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あの後お互いに言葉を発することはなく馬車乗り場に着いた。
「それでは失礼します」
カイラントはそう言って去ろうしたのでとっさに呼び止めてしまった。
「ま、待って!」
「どうかされましたか?」
「あの…さっきは助けてくれてありがとう。えっとあなたの名前は…」
「!失礼いたしました。私はカイラント・リスターと申します」
「リスター様は…」
「カイラント」
「?」
「私のことはカイラントとお呼びください」
「え、でも、伯爵家の人を呼び捨てで呼ぶなんて…」
「構いません。むしろあなた様にその様に呼んでいただきたいのです」
初対面の私に呼び捨てで名前を呼んでほしいだなんてどうやらカイラントはフレンドリーな人のようだ。
でもなぜ今まで隠れて私を見ていたのだろうか。
「分かった!じゃあ私のこともオルガって呼んでね!」
「っ!…神々しい」
「どうかした?」
「い、いえ。何でもありません」
「そう?じゃあ聞きたいことがあるんだけど、入学してからずっと私のことを見てたのはどうして?」
「っ!気づかれていましたか…。私もまだまだですね」
カイラントは顔を赤く染め少し恥ずかしそうにはにかんだ。
(え、何その顔!イケメンはにかみ顔は私には眩しすぎるっ!それに気づいてたのはエリザで私はつい最近まで気づいてませんでしたっ!なんかごめん!)
「実はオルガの護衛をしていまして…」
「へ?護衛?な、なんで?」
「その、私は聖女様を騎士としてお守りすることが夢なのです。もちろんオルガが聖女を名乗っていないことは知っていますが、聖魔力を持つ方が学園にいると耳にしていても立ってもいられず…。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
「いやいやいや!私はただ聖魔力を持っているだけで聖女様じゃないからね?確かにずっと見られてるのは気になったけど実際に助けてもらったし謝らないで」
「…ありがとう」
「でもね私は聖女様じゃないから護衛はしなくて大丈夫だよ」
「でも…」
「うーん、じゃあさ友達になろうよ!…初めまして!私はオルガ・ミストリア。クラスはCクラスだよ。学園では分からないことがたくさんあるから色々教えてもらえると嬉しいな。よろしくね!」
「っ!…私はカイラント・リスター。Bクラスに所属しています。魔法騎士を目指して日々訓練をしているので少しでもオルガの力になれたら嬉しいです。よろしくお願いします」
お互いに自己紹介をして雑談をしているとエリザが戻ってきた。
「オルガっ!」
「あっ、エリザおかえり!待ってないで先にこっちに来ちゃった。ごめんね」
「私は大丈夫よ。…リスター様、一体何があったの?」
「…オルガが女子生徒に暴言を吐かれ、暴力を振るわれそうになっていたので私が間に入りました」
「…これは私の不注意ね。リスター様のおかけで助かったわ」
「…いや、私が好きでしたことなので気にしないでください。それと女子生徒はアレノ家、コレダ家、ソレーニ家の者です」
「…!分かったわ。ありがとう」
「…いえ」
「?二人とも何をコソコソ話してるの?」
「何でもないわよ」
「何でもありません」
「そう?じゃあ帰ろう!カイラントまた明日ね!」
「はい、また明日」
こうしてひょんなことから私とカイラントは友達になったのだった。
ちなみにこの日以降、私に絡んできた女子生徒を学園で見かけることはなかった。
あの後帰りの馬車の中でエリザにカイラントのことを改めて聞いてみたのだが、カイラントの父親であるリスター伯爵は騎士団長でありその息子であるカイラントは非常に優秀で将来の騎士団長有力候補なんだそうだ。
今さらだがそんなすごい人に自主的にとはいえ護衛されていたなんて恐れ多い。
でも友達になったのでこれからはそんなことは無いだろうと思っていたのだが、友達になったことと護衛をすることはカイラントには関係なかったようだ。
その後もふと気づけばカイラントの視線を感じるのだがもう好きにさせてあげようと思うのだった。
「それでは失礼します」
カイラントはそう言って去ろうしたのでとっさに呼び止めてしまった。
「ま、待って!」
「どうかされましたか?」
「あの…さっきは助けてくれてありがとう。えっとあなたの名前は…」
「!失礼いたしました。私はカイラント・リスターと申します」
「リスター様は…」
「カイラント」
「?」
「私のことはカイラントとお呼びください」
「え、でも、伯爵家の人を呼び捨てで呼ぶなんて…」
「構いません。むしろあなた様にその様に呼んでいただきたいのです」
初対面の私に呼び捨てで名前を呼んでほしいだなんてどうやらカイラントはフレンドリーな人のようだ。
でもなぜ今まで隠れて私を見ていたのだろうか。
「分かった!じゃあ私のこともオルガって呼んでね!」
「っ!…神々しい」
「どうかした?」
「い、いえ。何でもありません」
「そう?じゃあ聞きたいことがあるんだけど、入学してからずっと私のことを見てたのはどうして?」
「っ!気づかれていましたか…。私もまだまだですね」
カイラントは顔を赤く染め少し恥ずかしそうにはにかんだ。
(え、何その顔!イケメンはにかみ顔は私には眩しすぎるっ!それに気づいてたのはエリザで私はつい最近まで気づいてませんでしたっ!なんかごめん!)
「実はオルガの護衛をしていまして…」
「へ?護衛?な、なんで?」
「その、私は聖女様を騎士としてお守りすることが夢なのです。もちろんオルガが聖女を名乗っていないことは知っていますが、聖魔力を持つ方が学園にいると耳にしていても立ってもいられず…。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
「いやいやいや!私はただ聖魔力を持っているだけで聖女様じゃないからね?確かにずっと見られてるのは気になったけど実際に助けてもらったし謝らないで」
「…ありがとう」
「でもね私は聖女様じゃないから護衛はしなくて大丈夫だよ」
「でも…」
「うーん、じゃあさ友達になろうよ!…初めまして!私はオルガ・ミストリア。クラスはCクラスだよ。学園では分からないことがたくさんあるから色々教えてもらえると嬉しいな。よろしくね!」
「っ!…私はカイラント・リスター。Bクラスに所属しています。魔法騎士を目指して日々訓練をしているので少しでもオルガの力になれたら嬉しいです。よろしくお願いします」
お互いに自己紹介をして雑談をしているとエリザが戻ってきた。
「オルガっ!」
「あっ、エリザおかえり!待ってないで先にこっちに来ちゃった。ごめんね」
「私は大丈夫よ。…リスター様、一体何があったの?」
「…オルガが女子生徒に暴言を吐かれ、暴力を振るわれそうになっていたので私が間に入りました」
「…これは私の不注意ね。リスター様のおかけで助かったわ」
「…いや、私が好きでしたことなので気にしないでください。それと女子生徒はアレノ家、コレダ家、ソレーニ家の者です」
「…!分かったわ。ありがとう」
「…いえ」
「?二人とも何をコソコソ話してるの?」
「何でもないわよ」
「何でもありません」
「そう?じゃあ帰ろう!カイラントまた明日ね!」
「はい、また明日」
こうしてひょんなことから私とカイラントは友達になったのだった。
ちなみにこの日以降、私に絡んできた女子生徒を学園で見かけることはなかった。
あの後帰りの馬車の中でエリザにカイラントのことを改めて聞いてみたのだが、カイラントの父親であるリスター伯爵は騎士団長でありその息子であるカイラントは非常に優秀で将来の騎士団長有力候補なんだそうだ。
今さらだがそんなすごい人に自主的にとはいえ護衛されていたなんて恐れ多い。
でも友達になったのでこれからはそんなことは無いだろうと思っていたのだが、友達になったことと護衛をすることはカイラントには関係なかったようだ。
その後もふと気づけばカイラントの視線を感じるのだがもう好きにさせてあげようと思うのだった。
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