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一章 異世界漂着
22話 狂人との死闘
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馬車の内部へ通じる両開きの扉を開けると、視界に敵が奪いまくったであろう金銀や絵画、宝石が無造作に撒かれているのが飛び込んだ。
「足元が不安定なので注意してください」
「おうよ」
床に散らばった金銭を踏みにじりながら鏡を見つけ出そうと動く。元の持ち主には大変申し訳ない。
「ありました、これです」
先に見つけたのはレベッカだった。
目的の品は宝石や短剣が溢れかえりつつある箱の上に置かれていた。鏡面は辺りが暗いというのに輝きを放っていて、それを覆う枠組みは黄金の姿を纏っている。
素人でも分かる程の高貴なものだ。連中に同情するのはよろしくないが、奪う心理も分からなくはない。
「よかった、無事で……」
鏡は皇帝専用の上、政府から奪還するよう命令されていた重要な物品だ。その存在が無事だった事に、レベッカは安堵した表情を浮かべていた。
「んじゃ、そろそろズラかりましょうか」
「はい、長居は無意味ですからね」
レベッカがニッコリと微笑み、鏡を布に包んで懐へ収めた。笑顔がまるで芸術品だ。嫌な事も吹き飛ぶ。
「それにしてもよくこんなに盗ったな」
「本当に許し難いで……! 伏せてください!」
声色が非常事態のそれに変貌し、レベッカにお宝だらけの床へ押し倒される。
何か、凄くいい香りが……そうじゃなくて、この体勢、色々危険だ。数センチ前に彼女の顔がある。実に気まずい。
「おいおい、どうしたって言うん……はっ!」
何かの冗談だと思いツッコミを炸裂させようとした時、馬車の天井から槍が突き出ているのが見えた。屋根に誰かが潜んでいて、鏡を取り返したタイミングを狙ったのだろう。
突き出た槍が持ち主の元へ返っていくと、その隙を見て外へ脱出する。
屋根の上に、これまでの兵士の不完全な雰囲気とは違う、上裸の筋骨隆々の男が槍片手に不敵な笑みを浮かべて佇んでいた。
こっちは銃を持っているのですぐにでも仕留められるが、こんな狂気を体現したような人間に出会うのは初めてで、指の一本も動かない。
「そこの坊や、中々やるな……大砲を持ってるみたいだが、これは避けられるかな?」
腰元に吊るしていた巨大な釘を2本、投げて来る。それも音速に迫るスピードで、目を的確に狙っている。これは、避けられそうにない。仮に体をズラしたとしても、速度と距離を計算すれば顔のどこかに命中してしまう。
が、その理論は打ち砕かれた。
「危ない……!」
固まっていた自分に、凶器を防ごうと覆い被さるレベッカ。
「うっ……!」
短く、辛い悲鳴。
「おい、大丈夫か!」
すぐさま自分を守ってくれたレベッカを引き離し、背中を確認する。鎧で隠されていない僅かな隙間に釘が2本深く突き刺さっており、尋常ない量の血が銀の甲冑を染色していた。左腕は痙攣している。
「これはまさか……」
レベッカが機能しなくなった左腕を見つめ、苦しそうな声を漏らす。それに反応した槍の狂人が薄汚い笑いを上げながら口を開いた。
「ご名答――――そいつには、毒草や魔物の体液を調合した神経毒を塗ってある。死ぬ事はないだろうが、激痛にもがき苦しむだろうな」
毒とは、姑息な。
じゃあ俺も、卑怯な手を使ってやろう。
乾いた銃声を響かせ、槍だけを撃ち落とす。
「おっ――!」
柄が木製の槍は真っ二つに割れ、狂人はゴミ同然となった槍を投げ捨てた。
「民生品の安いやつはぁ、やっぱ駄目だ」
呆れた表情でそう言いながら、背負っていたであろう新たな槍を取り出した。今度のは先程よりも頑強だ。柄も先端も太く作られている。
「よっ」
槍を杖代わりにし、地面へ飛び降りた。
「獲物がちょっとズレたが、くたばってるし、ちゃっちゃと片付けよう」
口調はフランクだが、瞳には彼が隠し持つ「猟奇」が浮き出ていた。
命の危険を感じ、ガバメントを発砲した。奴は直進していたので何発か当たったが……
「嘘だろおい!」
筋肉で割れた腹部にいくつかの穴が開いているが、そんな傷はないかのように奴は平然と距離を潰してきた。
「すこーし痛いが、こっちは強くなる薬を飲んでるんだよ!」
眼前に迫った狂人が心臓目掛けて槍を突き放す。
「ぐう、負けてたまるかぁ!」
槍を掴み返し、奴のこめかみに銃口を押し付ける。
「力も強いなぁ。お前何歳?」
こっちは最大限の力を全身の各所から集めているが、狂人は焦りや疲れなどの素振りは見せない。それどころか、追い詰めるのを楽しんでいる。
「おっと、危ないねぇ!」
今だと引き金に指を掛けた瞬間、男はとんでもない速度で回避した。
「いやぁ、ヤバいヤバい。ちょっと痛いじゃないか」
額には横一線の傷が走っている。そこから滴る血液を奴は何もない片方の手で拭っている。
「攻撃には攻撃を、どうぞ」
再び釘を投擲してくる。次は4発だ。
それを間一髪で避け一安心するも、たったの数秒間の時間を利用して狂人が眼前に迫り立っていた。
「は~い、こんな物騒なものはしまいましょう」
「あっ、おい!」
ガバメントを槍で叩き飛ばされ、レベッカの方へ転がっていった。
Hk416は肩に掛けているが、こんな至近距離では銃剣でも装着していない限り使用不可だ。
「さあ、どうする?」
槍をクルクルと回しながら問い詰めてくる。
無言でナイフを抜き出し、逆手に持つ。
「おっ、刃物勝負か。いいねぇ、実に素晴らしいセンスだ」
狂人は槍を地面に預け、鞘から短剣を引き抜いた。手入れを怠っているのか、刃こぼれが多く目立つ。
「そのナイフ、粗末に使ってんのか?」
「まあ、色々だな。刃こぼれに関しては、敵を苦しめるためさ。こんな風にな――――!」
急速に迫り来る狂人。いつ走り出したのかも見えなかった。これでは瞬間移動だ。
顔面にナイフが突撃し、それを自分のナイフで防ぐ。
ギチギチ、とエッジ同士が削り合う嫌な音が響く。
「腕力はいい。でもこっちは?」
「うあっ」
横蹴りを喰らわされ、下半身に強烈な痛みが生じた。
未成熟な自分の体は数メートルも吹き飛ばされ、レベッカの真横辺りに漂流した。
吹っ飛ばされた際にナイフもどこかへ無くしたらしく、俺は丸腰になってしまった。
武器を短剣に切り替えた狂人が横たわる自分の頭にナイフを突きつける。
「お前は殺すとして、女の方は楽しみだな……金にもなるし、道具にもなる。それに高そうな装備まで持ってる! 最高じゃないか!」
狂人は自分達の今後の扱いを想像し、気色の悪い笑い声を高らかに上げている。
「足元が不安定なので注意してください」
「おうよ」
床に散らばった金銭を踏みにじりながら鏡を見つけ出そうと動く。元の持ち主には大変申し訳ない。
「ありました、これです」
先に見つけたのはレベッカだった。
目的の品は宝石や短剣が溢れかえりつつある箱の上に置かれていた。鏡面は辺りが暗いというのに輝きを放っていて、それを覆う枠組みは黄金の姿を纏っている。
素人でも分かる程の高貴なものだ。連中に同情するのはよろしくないが、奪う心理も分からなくはない。
「よかった、無事で……」
鏡は皇帝専用の上、政府から奪還するよう命令されていた重要な物品だ。その存在が無事だった事に、レベッカは安堵した表情を浮かべていた。
「んじゃ、そろそろズラかりましょうか」
「はい、長居は無意味ですからね」
レベッカがニッコリと微笑み、鏡を布に包んで懐へ収めた。笑顔がまるで芸術品だ。嫌な事も吹き飛ぶ。
「それにしてもよくこんなに盗ったな」
「本当に許し難いで……! 伏せてください!」
声色が非常事態のそれに変貌し、レベッカにお宝だらけの床へ押し倒される。
何か、凄くいい香りが……そうじゃなくて、この体勢、色々危険だ。数センチ前に彼女の顔がある。実に気まずい。
「おいおい、どうしたって言うん……はっ!」
何かの冗談だと思いツッコミを炸裂させようとした時、馬車の天井から槍が突き出ているのが見えた。屋根に誰かが潜んでいて、鏡を取り返したタイミングを狙ったのだろう。
突き出た槍が持ち主の元へ返っていくと、その隙を見て外へ脱出する。
屋根の上に、これまでの兵士の不完全な雰囲気とは違う、上裸の筋骨隆々の男が槍片手に不敵な笑みを浮かべて佇んでいた。
こっちは銃を持っているのですぐにでも仕留められるが、こんな狂気を体現したような人間に出会うのは初めてで、指の一本も動かない。
「そこの坊や、中々やるな……大砲を持ってるみたいだが、これは避けられるかな?」
腰元に吊るしていた巨大な釘を2本、投げて来る。それも音速に迫るスピードで、目を的確に狙っている。これは、避けられそうにない。仮に体をズラしたとしても、速度と距離を計算すれば顔のどこかに命中してしまう。
が、その理論は打ち砕かれた。
「危ない……!」
固まっていた自分に、凶器を防ごうと覆い被さるレベッカ。
「うっ……!」
短く、辛い悲鳴。
「おい、大丈夫か!」
すぐさま自分を守ってくれたレベッカを引き離し、背中を確認する。鎧で隠されていない僅かな隙間に釘が2本深く突き刺さっており、尋常ない量の血が銀の甲冑を染色していた。左腕は痙攣している。
「これはまさか……」
レベッカが機能しなくなった左腕を見つめ、苦しそうな声を漏らす。それに反応した槍の狂人が薄汚い笑いを上げながら口を開いた。
「ご名答――――そいつには、毒草や魔物の体液を調合した神経毒を塗ってある。死ぬ事はないだろうが、激痛にもがき苦しむだろうな」
毒とは、姑息な。
じゃあ俺も、卑怯な手を使ってやろう。
乾いた銃声を響かせ、槍だけを撃ち落とす。
「おっ――!」
柄が木製の槍は真っ二つに割れ、狂人はゴミ同然となった槍を投げ捨てた。
「民生品の安いやつはぁ、やっぱ駄目だ」
呆れた表情でそう言いながら、背負っていたであろう新たな槍を取り出した。今度のは先程よりも頑強だ。柄も先端も太く作られている。
「よっ」
槍を杖代わりにし、地面へ飛び降りた。
「獲物がちょっとズレたが、くたばってるし、ちゃっちゃと片付けよう」
口調はフランクだが、瞳には彼が隠し持つ「猟奇」が浮き出ていた。
命の危険を感じ、ガバメントを発砲した。奴は直進していたので何発か当たったが……
「嘘だろおい!」
筋肉で割れた腹部にいくつかの穴が開いているが、そんな傷はないかのように奴は平然と距離を潰してきた。
「すこーし痛いが、こっちは強くなる薬を飲んでるんだよ!」
眼前に迫った狂人が心臓目掛けて槍を突き放す。
「ぐう、負けてたまるかぁ!」
槍を掴み返し、奴のこめかみに銃口を押し付ける。
「力も強いなぁ。お前何歳?」
こっちは最大限の力を全身の各所から集めているが、狂人は焦りや疲れなどの素振りは見せない。それどころか、追い詰めるのを楽しんでいる。
「おっと、危ないねぇ!」
今だと引き金に指を掛けた瞬間、男はとんでもない速度で回避した。
「いやぁ、ヤバいヤバい。ちょっと痛いじゃないか」
額には横一線の傷が走っている。そこから滴る血液を奴は何もない片方の手で拭っている。
「攻撃には攻撃を、どうぞ」
再び釘を投擲してくる。次は4発だ。
それを間一髪で避け一安心するも、たったの数秒間の時間を利用して狂人が眼前に迫り立っていた。
「は~い、こんな物騒なものはしまいましょう」
「あっ、おい!」
ガバメントを槍で叩き飛ばされ、レベッカの方へ転がっていった。
Hk416は肩に掛けているが、こんな至近距離では銃剣でも装着していない限り使用不可だ。
「さあ、どうする?」
槍をクルクルと回しながら問い詰めてくる。
無言でナイフを抜き出し、逆手に持つ。
「おっ、刃物勝負か。いいねぇ、実に素晴らしいセンスだ」
狂人は槍を地面に預け、鞘から短剣を引き抜いた。手入れを怠っているのか、刃こぼれが多く目立つ。
「そのナイフ、粗末に使ってんのか?」
「まあ、色々だな。刃こぼれに関しては、敵を苦しめるためさ。こんな風にな――――!」
急速に迫り来る狂人。いつ走り出したのかも見えなかった。これでは瞬間移動だ。
顔面にナイフが突撃し、それを自分のナイフで防ぐ。
ギチギチ、とエッジ同士が削り合う嫌な音が響く。
「腕力はいい。でもこっちは?」
「うあっ」
横蹴りを喰らわされ、下半身に強烈な痛みが生じた。
未成熟な自分の体は数メートルも吹き飛ばされ、レベッカの真横辺りに漂流した。
吹っ飛ばされた際にナイフもどこかへ無くしたらしく、俺は丸腰になってしまった。
武器を短剣に切り替えた狂人が横たわる自分の頭にナイフを突きつける。
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