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三章 異世界verの中東戦争
162話 サタンの真の力
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倉庫は面積そのものは広いが物が多いせいで満足に動けず、俺はここから離れる事を決めた。
「あんまり使いたくないんだけどなぁ……でも仕方ない」
軽い文句を吐きながら取り出すのはまたもやスモークグレネードだ。
若干固い金属のピンを抜き捨てると奴の方へと転がす。
「また煙幕か……!」
二度も同じ奇襲に晒されたサタンは憤る。
煙幕が空間を隠蔽している内に倉庫から逃げると、最初に奴と戦った場所に出た。先程の倉庫よりも遥かに広く、なおかつ遮蔽物もそこそこある。
「お、これは……使えるかも」
銀の台座にリモコンが置かれていた。どうやらそれはクレーンを操作するための装置みたいだ。上を見てみると、確かに無数のパイプを掴んだままのクレーンがあった。
クレーンを作動させ、鉄塊をサタンの頭上に落とせば効果は絶大だろう。
「ここにいるんだろう?」
すると、口元を押さえるサタンが倉庫から出て来た。スモークグレネードは便利だな。
煙幕の被害に遭ったら通常は鼻水や涙が止まらなくなるのだが、すぐに復帰できているのを見ると、恐らく薬物を注入しなくても相当なタフネスを誇るだろう。
クレーンの丁度真下辺りにサタンが来る。
このチャンスを逃せば大敗北だと、慌ててリモコンを操作。
少し錆びたソレは軋みの音を立たせながら蠢く。
下手くそだがリモコンを操作し続け、ついに鉄パイプの束が奴の頭上に迫る。
「まさか……!? これはマズいな」
眼を限界まで見開きクレーンを見上げるサタンは咄嗟に避けようとしたが、もう遅かった。
リモコンのスイッチを深く押し込む。
クレーンの爪の力が極端に弱くなり――――密集していたパイプの大軍が散弾となってサタンを真上から急襲する。
甲高い音が響き、サタンは反応する間なくパイプの下敷きに。
パイプの山からは赤い液体が溢れ出る。
「いけたか……?」
ガバメント片手にパイプへと近寄り、サタンの生死を確認する。屈むと地面に広がる液体を少し嗅ぐ。間違いなく人間の血液だ。薬物で体の強度を高めているとはいえ、流石にこれを耐え抜くことは無理だったようだ。
何はともあれ脅威を排除することに成功したので工場の出口へ向かい始めた瞬間。
「嘘だろ……冗談だと言ってくれよ」
背後の鉄パイプからガサゴソと不穏な物音が聞こえ、思わず身震いした。
銃を構えながら恐る恐る後ろを振り返ると、パイプの隙間から血だらけの手が露出しており、それはしっかりと動いていた。
心臓が激しく跳ねる。
薬物が云々の話ではなく、怪物の領域だ。
そして、血濡れで悍ましさをこれでもかという程滲ませた表情のサタンがパイプを掻き分けて現れた。
真っ赤な左手にはひび割れた注射器が。紫の不気味な液体が詰められている。
「今のは……全体に、物凄く響いたね。おかげで麻薬の効果はすっかり薄れた。でも僕には――――これあるから大丈夫だ」
破れまくった袖を捲ると、サタンは注射器の鋭い針を皮膚に勢いよく刺した。
体に埋まる全ての血管が浮き出て、彼は気味の悪い笑顔でこう語る。
「これは……魔物の体液……実家にあったんだ。魔物と人間の融合は科学的に魔術的にも倫理的にもよろしくないけど……っ……!」
「あんまり使いたくないんだけどなぁ……でも仕方ない」
軽い文句を吐きながら取り出すのはまたもやスモークグレネードだ。
若干固い金属のピンを抜き捨てると奴の方へと転がす。
「また煙幕か……!」
二度も同じ奇襲に晒されたサタンは憤る。
煙幕が空間を隠蔽している内に倉庫から逃げると、最初に奴と戦った場所に出た。先程の倉庫よりも遥かに広く、なおかつ遮蔽物もそこそこある。
「お、これは……使えるかも」
銀の台座にリモコンが置かれていた。どうやらそれはクレーンを操作するための装置みたいだ。上を見てみると、確かに無数のパイプを掴んだままのクレーンがあった。
クレーンを作動させ、鉄塊をサタンの頭上に落とせば効果は絶大だろう。
「ここにいるんだろう?」
すると、口元を押さえるサタンが倉庫から出て来た。スモークグレネードは便利だな。
煙幕の被害に遭ったら通常は鼻水や涙が止まらなくなるのだが、すぐに復帰できているのを見ると、恐らく薬物を注入しなくても相当なタフネスを誇るだろう。
クレーンの丁度真下辺りにサタンが来る。
このチャンスを逃せば大敗北だと、慌ててリモコンを操作。
少し錆びたソレは軋みの音を立たせながら蠢く。
下手くそだがリモコンを操作し続け、ついに鉄パイプの束が奴の頭上に迫る。
「まさか……!? これはマズいな」
眼を限界まで見開きクレーンを見上げるサタンは咄嗟に避けようとしたが、もう遅かった。
リモコンのスイッチを深く押し込む。
クレーンの爪の力が極端に弱くなり――――密集していたパイプの大軍が散弾となってサタンを真上から急襲する。
甲高い音が響き、サタンは反応する間なくパイプの下敷きに。
パイプの山からは赤い液体が溢れ出る。
「いけたか……?」
ガバメント片手にパイプへと近寄り、サタンの生死を確認する。屈むと地面に広がる液体を少し嗅ぐ。間違いなく人間の血液だ。薬物で体の強度を高めているとはいえ、流石にこれを耐え抜くことは無理だったようだ。
何はともあれ脅威を排除することに成功したので工場の出口へ向かい始めた瞬間。
「嘘だろ……冗談だと言ってくれよ」
背後の鉄パイプからガサゴソと不穏な物音が聞こえ、思わず身震いした。
銃を構えながら恐る恐る後ろを振り返ると、パイプの隙間から血だらけの手が露出しており、それはしっかりと動いていた。
心臓が激しく跳ねる。
薬物が云々の話ではなく、怪物の領域だ。
そして、血濡れで悍ましさをこれでもかという程滲ませた表情のサタンがパイプを掻き分けて現れた。
真っ赤な左手にはひび割れた注射器が。紫の不気味な液体が詰められている。
「今のは……全体に、物凄く響いたね。おかげで麻薬の効果はすっかり薄れた。でも僕には――――これあるから大丈夫だ」
破れまくった袖を捲ると、サタンは注射器の鋭い針を皮膚に勢いよく刺した。
体に埋まる全ての血管が浮き出て、彼は気味の悪い笑顔でこう語る。
「これは……魔物の体液……実家にあったんだ。魔物と人間の融合は科学的に魔術的にも倫理的にもよろしくないけど……っ……!」
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