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勇者
くっ、どこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだ、この水晶。
「おや、どうした?」
「すいません、少し緊張しちゃって、ちょっと深呼吸させて貰いますね」
「ははっ、水晶に手をかざすのに緊張するなんて珍しい人だね」
すーはー、すーはー。
さて、どうするか。
このまま手をかざせばあの水晶はぶっ壊れ、俺は三度牢屋に入れられるだろう。
今までの感じからして俺の話をまともに聞いてくれるとは思えない。
何か良いスキルないかな、――おっ、この説得スキルなんていいんじゃない。
俺は説得スキルを最大にしてからダールイさんに話しかける。
「ダールイさん、やっぱりダメです。俺水晶恐怖症なんですよ。何とかなりませんか?」
「ええ? 水晶恐怖症? そんなの聞いたこと無いぞ」
やっぱり、ダメか。
「……しょうがないな、無理強いはよくないしな。じゃあ、レベルは自己申告でいいよ」
「え? いいんですか?」
説得スキルすげえ。
「いや、そう言われるとダメなはずなんだけど、何かお前だけはいい気がしてさ、んっ? 何かおかしいよな」
「おかしくないです。全然おかしくないです。他の人にばれなければ大丈夫です」
「おっ、そうか、そうだな。じゃあ、この紙に必要な事を書いてくれるか」
「はい、わかりました」
ふう、何とかなりそうだ。
この感じなら、説得スキルがあらば冒険者にもなれるかな。
勇者の仲間になれなかったら、改めて冒険者ギルドに行ってみるか。
「はい、書けました」
「おう、んっ、レベル55? おい、これ本当かい」
「はい、本当です」
「そ、そうか。すごいレベルだな。これなら勇者の仲間に間違いなく選ばれると思うぞ」
ちょっとレベルが高すぎるかと思ったけど、確実に選ばれる為に高レベルにしておいた。
「勇者っていつここに来るんですか?」
「予定では明日だな。明日王の所に挨拶に行った後、ここで仲間を探すはずだ」
明日か、ギリギリだったな。
俺は最初に来たときに来た宿に泊まって一晩すごした。
次の日。
カランカラン
ダールイの酒場の扉が開かれ、その開かれた扉から黒髪の美少女が現れた。
おおっ、可愛い、あの子が勇者に違いない。
黒髪の美少女はダールイさんの元へと向かう。
「ダールイさん、仲間を探しに来ました」
「待ってましたよ、アーシア。どんな子がお好みですか?」
「えっと、戦士が一人、魔法使いが一人、僧侶が一人でお願いします。あっ、後全員女性でお願いします」
ちょっ、ちょっと待ってよ勇者様。
「ちょっとまった」
おっ、何か強面のおっさんが勇者の前に出て行ったぞ。
「俺は今日の為に鍛えて来たのだ。男というだけで、仲間の選考から外れるのは納得いかぬ」
そうだ、もっと言ってやれ。
「うーん。でもさあ、一緒に旅をするわけだし、野宿とかもするわけじゃない。その中に男がいると余計なトラブルの元だと思うんだよね」
うんうん、それもごもっともです。
「魔王を倒すのに必要なのは圧倒的な武力のはず、男女のことなど些末な問題だろう」
「武力が大事なのは間違いないけどさ。男女のことを些末な問題で済ますのはどうかと思うよ」
勇者は普通に拒否してるけど、おっさんも引く気がないみたいだ。
よし、ここは俺の説得スキルの出番だな。
そして、何とか勇者の仲間に入り込むぞ。
「まあまあ、お二人とも、ここは俺が勇者の仲間になるなんてどうですかね?」
「ああ? ……まあ、それもいいかもしれないな」
「えっと、うん、いいんじゃないかな」
こうして、俺は勇者の仲間になった。
「おや、どうした?」
「すいません、少し緊張しちゃって、ちょっと深呼吸させて貰いますね」
「ははっ、水晶に手をかざすのに緊張するなんて珍しい人だね」
すーはー、すーはー。
さて、どうするか。
このまま手をかざせばあの水晶はぶっ壊れ、俺は三度牢屋に入れられるだろう。
今までの感じからして俺の話をまともに聞いてくれるとは思えない。
何か良いスキルないかな、――おっ、この説得スキルなんていいんじゃない。
俺は説得スキルを最大にしてからダールイさんに話しかける。
「ダールイさん、やっぱりダメです。俺水晶恐怖症なんですよ。何とかなりませんか?」
「ええ? 水晶恐怖症? そんなの聞いたこと無いぞ」
やっぱり、ダメか。
「……しょうがないな、無理強いはよくないしな。じゃあ、レベルは自己申告でいいよ」
「え? いいんですか?」
説得スキルすげえ。
「いや、そう言われるとダメなはずなんだけど、何かお前だけはいい気がしてさ、んっ? 何かおかしいよな」
「おかしくないです。全然おかしくないです。他の人にばれなければ大丈夫です」
「おっ、そうか、そうだな。じゃあ、この紙に必要な事を書いてくれるか」
「はい、わかりました」
ふう、何とかなりそうだ。
この感じなら、説得スキルがあらば冒険者にもなれるかな。
勇者の仲間になれなかったら、改めて冒険者ギルドに行ってみるか。
「はい、書けました」
「おう、んっ、レベル55? おい、これ本当かい」
「はい、本当です」
「そ、そうか。すごいレベルだな。これなら勇者の仲間に間違いなく選ばれると思うぞ」
ちょっとレベルが高すぎるかと思ったけど、確実に選ばれる為に高レベルにしておいた。
「勇者っていつここに来るんですか?」
「予定では明日だな。明日王の所に挨拶に行った後、ここで仲間を探すはずだ」
明日か、ギリギリだったな。
俺は最初に来たときに来た宿に泊まって一晩すごした。
次の日。
カランカラン
ダールイの酒場の扉が開かれ、その開かれた扉から黒髪の美少女が現れた。
おおっ、可愛い、あの子が勇者に違いない。
黒髪の美少女はダールイさんの元へと向かう。
「ダールイさん、仲間を探しに来ました」
「待ってましたよ、アーシア。どんな子がお好みですか?」
「えっと、戦士が一人、魔法使いが一人、僧侶が一人でお願いします。あっ、後全員女性でお願いします」
ちょっ、ちょっと待ってよ勇者様。
「ちょっとまった」
おっ、何か強面のおっさんが勇者の前に出て行ったぞ。
「俺は今日の為に鍛えて来たのだ。男というだけで、仲間の選考から外れるのは納得いかぬ」
そうだ、もっと言ってやれ。
「うーん。でもさあ、一緒に旅をするわけだし、野宿とかもするわけじゃない。その中に男がいると余計なトラブルの元だと思うんだよね」
うんうん、それもごもっともです。
「魔王を倒すのに必要なのは圧倒的な武力のはず、男女のことなど些末な問題だろう」
「武力が大事なのは間違いないけどさ。男女のことを些末な問題で済ますのはどうかと思うよ」
勇者は普通に拒否してるけど、おっさんも引く気がないみたいだ。
よし、ここは俺の説得スキルの出番だな。
そして、何とか勇者の仲間に入り込むぞ。
「まあまあ、お二人とも、ここは俺が勇者の仲間になるなんてどうですかね?」
「ああ? ……まあ、それもいいかもしれないな」
「えっと、うん、いいんじゃないかな」
こうして、俺は勇者の仲間になった。
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