軌跡 Rev.1

ぽよ

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2章

次の一歩

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    2人は研究室で雑談していた。時計は12時を指していた。真夏の炎天下とは無縁のクーラー効いた研究室で、お互いの大学の話や趣味の話、その他色々な話をして、お互いがお互いのことを少しずつ理解していった。
 賢の趣味は読書らしい。ミステリーから恋愛、はたまた実用書まで。なんでも読むらしい。そこに写っているのは上級生としての賢ではなく、男性としての賢がはっきりと映っていた。普段からあまり趣味をもっていない仁に、賢は読書を勧めてきてくれた。下宿先にも本はあるらしい。
 少し悩んだが、レポートも一段落したし、賢と一緒に過ごせる時間は幸せな時間でもあった。それに加えて、こういうときのために服は用意する習慣がついていた。万が一に備える自分を褒める。
 楽しい時間とは一瞬で過ぎていく。食堂のラッシュが終わったあたりで二人とも立ち上がり、ドアへと一目散で向かう。

「腹減ったな」
「お腹空きましたね」

    お互い自然と笑みが溢れるほど、2人は仲良くなっていた。仁の敬語は相変わらず抜けなかったが、最初に比べればかなり普通に話ができるようになった。
 ラッシュが終わった食堂は少しだけ空いていて、いつもと同じラーメンを頼んだ。

「仁はこの後3限があるんだっけ」
「ありますね」
「今日はそのあとなんかあるの?」
「いえ、今日は3限だけです」
「分かった。じゃあ3限終わったら帰るか。そのまま俺の家だな」

    びっくりするほど滑らかに家に誘われた。しかし断る理由もない。
 二人で少しだけ遅めの昼ごはんを食べたあと、仁は3限の講義に見送られた。賢は少しだけ図書館に用事があるらしく、仁を見送った後、逆方向に消えていった。
 講義はのんびりと聴いていたらいつの間にか終わっていた。ここ最近は講義中もずっと賢のことばかり考えていた。全然底が見えない。しかし、その魅力にも惹かれていた。講義が終わり、荷物を持って図書館に行く。図書館の入り口に賢がいた。

「よっ」
「お疲れ様です」
「じゃあ、帰るか」
「分かりました」

    図書館からバス停までのんびり歩く。その間に二人とも事務連絡を済ませる。仁は家に連絡。賢は研究室に連絡したのかもしれない。

「さて、連絡も済んだし」
「行きましょうか」

    賢の家に行くことになった。2回目だが、緊張する。準備は万端だから、あとは気持ちだけ。分かっていても、緊張が解けるわけでは無かったが、自分の心に言い聞かせて目の前にいる好きな人と一緒にバスに乗った。これから、告白の返事を聞くことになる。心して行かなければ。その想いを胸に秘めて、バスに揺られていた。
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