75 / 107
5章
風呂
しおりを挟む
「ふぅ」
「いい風呂だった気がする」
「湯船がずいぶん汚かった気がするけど使ったことあるの?」
「まぁ、月一回あるかないかってところだ」
「その割には汚かった気がするなぁ」
「う、そんなことないと思う」
普段から風呂場を掃除しないから、少しずつ汚れが取れなくなっているのかもしれないとは思っていたが、指摘されると耳が痛い。二人とも体を拭き、服を着替える。部屋に戻りながら話しかける。
「この前同棲のこといろいろ話をしたけど」
「うん」
「仁が卒業するまではこの部屋にいてもいいかなぁと思ってるよ」
「部屋の契約とか大丈夫なの?」
「まぁ、その辺はなんとかなるよ。次入る人間もいるだろうし」
「大学近いしね」
「そういうことだ」
二人で話をしながら笑顔が溢れる。いつまでも、こんな日常が続けば幸せであることは間違いない。そうできるように俺からも仁にはフォローをしたいところだ。
「そういえば」
「なんだ」
「学祭ってどうなったんだろうね」
「このままだと中止とかあり得るのか?」
「まじかー」
「まぁ、世の中いろいろあるんだよ。学生には関係ないけどさ」
「じゃあ、いつも通り研究室?」
「そうだな、そうなる」
「そっかー」
少しだけつまらなさそうな顔をする。学祭中は授業もない。刺激もなければ面白いこともない。そんな状況で毎日過ごしていても飽きるだけだろう。ご飯も食べて、風呂にも入って、ゆったりとした時間が流れる中でどうするか考える。思いついたことを提案してみる。
「デートにでも行くか」
「デート!行きたい!」
「まぁ、遠出と言わず繁華街にふらふら出かけるくらいだろうけど」
「行こう!」
急に仁のテンションが上がる。最近は行けてなかった。喫茶店で昼ごはんを食べるだけというのはデートとは呼ばぬ。それが賢の見解だった。今からウキウキしている仁を見ながら、賢も嬉しい気持ちになる。
「今日のところはそろそろ寝るか」
「もう22時かぁ。寝よっか」
幸せな時間にも終わりが来る。でも、明日もまた幸せな時間が始まる。そのことを噛みしめながら今日も眠りに落ちる。また明日からも、がんばろう。
「いい風呂だった気がする」
「湯船がずいぶん汚かった気がするけど使ったことあるの?」
「まぁ、月一回あるかないかってところだ」
「その割には汚かった気がするなぁ」
「う、そんなことないと思う」
普段から風呂場を掃除しないから、少しずつ汚れが取れなくなっているのかもしれないとは思っていたが、指摘されると耳が痛い。二人とも体を拭き、服を着替える。部屋に戻りながら話しかける。
「この前同棲のこといろいろ話をしたけど」
「うん」
「仁が卒業するまではこの部屋にいてもいいかなぁと思ってるよ」
「部屋の契約とか大丈夫なの?」
「まぁ、その辺はなんとかなるよ。次入る人間もいるだろうし」
「大学近いしね」
「そういうことだ」
二人で話をしながら笑顔が溢れる。いつまでも、こんな日常が続けば幸せであることは間違いない。そうできるように俺からも仁にはフォローをしたいところだ。
「そういえば」
「なんだ」
「学祭ってどうなったんだろうね」
「このままだと中止とかあり得るのか?」
「まじかー」
「まぁ、世の中いろいろあるんだよ。学生には関係ないけどさ」
「じゃあ、いつも通り研究室?」
「そうだな、そうなる」
「そっかー」
少しだけつまらなさそうな顔をする。学祭中は授業もない。刺激もなければ面白いこともない。そんな状況で毎日過ごしていても飽きるだけだろう。ご飯も食べて、風呂にも入って、ゆったりとした時間が流れる中でどうするか考える。思いついたことを提案してみる。
「デートにでも行くか」
「デート!行きたい!」
「まぁ、遠出と言わず繁華街にふらふら出かけるくらいだろうけど」
「行こう!」
急に仁のテンションが上がる。最近は行けてなかった。喫茶店で昼ごはんを食べるだけというのはデートとは呼ばぬ。それが賢の見解だった。今からウキウキしている仁を見ながら、賢も嬉しい気持ちになる。
「今日のところはそろそろ寝るか」
「もう22時かぁ。寝よっか」
幸せな時間にも終わりが来る。でも、明日もまた幸せな時間が始まる。そのことを噛みしめながら今日も眠りに落ちる。また明日からも、がんばろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる