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7章
散歩
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時計が10時を示した頃、2人で散歩をすることにした。2人とも立ち上がり、特に荷物は持たないまま玄関から外に出る。賢が鍵を閉めた後、閉まっていることを確認してから川沿いに出る。2人で歩きながら、駅の方向へと向かう。2人で歩きながら、ふと思う。
「手を繋いでもいい?」
「ん?おう、いいぞ」
賢の返答を聞いてから、手を繋ぐ。ここ最近はあんまり手を繋いだ記憶がなかった。今ここで手を繋げたことが、嬉しかった。 それが手に込める力に出ていたのか、賢に言われてしまった。
「どうした」
「いや、嬉しくてさ」
「そうか?なら良かった」
その言葉の後で、賢は笑顔になっていた。2人でいろんなことができるという幸せを賢も感じているのだろうか。川沿いを駅の方へと向かいながら歩くと、5分ほどでバス停へと到着した。
いつものバス停だが、学生の姿よりは一般人の姿が多く見えていた。授業もなく、学生もないとなれば平日でもこの姿になるというのはなんとなく分かっていたつもりだったが、いつもと違う光景に違和感を覚えていた。しかし、それも大して興味があるわけでもなくいつもの日常の風景として視界の中を流れていった。
高架になっている線路の下をくぐり、いつもと反対側に出てくる。そこから少し歩けば昨日晩御飯を買ったスーパーがある。そこからさらに行ったところに、神社が見えた。
「あれ、こんなところに神社なんてあるのか」
「そうみたいだ。俺も最近見つけた」
「そうなの?」
「まぁな。なんだなんだでこの辺を歩くことは多いから」
「なるほどね」
「せっかくだし、お参りして行くか」
「賛成!」
なかなか来る機会のない神社。中を見たいという欲もあった。2人で境内に入り、お参りに行く。賽銭箱にお金を入れて、いつも通りのお辞儀。何気ない慣れた行動の一つだったが、こういうものにも宗派は存在するんだろうか、ということをふと考える。しかし、そんな考えはすぐに消え、祈りにも似た願いを込めてお辞儀をする。
一通りの動作が終わったところで、顔を上げて横に避ける。2人の他にもちらほらと参拝者がいた。お参りが終わってからふらふらと中を歩く。特に目を引くようなものもなく、何事もないまま神社を出る。少しずつ昼の時間に近づいてくる。スマートフォンの時計を見て思う。
「今日のお昼は何食べる?」
「何にしようかな」
「家に食べ物ないんだっけ」
「何もなかった気がする」
「カップラーメンでも買って帰る?」
「そうするか」
神社を出てから来た道を引き返して戻る。その途中にあるスーパーに立ち寄り、2人でカップラーメンを買う。仁は塩味、賢は醤油味だった。珍しく無料でもらえたスーパーの袋にカップラーメンを入れて、家へと戻る。午後からは家でもっとゆったりしてもいいかもしれない。朝からゆったりしたことを忘れたわけではない。あの時間があったからこそ、午後からもまた、ゆったりしてもいいと思えるのである。
行きと同じく高架になった線路の下をくぐり、家へと帰る。明日からは大学。今日までで出来ることはできるだけやっておこう。賢と手を繋ぎながら、これからのことを考えながら歩く。しばらく歩けばアパートが見えてきていた。
「そろそろ家だね」
「もうすぐだな」
スーパーで買ったカップ麺の袋を持ちながら家へと帰る。バス停の横を抜けて川沿いに出てから少し歩く。いつも通りの道だった。そして、今はもうすでに賢の家が見えるぐらいの位置にいた。特に会話をすることもなく2人でゆったり歩く。何事もないまま賢の家に着く。
賢が家の鍵を開けて、2人で中に入っていく。部屋に入ってから、荷物を置いて、カップ麺を机の上に置く。朝と同じように2人で座る。少しだけ休憩してから、賢に話しかける。
「俺、なんとなく研究したいこと決まってるんだよ」
「お、そうなのか」
「同性愛について」
「なんかめっちゃ幅広いな。その中の何かとかではないのか?」
「同性の結婚とかになるとは思うんだけど」
「うん」
「日本での歴史とか、そういうのを調べようかなぁって」
「いいんじゃないか?」
「いろいろ聞くかもしれんけど」
「おう、俺も勉強しなきゃな」
「へへへ、ありがとう」
「おうともよ」
「今の日本の現状から少しでも進めば嬉しいなぁって」
「ま、それはそうだな。最後までいければ天下統一したようなもんだ」
「天下統一?」
「同性の結婚に関して国内での理解を推し進めた人間になるだろうし、そういう意味でトップに立つかもしれない。そう思えば天下統一ともとれる」
「な、なるほど?」
「そんなことができるかどうかは今後の俺たちと世論にかかってるんだろうが」
「まぁ、そうだよねー」
「できるためには何をするべきか、考えないとな」
「うん、そうだね」
賢の顔を見ると、その顔は真剣だった。こんな真剣な顔を見たのは初めてかもしれなかった。仁がいうことを馬鹿にせず、本気で考えて行動に移す。そのためにやるべきことをやる、という覚悟の顔だった。そんな顔も少ししたら収まった。何かあったのかと思ったら、賢から話しかけてきた。
「お腹すいたしそろそろご飯食べよう」
「そういえば忘れてた!」
「お湯沸かそっか」
「はーい」
「お湯を入れたらちょっと待ち時間だな」
「そうだねー」
「ゆったりしますか」
「今日はゆったりの日だね」
「そうだな」
二人で笑い合いながら、そんな話をする。これから直面していく現実と向き合っていく。そのためには、まずは賢と向き合う必要がある。これから楽しいことばかりではないだろう。それでも、少しずつ進んで最高の景色を見るために頑張る。今は昼。今日という日は、まだ続く。二人の時間を楽しくするための努力も、頑張っていこうと思う。
「手を繋いでもいい?」
「ん?おう、いいぞ」
賢の返答を聞いてから、手を繋ぐ。ここ最近はあんまり手を繋いだ記憶がなかった。今ここで手を繋げたことが、嬉しかった。 それが手に込める力に出ていたのか、賢に言われてしまった。
「どうした」
「いや、嬉しくてさ」
「そうか?なら良かった」
その言葉の後で、賢は笑顔になっていた。2人でいろんなことができるという幸せを賢も感じているのだろうか。川沿いを駅の方へと向かいながら歩くと、5分ほどでバス停へと到着した。
いつものバス停だが、学生の姿よりは一般人の姿が多く見えていた。授業もなく、学生もないとなれば平日でもこの姿になるというのはなんとなく分かっていたつもりだったが、いつもと違う光景に違和感を覚えていた。しかし、それも大して興味があるわけでもなくいつもの日常の風景として視界の中を流れていった。
高架になっている線路の下をくぐり、いつもと反対側に出てくる。そこから少し歩けば昨日晩御飯を買ったスーパーがある。そこからさらに行ったところに、神社が見えた。
「あれ、こんなところに神社なんてあるのか」
「そうみたいだ。俺も最近見つけた」
「そうなの?」
「まぁな。なんだなんだでこの辺を歩くことは多いから」
「なるほどね」
「せっかくだし、お参りして行くか」
「賛成!」
なかなか来る機会のない神社。中を見たいという欲もあった。2人で境内に入り、お参りに行く。賽銭箱にお金を入れて、いつも通りのお辞儀。何気ない慣れた行動の一つだったが、こういうものにも宗派は存在するんだろうか、ということをふと考える。しかし、そんな考えはすぐに消え、祈りにも似た願いを込めてお辞儀をする。
一通りの動作が終わったところで、顔を上げて横に避ける。2人の他にもちらほらと参拝者がいた。お参りが終わってからふらふらと中を歩く。特に目を引くようなものもなく、何事もないまま神社を出る。少しずつ昼の時間に近づいてくる。スマートフォンの時計を見て思う。
「今日のお昼は何食べる?」
「何にしようかな」
「家に食べ物ないんだっけ」
「何もなかった気がする」
「カップラーメンでも買って帰る?」
「そうするか」
神社を出てから来た道を引き返して戻る。その途中にあるスーパーに立ち寄り、2人でカップラーメンを買う。仁は塩味、賢は醤油味だった。珍しく無料でもらえたスーパーの袋にカップラーメンを入れて、家へと戻る。午後からは家でもっとゆったりしてもいいかもしれない。朝からゆったりしたことを忘れたわけではない。あの時間があったからこそ、午後からもまた、ゆったりしてもいいと思えるのである。
行きと同じく高架になった線路の下をくぐり、家へと帰る。明日からは大学。今日までで出来ることはできるだけやっておこう。賢と手を繋ぎながら、これからのことを考えながら歩く。しばらく歩けばアパートが見えてきていた。
「そろそろ家だね」
「もうすぐだな」
スーパーで買ったカップ麺の袋を持ちながら家へと帰る。バス停の横を抜けて川沿いに出てから少し歩く。いつも通りの道だった。そして、今はもうすでに賢の家が見えるぐらいの位置にいた。特に会話をすることもなく2人でゆったり歩く。何事もないまま賢の家に着く。
賢が家の鍵を開けて、2人で中に入っていく。部屋に入ってから、荷物を置いて、カップ麺を机の上に置く。朝と同じように2人で座る。少しだけ休憩してから、賢に話しかける。
「俺、なんとなく研究したいこと決まってるんだよ」
「お、そうなのか」
「同性愛について」
「なんかめっちゃ幅広いな。その中の何かとかではないのか?」
「同性の結婚とかになるとは思うんだけど」
「うん」
「日本での歴史とか、そういうのを調べようかなぁって」
「いいんじゃないか?」
「いろいろ聞くかもしれんけど」
「おう、俺も勉強しなきゃな」
「へへへ、ありがとう」
「おうともよ」
「今の日本の現状から少しでも進めば嬉しいなぁって」
「ま、それはそうだな。最後までいければ天下統一したようなもんだ」
「天下統一?」
「同性の結婚に関して国内での理解を推し進めた人間になるだろうし、そういう意味でトップに立つかもしれない。そう思えば天下統一ともとれる」
「な、なるほど?」
「そんなことができるかどうかは今後の俺たちと世論にかかってるんだろうが」
「まぁ、そうだよねー」
「できるためには何をするべきか、考えないとな」
「うん、そうだね」
賢の顔を見ると、その顔は真剣だった。こんな真剣な顔を見たのは初めてかもしれなかった。仁がいうことを馬鹿にせず、本気で考えて行動に移す。そのためにやるべきことをやる、という覚悟の顔だった。そんな顔も少ししたら収まった。何かあったのかと思ったら、賢から話しかけてきた。
「お腹すいたしそろそろご飯食べよう」
「そういえば忘れてた!」
「お湯沸かそっか」
「はーい」
「お湯を入れたらちょっと待ち時間だな」
「そうだねー」
「ゆったりしますか」
「今日はゆったりの日だね」
「そうだな」
二人で笑い合いながら、そんな話をする。これから直面していく現実と向き合っていく。そのためには、まずは賢と向き合う必要がある。これから楽しいことばかりではないだろう。それでも、少しずつ進んで最高の景色を見るために頑張る。今は昼。今日という日は、まだ続く。二人の時間を楽しくするための努力も、頑張っていこうと思う。
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