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28話
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肉と野菜の炒め物を作った後は、部屋に戻る。冬子さんはスマートフォンを見ていた。
「あとはご飯が炊けるのを待つだけですね」
「ありがとうございます」
「特に変わり映えのないもので申し訳ありません」
「大丈夫です」
相変わらず冬子さんの真意は見えてこない。それでも、今ここにいる以上はコミュニケーションをとって、最善の策を考える必要がある。そのために必要な情報は集め続けなければいけなかった。
しかし、そこから会話が発生することはなく、米が炊けるための時間は2人ともスマートフォンを見ていた。
自分にとっては聞き慣れた音が廊下から聞こえてくる。米が炊けた音だった。
「じゃあ、ご飯持ってきますね」
「ありがとうございます」
白米を茶碗に注いで、作ったおかずを別々に皿に盛って、1人分ずつ部屋へと運ぶ。冬子さんは食卓と化している机に向き合っていた。
2人分の夕食が揃ったところで、食べることにした。
「いただきます」
「いただきます」
いつもは自分の声しか響いていなかった夕食で、誰かの声が聞こえてくる。それは先週の金曜日にも確実に存在する記憶のはずで、初めてではないはずなのに、初めてのように嬉しかった。
「どうですか、味」
「美味しいですよ」
「味が薄いとか濃いとか、そういうのがあったら教えてください」
「大体みんなこれくらいだと思います。分からないですけど」
「なるほど」
最近の料理は味付けが適当だった分、なんとか適正に戻せるだけの味覚が残っていたのはラッキーだった。自分で食べてみても特に変な味だと感じることはない。これからはこれが標準に変わるかもしれない。
2人で黙々と夕食を食べすすめていると、冬子さんが唐突に話し出した。
「今週の土日、暇ですか?」
「まぁ、土日はずっと暇ですよ」
「私の家の荷造り、手伝ってくれますか?」
「え?えぇ、まぁ。冬子さんがいいなら行けますけど」
「よろしくお願いします」
一人暮らしの女性の部屋に入っていくこと自体に抵抗はあるのだが、今現在同居している女性に言われてしまうと断るのも難しい。荷造りというのがおそらく引越しと退去であることは予想がついたので、大人しく着いていくことが今後をより円滑に進める必須条件になるだろうというのもあった。
その会話の後は2人とも夕食を食べ進め、少ししてから食べ終わる。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」
「あ、食器は持っていきますよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
食べ終わってからなになった食器を流し台へと持っていく。2人分の食器は、当たり前のことながらいつもより流し台を占領する。そのことは一旦考えないことにして、部屋に戻る。
部屋に戻ると、冬子さんはスマートフォンを見ていた。
「すいません、テレビ置いてなくて」
「私もテレビ見てなかったんで問題ないです」
そっけなく返事をする冬子さんだったが、顔はこっちに向いていた。相変わらず真意は読めない。
「私、先にお風呂入っていいですか?」
「問題ないですよ」
「ありがとうございます」
冬子さんが能動的に動くのが珍しいな、なんてことを考えているうちに彼女は服を脱ぎ始める。相変わらずそれは見えないところでやって欲しいところだが、特に実害はないのでなにも言わないことにした。
冬子さんがお風呂に入ったのを確認してから、明日のことをぼんやり考える。明日もまた労働。今後の展望を考えながらのんびり過ごせる時間だと思うことにして、明日も頑張ろう。
「あとはご飯が炊けるのを待つだけですね」
「ありがとうございます」
「特に変わり映えのないもので申し訳ありません」
「大丈夫です」
相変わらず冬子さんの真意は見えてこない。それでも、今ここにいる以上はコミュニケーションをとって、最善の策を考える必要がある。そのために必要な情報は集め続けなければいけなかった。
しかし、そこから会話が発生することはなく、米が炊けるための時間は2人ともスマートフォンを見ていた。
自分にとっては聞き慣れた音が廊下から聞こえてくる。米が炊けた音だった。
「じゃあ、ご飯持ってきますね」
「ありがとうございます」
白米を茶碗に注いで、作ったおかずを別々に皿に盛って、1人分ずつ部屋へと運ぶ。冬子さんは食卓と化している机に向き合っていた。
2人分の夕食が揃ったところで、食べることにした。
「いただきます」
「いただきます」
いつもは自分の声しか響いていなかった夕食で、誰かの声が聞こえてくる。それは先週の金曜日にも確実に存在する記憶のはずで、初めてではないはずなのに、初めてのように嬉しかった。
「どうですか、味」
「美味しいですよ」
「味が薄いとか濃いとか、そういうのがあったら教えてください」
「大体みんなこれくらいだと思います。分からないですけど」
「なるほど」
最近の料理は味付けが適当だった分、なんとか適正に戻せるだけの味覚が残っていたのはラッキーだった。自分で食べてみても特に変な味だと感じることはない。これからはこれが標準に変わるかもしれない。
2人で黙々と夕食を食べすすめていると、冬子さんが唐突に話し出した。
「今週の土日、暇ですか?」
「まぁ、土日はずっと暇ですよ」
「私の家の荷造り、手伝ってくれますか?」
「え?えぇ、まぁ。冬子さんがいいなら行けますけど」
「よろしくお願いします」
一人暮らしの女性の部屋に入っていくこと自体に抵抗はあるのだが、今現在同居している女性に言われてしまうと断るのも難しい。荷造りというのがおそらく引越しと退去であることは予想がついたので、大人しく着いていくことが今後をより円滑に進める必須条件になるだろうというのもあった。
その会話の後は2人とも夕食を食べ進め、少ししてから食べ終わる。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」
「あ、食器は持っていきますよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
食べ終わってからなになった食器を流し台へと持っていく。2人分の食器は、当たり前のことながらいつもより流し台を占領する。そのことは一旦考えないことにして、部屋に戻る。
部屋に戻ると、冬子さんはスマートフォンを見ていた。
「すいません、テレビ置いてなくて」
「私もテレビ見てなかったんで問題ないです」
そっけなく返事をする冬子さんだったが、顔はこっちに向いていた。相変わらず真意は読めない。
「私、先にお風呂入っていいですか?」
「問題ないですよ」
「ありがとうございます」
冬子さんが能動的に動くのが珍しいな、なんてことを考えているうちに彼女は服を脱ぎ始める。相変わらずそれは見えないところでやって欲しいところだが、特に実害はないのでなにも言わないことにした。
冬子さんがお風呂に入ったのを確認してから、明日のことをぼんやり考える。明日もまた労働。今後の展望を考えながらのんびり過ごせる時間だと思うことにして、明日も頑張ろう。
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