明太子

ぽよ

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交わり

4話

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 目が覚めると、目の前に先輩がいた。腕枕もされたままだった。

「莉子ちゃん、おはよう」
「おはようございます」
「あ、先輩も起きたんですね。おはようございます」
「由佳も起きてたんだ」
「ついさっき起きたばっかりですけどね」

 莉子もよりも先に先輩も後輩も起きていた。3人とも起きたところで、朝の準備に取り掛かった。
 3人の準備が終わったのは朝の10時を過ぎた頃だった。今回は全員用意周到で、着替えを持ってきていた。部屋で座ってのんびりしているところで、ふと思ったことがあった。

「そういえば今日って何するんですか?」
「特に予定はないけど、せっかくだし買い物でもする?」
「あ、それいいですね」

 何も決まってなかった休日に予定が入る。最近の莉子の私生活を思えば悪くなかった。先輩のことを考え、何をすればいいか分からず無意に過ごした数ヶ月間の土曜日。先輩が間近にいるこの環境で出かけてみるというのも悪くない。
 朝の10時になるまで三人とものんびりしていたが、いよいよ動き出すらしい。

「そろそろ行きましょうか」
「あ、そういえばどこ行くんですか?」
「駅前のあそこ」
「なるほど」
「あ、私あそこに通ってますよ」
「通がいた」

 決まれば行動は早かった。戸締まりをしてから家を出て鍵を閉める。いつもとは違うわいわいとした空気感で駅へと向かう。駅に着いて改札を抜けると、次の電車はすでに到着していた。

「これに乗りましょうか」
「了解です」
「はーい」

 電車に乗り込んで会社の最寄駅に向かう。駅前といえば会社の最寄駅の前だった。三人で出かけるというのも中々ない。今回が初のような気さえする。再会する前の由佳とはそこそこの付き合いがあり、先輩とも仕事場では毎日顔を合わせている。由佳と再会したのがつい最近ということもあるが、それでも三人で出かけたことがほとんどないのは不思議な感覚だった。
 駅に着いて電車から降りる。昨日も見た景色。休日にこの景色を見ないわけじゃないが、土曜日となると出勤かと勘違いしてしまいそうになる時がある。
 三人で改札を抜けてショッピングモールへと歩く。普段どちらかとは歩いているが、やはり三人で歩くと言うのは少し新鮮な気がした。

「涼しい」
「さすがのショッピングモール」
「もう夏ですねえ」

 ショッピングモールの中はそこそこの混み具合だった。1階には食品、2階には服。3階には服と雑貨とゲームセンター。よくあるタイプのショッピングモールだった。
 三人とも無言で3階に上がる。今は食べ物には興味がなかった。土曜日の昼前とだけあって混んでいた。イベントがある日はもっと混むのだろう。三人で入った服屋はユニクロだった。

「結局ここが楽だよね」
「色さえあれば後はなんとかなりますからね」

 三人とも常にユニクロを着て過ごしているわけではないが、オシャレをしなくていい時はユニクロを着ることが多い。莉子もそうだった。仕事の時などは特におしゃれする理由もない。今日も三人はラフな格好だった。
 店内を一通り見て回り、これからの夏に向けた良い服を探す。三人とも一通り見て回っても、今欲しい服は見つからなかった。

「うーん、なんか微妙ね」
「先輩も無難な服を着る方ですか?」
「まぁ、どちらかと言えばそうよ。仕事の時なんかは特に」
「確かに、言われてみればそうですね」

 先輩と話をしながらうろうろする。その話の切れ目に後輩が話しかけてきた。

「でも先輩も普段見る服装は割と無難な服ですよね」
「まぁダサい服は着られないわよ。流石にこの歳になるとね」
「まぁそれはそうですけど」

 この歳になって流石にみっともない服装で外に出れるような人間ではなかった。しかし、オシャレな服装をするわけでもない。最低限の服装ができていれば問題ない。そう思っていた。

「小倉君とデートするなら、もうちょっとオシャレになっても良いんじゃないかしら」
「そうですかね」
「望月さんとデートするときももうちょっとオシャレでもいいと思います」
「あの人はちょっと」

 小倉はともかく望月はなんとかして回避したい。回避することが今後の人生を考えた時にいいことなのか悪いことなのかは分からないが、とりあえず今は回避したい。そんな気持ちが過っていた。
 三人でふらふらとショッピングモールを回る。今は先輩とデートする服を考えたかったが、そういう訳にもいかなさそうだった。
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