世界で一番遠い場所 Rev.1

ぽよ

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エピローグ

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 高杉と別れて、引っ越してから1ヶ月が経過した。同棲していた高杉の部屋から少しだけ会社に近い場所に引っ越すことになり、少しだけなら夜更かししても朝に響かない。そんな環境での一人暮らしがスタートした。
 今日もいつも通り仕事をする。大量の書類を処理しながらひと段落つきそうなところでチャイムが鳴った。誘われて先輩と一緒に昼食を食べる。ここ最近はずっと先輩と食べている。色んな話を聞いてもらったり聞いたりしている。

「しかしまぁ、梨咲ちゃんも踏み切ったわね」
「えぇ、まぁ。これ以上ズルズルいくのは嫌だったんです」
「偉いわ。次の恋はする予定あるの?」
「うーん。どうでしょう。まぁ、多分」

 お世辞気も広いとは言いがたい食堂で、苦笑しながら先輩の質問に答える。次の恋なんてものがあるのかどうかすらまだ分からない。そんな話をしながら、昼食は進んでいく。

「そういえば先輩も彼氏いますよね。どんな感じですか?」
「私?私は普通よ。可もなく不可もなくって感じ。梨沙ちゃんの話聞いちゃったからちょっと怖いけど」
「あはは。まぁ、そうですよね」
「頑張るしかないんでしょうけれど」
「そうですねえ」

 先輩の彼氏の話も聞く。梨咲自身が同棲中の彼氏と別れ、事実上の婚約破棄になったということを受けて、色々考えるところがあるようだ。そんな時に、梨咲の口から言葉が零れ落ちていた。

「私、思うんですよね」
「何、どうしたの」
「私、彼のことは本気で好きでした。でも、その思いはどうやっても届いてなかったんだと思います。私、世界で彼にこの世で一番近い存在だったはずなのに、心は一番遠い場所にあったんですよ」
「まぁ、彼氏にもいろいろあったでしょうし、結婚っていうのは難しいわよ。まだ私もしてないけど」

 先輩は苦笑しながら梨咲自身も考えていたことを話す。しかし、一緒にいたからこそ話すこともできたはず。遠距離でもなければ近距離ですらない。同棲という環境にいた。だからこそ、そう思わずにはいられなかった。梨咲自身の気持ちには整理がついているつもりだ。しかし、これからどうするかというのは何一つ決まっていない。将来のことをぼんやり考え始めたところで、チャイムが鳴る。

「あら、もう休憩終わりだわ。行きましょうか」
「えぇ、午後も頑張りましょう」

 またここから、梨咲の新しい生活がスタートする。次の恋は、どんな形になるのか。相手の心に寄り添うことができるのか。それを考えながら午後の仕事へと向かっていった。
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