世界で一番遠い場所 Rev.1

ぽよ

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ファミレス

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 朝に乗った電車にもう一度乗る。そして帰路へと着く。今日の朝見た景色が空の色を変えて映っていた。2人で電車に揺られている。少しだけ疲労感があるが、それが辛いわけではない。

「デート、楽しかったね」
「いろんなものが見れたね」
「やっぱり私たちにはこういうデートが似合ってる」
「それは俺も思うよ」
「これからも、よろしくね」
「うん」

 そこまで言い切ったところで2人とも照れてしまい、会話が途切れる。しばし無言のまま電車に揺られて、気がつけば降りる駅だった。2人で降りて、梨咲が話しかけた。

「どこのファミレスにいこっか」
「うーん、悩む。悩むけど、いつものところに行く?」
「あそこか。あそこにしようか」
「決まり!」

 いつも行くファミレスとはイタリア料理のチェーン店である。早くて安くて安定した味でしっかり美味しいのである。この時間だと混んでいる可能性もあるが、それでも決めたものは仕方ない。ドアを開けると上りの階段。それを登ってから少し歩くと店の中だった。案外店の中は空いていたようで、名前を書く前に店の中に通された。しかし騒がしくないわけではなく、いろんなところで話し声が聞こえてくる。そして、その中に2人も入っていく。

「なんだかんだでいつも通りのデートだった気がする」
「そうだね。でもいいんだよ。楽しかったんだから」
「うん、そうだよね。楽しかったなら良かった」

 高杉は緊張していたようだ。梨咲はいつも通りのデートをしていたつもりだが、高杉は何か違うことを考えていたのかもしれない。前に梨咲が特別なものを求めていたような感じだろうか。今日のデートの話をする。そしてこれからの二人の道のりの話をしながら食べるものを決める。そして2人とも決まったところで注文する。梨咲はカルボナーラで高杉はドリア。いつも通りのメニューだった。注文してしばらくはさっきの話の続きになった。
 今日が大学生活最後のデートになるだろう。次はきっと社会人になってからだ。その時には今とはまた違うことをしているかもしれない。
 そんなことを考えている間に料理が運ばれてきて、2人で手を合わせて食べ始める。幸せなデートはこうして幕を閉じていく。しかし、2人の夢の時間はこれからも続いていく。梨咲はこれからの人生の楽しみをあれこれ考えながら、デートを心から楽しんでいた。
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