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アゼリアは、どこ?
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「そうか、ここ一ヶ月奥様が時々部屋に籠もられたのは。」
「病気ではなかったんだな。」
「ある意味、ご病気ですわ。」
「恋の病です、おいたわしい。」
(違うわ、マウントの為よ!! )
侍女や使用人達は、この頃部屋に籠もっていた理由を知り辛そうにマーガレットを見る。
「ずっと悩んでおられたのですね。」
「旦那様と、愛する人の間で。」
「それでもお綺麗なられたのは、その方を愛してるからこそですわ。」
(違うから!! 違うのよね? お母様。)
使用人達の言葉に少し不安になって母を見るローズ。マーガレットは放心状態である。
「今までそのことに気付かす申し訳ありません、奥様。」
「愛する人と旦那様との板挟みか、辛かったにちがいない。」
「ローズ様も、ここ一週間支えて差し上げていたのですね。」
「なんと、お優しい。」
(違うから!! 勝手に思い違いしないで!! )
「そんな大事な時に…… お姉さま呼びしてしてごめんなさいローズ様。」
「ローズ、家族崩壊の危機にリラさん仲良くしたほうがいいなんて言ってごめんなさい。」
「そんな余裕、なかったのね。」
(違うから、全然違う!! )
リラやローズの友達は、すまなそうに謝った。
「ローズ気づいてあげられなくって、駄目な婚約者でごめん。」
「スコット様…… 」
(違うの、確かにお父様とお母様の離婚の危機だったけど!! )
『誤解だったの!! 』『勘違いしていたの!! 』とローズは叫びたかったが、プライドがそれを許さなかった。
「レムス… あなたには悪いけど、私はマーガレット様を応援するわ。」
「そうだな、俺達は『愛』を駆け落ちした者だからな。」
リンダとジークベルトは、マーガレットを応援すると頷いた。
(そこは止めてよ、叔母様!! )
「でも、祝福されない婚姻は辛いわ……… 」
「そうだな、今の生活を捨てなくてはならない。」
リンダとジークベルトは手を繋ぎあった。総てを捨てて、一から始めるのは並大抵ではなかった。
「それは、大丈夫だ。」
レムスは放心しているマーガレットに優しく、話しかけた。
「相手は爵位持ちか? それならば私と離婚して、君の兄としてマーガレットをこの家から送り出そう。……フッ、一度も兄と呼ばれたことはなかったが。」
ライラック家に養子に入ってから五年、マーガレットに一度も兄として認めてもらえなかったと昔を振り返りレムスは哀しく呟いた。
そして、マーガレットが学校を卒業する前日に、義父に彼女との結婚を打診された。マーガレットを護りたいと思っていたレムスは、婚姻に頷いた。
「爵位持ちで無ければ…… その者はライラック家へと婿入して貰うことになっている。私は子爵の地位をもらい、兄として支える契約だった。」
(何それ、全然聞いてないんですけど!! )
レムスは淡々と、自分がライラック家に養子に入った時の契約内容を話した。
「好きな人が出来ると来ると思っていた。」
(お父様!! お母様を見て察して、全然喜んでないわ!! )
ローズは察しろと心の中で叫ぶ。
「……… 」
(お母様、何か言って!! 言わなきゃ気持ちは、伝わらないわよ!! )
先程と別の事を思う。
察してくれと言いながら、察せなかった自分の時は言ってくれないとわからないと言う。
これが、永遠のテーマ。察してよ問題と言ってくれないと分かんない問題である。
(『収集・確認よ』!! )
ローズの頭に、不意に言葉が浮かんだ。それはセバスチャンが、ローズに頼んだフォローの合言葉であった。だが、真剣に聞いていなかった。
(ぶっちゃけお父様の事を好きか確認だけとって、お父様!! )
ローズの心の中絶叫は止まらない。
(お母様、何か言って!! このままでは好きな人がいると思われて、離婚されちゃうわ!! )
「ア、アゼリア…… アゼリアはどこ!? 」
ローズの口から弟の名前がほとばしる、苦しい時のアゼリア頼みである。
『僕、いないよ。』
深刻な話になるとアンナにその場から離され、部屋に戻ったアゼリアはベッドの上で眠っていた。
「病気ではなかったんだな。」
「ある意味、ご病気ですわ。」
「恋の病です、おいたわしい。」
(違うわ、マウントの為よ!! )
侍女や使用人達は、この頃部屋に籠もっていた理由を知り辛そうにマーガレットを見る。
「ずっと悩んでおられたのですね。」
「旦那様と、愛する人の間で。」
「それでもお綺麗なられたのは、その方を愛してるからこそですわ。」
(違うから!! 違うのよね? お母様。)
使用人達の言葉に少し不安になって母を見るローズ。マーガレットは放心状態である。
「今までそのことに気付かす申し訳ありません、奥様。」
「愛する人と旦那様との板挟みか、辛かったにちがいない。」
「ローズ様も、ここ一週間支えて差し上げていたのですね。」
「なんと、お優しい。」
(違うから!! 勝手に思い違いしないで!! )
「そんな大事な時に…… お姉さま呼びしてしてごめんなさいローズ様。」
「ローズ、家族崩壊の危機にリラさん仲良くしたほうがいいなんて言ってごめんなさい。」
「そんな余裕、なかったのね。」
(違うから、全然違う!! )
リラやローズの友達は、すまなそうに謝った。
「ローズ気づいてあげられなくって、駄目な婚約者でごめん。」
「スコット様…… 」
(違うの、確かにお父様とお母様の離婚の危機だったけど!! )
『誤解だったの!! 』『勘違いしていたの!! 』とローズは叫びたかったが、プライドがそれを許さなかった。
「レムス… あなたには悪いけど、私はマーガレット様を応援するわ。」
「そうだな、俺達は『愛』を駆け落ちした者だからな。」
リンダとジークベルトは、マーガレットを応援すると頷いた。
(そこは止めてよ、叔母様!! )
「でも、祝福されない婚姻は辛いわ……… 」
「そうだな、今の生活を捨てなくてはならない。」
リンダとジークベルトは手を繋ぎあった。総てを捨てて、一から始めるのは並大抵ではなかった。
「それは、大丈夫だ。」
レムスは放心しているマーガレットに優しく、話しかけた。
「相手は爵位持ちか? それならば私と離婚して、君の兄としてマーガレットをこの家から送り出そう。……フッ、一度も兄と呼ばれたことはなかったが。」
ライラック家に養子に入ってから五年、マーガレットに一度も兄として認めてもらえなかったと昔を振り返りレムスは哀しく呟いた。
そして、マーガレットが学校を卒業する前日に、義父に彼女との結婚を打診された。マーガレットを護りたいと思っていたレムスは、婚姻に頷いた。
「爵位持ちで無ければ…… その者はライラック家へと婿入して貰うことになっている。私は子爵の地位をもらい、兄として支える契約だった。」
(何それ、全然聞いてないんですけど!! )
レムスは淡々と、自分がライラック家に養子に入った時の契約内容を話した。
「好きな人が出来ると来ると思っていた。」
(お父様!! お母様を見て察して、全然喜んでないわ!! )
ローズは察しろと心の中で叫ぶ。
「……… 」
(お母様、何か言って!! 言わなきゃ気持ちは、伝わらないわよ!! )
先程と別の事を思う。
察してくれと言いながら、察せなかった自分の時は言ってくれないとわからないと言う。
これが、永遠のテーマ。察してよ問題と言ってくれないと分かんない問題である。
(『収集・確認よ』!! )
ローズの頭に、不意に言葉が浮かんだ。それはセバスチャンが、ローズに頼んだフォローの合言葉であった。だが、真剣に聞いていなかった。
(ぶっちゃけお父様の事を好きか確認だけとって、お父様!! )
ローズの心の中絶叫は止まらない。
(お母様、何か言って!! このままでは好きな人がいると思われて、離婚されちゃうわ!! )
「ア、アゼリア…… アゼリアはどこ!? 」
ローズの口から弟の名前がほとばしる、苦しい時のアゼリア頼みである。
『僕、いないよ。』
深刻な話になるとアンナにその場から離され、部屋に戻ったアゼリアはベッドの上で眠っていた。
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