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馬鹿旦那。
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時に執事は、職場を守るために頭を挿げ替える時がある。
親バカをマーガレットから引き離す為に、前執事長と共に最善を尽くし引き離しに成功した。
蝶よ花よと甘やかすバカ親や使用人達を引き連れ、前執事は領地内に隠居した。
(大親バカと離れれば、少しは成長すると思いましたが…… )
今までフォローを入れて来たセバスチャンが、たった一ヶ月留守にしただけで馬脚を現すとは彼も思ってもいなかった。本当はたった一週間だが。
(成長は見えないですし、新たなローズを作るとは。)
執事目を閉じた、ここは冷静に対処しなければと息を吐く。
「それでは旦那様、離婚の手続きを。」
「ここは、止めるところでしょう!! 」
(((ここは、止めるところでしょう!? )))
マーガレットと使用人達の心の声が被った。
「何故ですか? マーガレット様が望んだことでしょう。」
「ああ、そうだ…… マーガレットが望んだ事だ…… 」
冷たい目でマーガレットを見るセバスチャンと、しおしおと萎れているレムスは言った。
「思い通りにならないから、もう旦那様はいいらないのでしょう。」
「ち、違うわ!! 」
マーガレットは声を張り上げた。そして、周りに助けを求めリンダを目に入れた。
「そう、リンダさんが悪いのよ。リンダさんが、私の居場所を奪ったから。」
「自ら引き籠もっていたのに居場所もないでしょう。今更のように甘やかせて下さるのは、レムス様しかおりません。」
今更なら馬鹿親や子供の頃からの使用人が、部屋に訪れ世話を焼いてくれていた。だが今は、その馬鹿親共々領内に追い出している。そして今は良く出来た女主人として、使用人達は本性を知らずにマーガレットに使えている。
「私がいるのに、女主人のように指示をだしてたのよ。」
「指示ですか。」
執事はリンダに目をやった。
「ごめんなさい、私は引っ越しで忙しかったので本当はレムスがやってたわ。」
リンダは朝食を済ますとマーガレットの部屋の前で挨拶をして直ぐに出かけていた。夕方に戻ってきて、レムスにお小言言って疲れて眠っていた。
家の事はレムスが出かける前に使用人達に指示を出していた。何時もなら執事のセバスチャンの仕事であったが彼は不在でありレムスが指示を出す。それはセバスチャンがいない間はそれで通っていた。
最初の時良かれと思って言ったリンダの『私に任せて、休んでね。』社交辞令の言葉が、マーガレットには自分の居場所を奪った事になっていた。
「何時もと変わりありませんね。」
溜息ながら、執事は冷たい目でマーガレットを見る。
「旦那様が家の運営を考え、私がそれに添って指示を出す。マーガレット様は、女主人として何かなさってましたか? 」
(((えっ、旦那様が? )))
領地の管理から屋敷の家政に財産管理、運営の総てをレムスがやっていた。指示を出すのは執事であった為、使用人達は家政は奥様が管理していると思っていた。
「ああ、確かにお嬢様はお茶会やパーティー等の模様しものの企画は喜々としてやっておりましたが、経理関係は旦那様がやってましたよね。」
飾り付けやお菓子等の注文はやっていたが、支払い等の管理はレムスに丸投げをしていた。
「まさかサプライズパーティーを、企画したことを女主人の仕事を取られたと言っておられるのですか? 」
(((そうです。奥様がやったら、サプライズパーティーになりません。)))
「女主人として名乗りたかったら、それなりの仕事をしてくださいお嬢様。経理は必須いです。」
冷たい声で、圧をマーガレットにかけた。
「セバスチャン。マーガレットは計算が苦手なんだ、だから。」
「あなた~ 」
マーガレットは庇ってくれるレムスに嬉しそうに縋り付いた。
「黙れ、馬鹿旦那。お嬢様を甘やかさないで頂きたい。」
親バカをマーガレットから引き離す為に、前執事長と共に最善を尽くし引き離しに成功した。
蝶よ花よと甘やかすバカ親や使用人達を引き連れ、前執事は領地内に隠居した。
(大親バカと離れれば、少しは成長すると思いましたが…… )
今までフォローを入れて来たセバスチャンが、たった一ヶ月留守にしただけで馬脚を現すとは彼も思ってもいなかった。本当はたった一週間だが。
(成長は見えないですし、新たなローズを作るとは。)
執事目を閉じた、ここは冷静に対処しなければと息を吐く。
「それでは旦那様、離婚の手続きを。」
「ここは、止めるところでしょう!! 」
(((ここは、止めるところでしょう!? )))
マーガレットと使用人達の心の声が被った。
「何故ですか? マーガレット様が望んだことでしょう。」
「ああ、そうだ…… マーガレットが望んだ事だ…… 」
冷たい目でマーガレットを見るセバスチャンと、しおしおと萎れているレムスは言った。
「思い通りにならないから、もう旦那様はいいらないのでしょう。」
「ち、違うわ!! 」
マーガレットは声を張り上げた。そして、周りに助けを求めリンダを目に入れた。
「そう、リンダさんが悪いのよ。リンダさんが、私の居場所を奪ったから。」
「自ら引き籠もっていたのに居場所もないでしょう。今更のように甘やかせて下さるのは、レムス様しかおりません。」
今更なら馬鹿親や子供の頃からの使用人が、部屋に訪れ世話を焼いてくれていた。だが今は、その馬鹿親共々領内に追い出している。そして今は良く出来た女主人として、使用人達は本性を知らずにマーガレットに使えている。
「私がいるのに、女主人のように指示をだしてたのよ。」
「指示ですか。」
執事はリンダに目をやった。
「ごめんなさい、私は引っ越しで忙しかったので本当はレムスがやってたわ。」
リンダは朝食を済ますとマーガレットの部屋の前で挨拶をして直ぐに出かけていた。夕方に戻ってきて、レムスにお小言言って疲れて眠っていた。
家の事はレムスが出かける前に使用人達に指示を出していた。何時もなら執事のセバスチャンの仕事であったが彼は不在でありレムスが指示を出す。それはセバスチャンがいない間はそれで通っていた。
最初の時良かれと思って言ったリンダの『私に任せて、休んでね。』社交辞令の言葉が、マーガレットには自分の居場所を奪った事になっていた。
「何時もと変わりありませんね。」
溜息ながら、執事は冷たい目でマーガレットを見る。
「旦那様が家の運営を考え、私がそれに添って指示を出す。マーガレット様は、女主人として何かなさってましたか? 」
(((えっ、旦那様が? )))
領地の管理から屋敷の家政に財産管理、運営の総てをレムスがやっていた。指示を出すのは執事であった為、使用人達は家政は奥様が管理していると思っていた。
「ああ、確かにお嬢様はお茶会やパーティー等の模様しものの企画は喜々としてやっておりましたが、経理関係は旦那様がやってましたよね。」
飾り付けやお菓子等の注文はやっていたが、支払い等の管理はレムスに丸投げをしていた。
「まさかサプライズパーティーを、企画したことを女主人の仕事を取られたと言っておられるのですか? 」
(((そうです。奥様がやったら、サプライズパーティーになりません。)))
「女主人として名乗りたかったら、それなりの仕事をしてくださいお嬢様。経理は必須いです。」
冷たい声で、圧をマーガレットにかけた。
「セバスチャン。マーガレットは計算が苦手なんだ、だから。」
「あなた~ 」
マーガレットは庇ってくれるレムスに嬉しそうに縋り付いた。
「黙れ、馬鹿旦那。お嬢様を甘やかさないで頂きたい。」
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