聖女無双。

❄️冬は つとめて

文字の大きさ
10 / 11
聖女召喚

聖女無双。(ぱーとふぁいぶ)

しおりを挟む

「キレたわ。」

少女を抱きしめ、アイシアは呟いた。

「久々に、。」

優しく少女達を抱きしめ、回復魔法を施す。いつの間にかアイシアの腕の中には、離れていたもう一人の少女も抱きしめられていた。

アイシアは軽く転移魔法を使ったのだ。

「帰りたい、帰りたいよ…… 」
「お母さん、お父さん…… 」
アイシアの腕の中で泣きながら呟く少女二人。

「分かったわ。此処で待っていてね。」
アイシアの優しい声。

無理やり知らない異世界に召喚され、拘束され蔑まれ使い潰されていた少女達の心に優しくアイシアの声が染み込む。

この世界に来て、温かさと安らぎを二人の少女は初めて感じていた。

「少し待っててね。」
少女二人はその場で、眠るように目を閉じた。

アイシアは二人を放すと、すくっと立ち上がった。

可愛らしかったアイシアのその表情は凍てついた氷のように変わっていた、冷たい眼差しをその場にいる者達に向ける。

意識が、ゾッとする。
意識だけではない、体も何故だがゾクッとする。

ピキピキと、床がうっすらと冷気を孕んで凍っている。

アイシアは一歩前に出た。
ピキッと、冷気で1℃下がる。

「き、貴様!! 儂に逆らうのか!! 天罰が下るぞ!! 」
叫ぶ王。

「コレ? 」
アイシアが手を首の拘束具に触れると、ソレは霧のように霧散した。それと同時に、黒髪の少女二人の拘束具も霧散する。

アイシアはもう一歩、前に出る。

「な、何をしている!! 捕まえろ!! 」

王の声に、アイシアの圧力に屈していた騎士達が動き出す。

脅しの為に剣を抜いて、アイシアに向ける。普通の令嬢なら、青ざめ震えその場に

だがアイシアは恐れることなく、一歩前に出る。

「ひと~つ、異世界の若者を誘拐する奪う。」

アイシアは囲んでくる騎士達を払うように右手を振るった。

ペキペキと、騎士達の剣と足元から体が凍りつく。 
動けなくなる騎士達を見て、驚愕する王と周りの貴族達。

『聖女』ができることは、魔の浄化と回復と結界魔法のはずであった。攻撃魔法が使えるなど聞いたことがない。だからこそ、黒髪の聖女は抗うことなく捕まり搾取され続けていたのだ。

だがアイシアは全魔法を使える、超TUEEEEEE強えーーーえ万能聖女であった。

アイシアは凍った騎士の間を縫って、王に歩み寄る。
 
「な、何をしている!! こ、殺せ!! 殺してしまえ!! 」

王は近くにいる近衛騎士や魔法師に命令をする。アイシアから王を守るように、近衛騎士は立ちはだかった。


「ふた~つ、不埒な拘束・搾取悪行三昧。」

今度は左手を横に振るった。
近衛騎士達はアイシアの風魔法で木の葉のように壁まで弾き飛ぶ。
 
「みっつ、 」

魔法師の放つ魔法を、アイシアは『聖女』お得意の結界魔法で防御しついでにカウンターで魔法師へとお返しする。

魔法師は己が放った魔法に撃たれ、崩れ落ちる。

今回はアイシアはの為、回復は死なない程度だ。

「醜い異世界の王を、 」
アイシアは王座に腰を抜かす王の肩を掴み、上から見下ろした。

「退治て見せよう、。」

ペキペキと王の体が、顔を残してゆっくりと凍りつく。

ダン!! と、アイシアは床に足を踏みつける。

謁見の間が瞬時に凍りつく。
逃げ出そうとする者達を謁見の間に閉じ込めたのであった。

一気に謁見の間の温度が、下がる。

恐怖と寒さにその場の者達は体を震わせた。

「わ、悪かった!! 儂が悪かった、だから命ばかりは!! 」

顔以外、体が凍りつき身動きができない王がアイシアに許しを請う。

「ああん? あたしはだよ、人の命は取らない。」

王達貴族は、アイシアの言葉にほっとする。

「あたしは優しいだよ。あんたらの願いをあげるわ。」

優しくアイシアは微笑むが、目は笑ってない。

やみが、嫌いなんだろ? 」

「はぁ? 」
アイシアの言葉は、風魔法によってその場にいる者全ての耳に届いている。

アイシア言葉の意味が分からない王とその場の者達。

「いでませ、炎。」
王の肩から手を放すとその右の手に手のひらサイズの炎が丸く渦巻いている。その炎が辺りを照らし、熱で凍りついている謁見の間や者達が溶けていく。

焼き殺されるのかと、その場の者達や王はその熱さに体と意識が遠のいていく。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる

鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳―― それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。 公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。 だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、 王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。 政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。 紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが―― 魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、 まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。 「……私が女王? 冗談じゃないわ」 回避策として動いたはずが、 誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。 しかも彼は、 幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた―― 年を取らぬ姿のままで。 永遠に老いない少女と、 彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。 王妃になどなる気はない。 けれど、逃げ続けることももうできない。 これは、 歴史の影に生きてきた少女が、 はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。 ざまぁも陰謀も押し付けない。 それでも―― この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。

あなたがそのつもりなら

素亭子
恋愛
リリアーナはランス侯爵からの求婚をうけて結婚したが、わずか一年で夫は愛人を持った。リリアーナの仕返しの話です

女神に頼まれましたけど

実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。 その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。 「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」 ドンガラガッシャーン! 「ひぃぃっ!?」 情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。 ※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった…… ※ざまぁ要素は後日談にする予定……

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

王族の言葉は鉛より重い

Vitch
恋愛
 フォークライン公爵の娘であるミルシェ。  彼女は間違い無く公爵の血を引く娘だった。  あの日までは……。

【完結】わたしは大事な人の側に行きます〜この国が不幸になりますように〜

彩華(あやはな)
恋愛
 一つの密約を交わし聖女になったわたし。  わたしは婚約者である王太子殿下に婚約破棄された。  王太子はわたしの大事な人をー。  わたしは、大事な人の側にいきます。  そして、この国不幸になる事を祈ります。  *わたし、王太子殿下、ある方の視点になっています。敢えて表記しておりません。  *ダークな内容になっておりますので、ご注意ください。 ハピエンではありません。ですが、救済はいれました。

石塔に幽閉って、私、石の聖女ですけど

ハツカ
恋愛
私はある日、王子から役立たずだからと、石塔に閉じ込められた。 でも私は石の聖女。 石でできた塔に閉じ込められても何も困らない。 幼馴染の従者も一緒だし。

処理中です...