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「結婚は覆させないわ!! 」
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嫌悪感と不快感で、睨み合うガレットとエンゼル。彼等の間に火花が散る。
静まり返った大ホールは、彼等を中心に空間ができていた。招待客は息を殺して成り行きを見守っていた。
「とにかく貴方のようなチャラ男と結婚してくださる令嬢はいないの。」
「そうだ、お前のような…… と結婚してくれる令息はいないのだ。」
両親は辛く悲しそうに言った。
チャラ男とビッチに、まともな者が結婚してくれる筈はない。だからと言って腐っても高位貴族、結婚してくれるからと底ら辺の者を選ぶ訳にはいかない。最低でも伯爵家の貴族、なんてたって王家の者や他国の有力者の前に出て挨拶をする家柄である。並み大抵な礼儀作法では許されない。そして借金がある家は除外だ、その家の者が良い者でも借金取りが良いモノとは限らない。
ショコラ公爵夫人も、パイ候爵も国中に婚約相手をと探しまくった。しかしことごとく、有力候補には断られた続けた。
チャラ男とビッチと噂のある者と関わりを持ちたい普通の貴族はいない。いるとすれば問題がある貴族達だ愛人ならともかく、そんな者を夜会等の会場に連れ立って歩くかせる訳にはいかない。
学生ならまだ『恋人です』は通っても、いい成人が婚約者でもない者を連れて夜会に出るなど外聞が悪いし婚姻相手を決める前に愛人を連れ歩くなどいい面の皮である。
下位貴族ならまだしも、理由がなく高位貴族の成人した者が婚約者もいない事は『この子、何処か欠陥があります』と宣伝しているものである。
其れは身体か、頭か、性格かはたまた素行か。彼等二人の場合、素行に問題があった。
「この国に、チャラ男の息子と婚姻してくださる令嬢はエンゼルちゃんしかいないのよ!! 」
「そうだ、他国の者に婚姻を迫るわけにはいかない。ガレット君以外お前と結婚できる令息はいないのだ!! 」
そう、問題がある者を他国の者と婚姻させる訳にはいかない。彼等は腐っても高位貴族、相手も高位貴族か王族になる。問題児を押し付ける事になれば、相手の国から『 何、コレ? 喧嘩を売ってる?』となる。
恋われて婚姻を求められても、御国を背負っての婚姻となるので素行の悪い者を『はい、どうぞ』と頷くことはできない。その者の所為で国の権威を貶めることになる、例え姿が凡庸でも恥にならない者が選ばれる。
それでもどうしてもと言われれば、其れは其れ裏の話し合いで『表へ出さないで』となる。
「エンゼルちゃんと結婚できないなら、あなたを幽閉するわよ!! 」
「ガレット君と結婚したくないなら、お前は修道院へ行け!! 」
結婚をごねる二人に両親は、最後通告の言葉を投げかける。
「何故私が、こんな女と結婚しなくてはならないんですか 母上!! 」
「そうよお父様、何故私がこんな男と婚姻なんて!! 」
二人は訴えるように親に顔を向け、共に相手を指さした。
「国中探して、ガレット君しかいないのだ!! 」
「そうです、国中探したのよ!! 」
両親のこめかみに怒りの皺が入る。同じ素行の悪い子供を持つ親同士が国中婚約者を探して走り、やっと巡り会った二人である。
彼等は涙を流し強く握手をして、その上腕を組みその場でスキップをして回ったくらい喜んだ。
結婚したら、公爵家の離れに幽閉るとも決めている。夜会などには護衛騎士を付ける手筈も整っていた。
「結婚は覆させないわ!! 」
「結婚は絶対だ!! 」
両親は頑固結婚指示の言葉を子供に告げた。
「嫌だ!! こんなビッチ!! 」
「嫌よ!! こんな種馬!! 」
二人は声をあげて相手を罵倒する。
「誰が種馬だ!! 」
「誰がビッチよ!! 」
二人はいがみ合う。
「貴方が!! 」
「お前が!! 」
二人はその場に手を付き、崩れ落ちた。
「何故、何故ですお父様。私、何かしましたか? 」
「母上、何故こんな仕打ちを。俺が何かをしたのですか? 」
二人は親に縋るよう顔をあげる、その目は潤んでいた。
「お前が色んな男と出会いを謳歌しているからだろ!! 」
パイ候爵は娘に怒鳴った。
「貴方が、多くの女性と浮世を流しているからでしょう!! 」
ショコラ公爵夫人は、持っていた扇子を息子に投げつけた。
「「ただ一人の愛する人を見付ける為に、出会いを求めて何が悪いのです!! 」」
ガレットとエンゼルは、悪びれるようすもなくその場で叫んだ。
静まり返った大ホールは、彼等を中心に空間ができていた。招待客は息を殺して成り行きを見守っていた。
「とにかく貴方のようなチャラ男と結婚してくださる令嬢はいないの。」
「そうだ、お前のような…… と結婚してくれる令息はいないのだ。」
両親は辛く悲しそうに言った。
チャラ男とビッチに、まともな者が結婚してくれる筈はない。だからと言って腐っても高位貴族、結婚してくれるからと底ら辺の者を選ぶ訳にはいかない。最低でも伯爵家の貴族、なんてたって王家の者や他国の有力者の前に出て挨拶をする家柄である。並み大抵な礼儀作法では許されない。そして借金がある家は除外だ、その家の者が良い者でも借金取りが良いモノとは限らない。
ショコラ公爵夫人も、パイ候爵も国中に婚約相手をと探しまくった。しかしことごとく、有力候補には断られた続けた。
チャラ男とビッチと噂のある者と関わりを持ちたい普通の貴族はいない。いるとすれば問題がある貴族達だ愛人ならともかく、そんな者を夜会等の会場に連れ立って歩くかせる訳にはいかない。
学生ならまだ『恋人です』は通っても、いい成人が婚約者でもない者を連れて夜会に出るなど外聞が悪いし婚姻相手を決める前に愛人を連れ歩くなどいい面の皮である。
下位貴族ならまだしも、理由がなく高位貴族の成人した者が婚約者もいない事は『この子、何処か欠陥があります』と宣伝しているものである。
其れは身体か、頭か、性格かはたまた素行か。彼等二人の場合、素行に問題があった。
「この国に、チャラ男の息子と婚姻してくださる令嬢はエンゼルちゃんしかいないのよ!! 」
「そうだ、他国の者に婚姻を迫るわけにはいかない。ガレット君以外お前と結婚できる令息はいないのだ!! 」
そう、問題がある者を他国の者と婚姻させる訳にはいかない。彼等は腐っても高位貴族、相手も高位貴族か王族になる。問題児を押し付ける事になれば、相手の国から『 何、コレ? 喧嘩を売ってる?』となる。
恋われて婚姻を求められても、御国を背負っての婚姻となるので素行の悪い者を『はい、どうぞ』と頷くことはできない。その者の所為で国の権威を貶めることになる、例え姿が凡庸でも恥にならない者が選ばれる。
それでもどうしてもと言われれば、其れは其れ裏の話し合いで『表へ出さないで』となる。
「エンゼルちゃんと結婚できないなら、あなたを幽閉するわよ!! 」
「ガレット君と結婚したくないなら、お前は修道院へ行け!! 」
結婚をごねる二人に両親は、最後通告の言葉を投げかける。
「何故私が、こんな女と結婚しなくてはならないんですか 母上!! 」
「そうよお父様、何故私がこんな男と婚姻なんて!! 」
二人は訴えるように親に顔を向け、共に相手を指さした。
「国中探して、ガレット君しかいないのだ!! 」
「そうです、国中探したのよ!! 」
両親のこめかみに怒りの皺が入る。同じ素行の悪い子供を持つ親同士が国中婚約者を探して走り、やっと巡り会った二人である。
彼等は涙を流し強く握手をして、その上腕を組みその場でスキップをして回ったくらい喜んだ。
結婚したら、公爵家の離れに幽閉るとも決めている。夜会などには護衛騎士を付ける手筈も整っていた。
「結婚は覆させないわ!! 」
「結婚は絶対だ!! 」
両親は頑固結婚指示の言葉を子供に告げた。
「嫌だ!! こんなビッチ!! 」
「嫌よ!! こんな種馬!! 」
二人は声をあげて相手を罵倒する。
「誰が種馬だ!! 」
「誰がビッチよ!! 」
二人はいがみ合う。
「貴方が!! 」
「お前が!! 」
二人はその場に手を付き、崩れ落ちた。
「何故、何故ですお父様。私、何かしましたか? 」
「母上、何故こんな仕打ちを。俺が何かをしたのですか? 」
二人は親に縋るよう顔をあげる、その目は潤んでいた。
「お前が色んな男と出会いを謳歌しているからだろ!! 」
パイ候爵は娘に怒鳴った。
「貴方が、多くの女性と浮世を流しているからでしょう!! 」
ショコラ公爵夫人は、持っていた扇子を息子に投げつけた。
「「ただ一人の愛する人を見付ける為に、出会いを求めて何が悪いのです!! 」」
ガレットとエンゼルは、悪びれるようすもなくその場で叫んだ。
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