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最初の人生。
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「わたくしの名前は、エリエール。
公爵家の一人娘、この国の王太子ネピア殿下の婚約者です。」
彼女は潮風になびいた白銀の髪を、手で耳にかける。城壁から城下を見下ろし地平線に青い空と碧い海が交わる世界を見下ろす。
「ネピア殿下とは政略的婚約でした。でも幼い頃から決められた婚約で、ネピア殿下とは良い関係を…… 」
『僕の名はネピア。エリエール、エリスと呼んでもいいかい? 』
天使のような王子は金の髪と青い瞳で微笑んだ。
思い出したようにエリエールは、緑の瞳を細め口元をほころばせる。
「わたくしの初恋でした。」
幼い頃からの婚約は二人を引き寄せ心通わせ、年頃に近づくにつれ愛を育むようになっていった。
「周りの皆様も『お似合いの二人だ』と、言ってくださいました。」
仲睦まじいネピア殿下とエリエールに周りの人々も、可愛らしい子供から、美しい若者へと成長した二人を温かい目で見守っていた。
「共により良い国にしようとネピア殿下と夢を語り合っていました。」
二人は何度も語り合い、尊敬と愛を積み重ねていった。
「でも…… 」
エリエールは口元を戻し、瞳を閉じた。
「彼女が現れてから、ネピア殿下は変ってしまった。」
学園と言う限られた空間。
「いいえ、変ってしまったのはわたくしの方かも知れません。」
学園と言う封鎖された世界。
「エルモア・ピコティ男爵令嬢。とても可愛らしい彼女にネピア殿下は心奪われてしまったのです。」
(本当にそうだったのかしら? )
市井で育ったエルモアは、貴族の令嬢とは違い感情を表に出し艶やかなストロベリーブロンドを揺らしながらほがらかに笑っていた。
ただ一人の異質。
ネピア殿下はエルモア令嬢の姿に目を、興味を惹かれてしまったのだ。
そこに、愛があったのかはネピア殿下にも分からない。ただ、興味を惹かれただけだったに過ぎなかったのかも知れない。
「エルモア譲の情熱的でした。ネピア殿下への恋心を隠すことなく語らっておられました。」
(わたくしが、婚約者なのに…… )
エリエールはぐっと唇を噛み締めた。
「エルモア譲は、ネピア殿下が興味を惹かれているのをいいことに、行動が大胆になって行きました。」
エルモアは、声をかけられる前に声をかけネピア殿下に近づいて行く。
「わたくしがいるのに、ネピア殿下の傍に、お隣に陣取っておられましたわ。ええ、わたくしの場所に。」
エリエールの声は震えていた。
『エリス、信じてくれ。
ピコティ男爵令嬢に他意はない、市井の事を知りたいそれだけだ。』
『エリスとの未来の為に、市井の事を知って置きたい。』
恥ずかしがるネピア殿下の笑顔に嘘偽りはなかった。学園以外ではエルモアに合うこともなく、行事には必ずエリエールをエスコートしていた。
公爵以上の貴族かその婚約者しか成人していない者は出られない夜会。成人していない学生が二人の仲睦まじい姿を知るよしはない。
エルモアの大胆な行動にも、殿下はやんわりと嗜めていた。
しかし、周りの夢みる乙女は物語のような恋愛に恋い焦がれていた。
身分違いの恋。
政略的、婚約者。
物語の世界が目の前で起こっている。
何時しか周りを巻き込んで、エルモアはより大胆にネピア殿下の腕に絡みつき抱きついていた。
「わたくし、嫉妬致しましたわ。」
(今思えば何故あんなにも狂ってしまったのか。)
エリエールは転げ落ちるように、エルモアを虐めにかかった。淑女の顔をかなぐり捨て。
「まるで、操られているように…… 」
(ネピア殿下を信じていればよかっただけなのに。)
閉鎖的な学園の中では、身分差の恋に熱を上げお祭り騒ぎになっていった。
「何時しかわたくし、悪役令嬢と呼ばれるようになりましたわ。」
『真実の愛』を邪魔する悪い令嬢と学園内で言われ始めた。それは王の耳にも噂は届いた。
「陛下はわたくしと、ネピア殿下との婚約を解消させました。」
悲しそうにエリエールは目を逸らし瞳を閉じた。
『真実の愛等は関係ない。公の場で虐めをする者を王太子の婚約者に王太子妃にする訳にはいかない。』
「陛下の仰るとおりですわ。」
嫉妬に狂ってエルモアを虐めたのは間違いなく事実である。エリエールも学園内の雰囲気に呑み込まれていた。
そして事件は起こった。
「わたくしは、王太子暗殺未遂事件の犯人として捕まり、斬首刑を言い渡されたのです。」
エリエールは冤罪を叫んでも聞き届けられず斬首台に登った。
目に見えるのは空と海が混ざり合う碧い地平線。
『エリスーー!! 』
「最後に、ネピア殿下の声を聞いたように思います。」
エリエールは微かに微笑んだ
「此れがわたくしの最初の、一番目の人生の終わりでした。」
公爵家の一人娘、この国の王太子ネピア殿下の婚約者です。」
彼女は潮風になびいた白銀の髪を、手で耳にかける。城壁から城下を見下ろし地平線に青い空と碧い海が交わる世界を見下ろす。
「ネピア殿下とは政略的婚約でした。でも幼い頃から決められた婚約で、ネピア殿下とは良い関係を…… 」
『僕の名はネピア。エリエール、エリスと呼んでもいいかい? 』
天使のような王子は金の髪と青い瞳で微笑んだ。
思い出したようにエリエールは、緑の瞳を細め口元をほころばせる。
「わたくしの初恋でした。」
幼い頃からの婚約は二人を引き寄せ心通わせ、年頃に近づくにつれ愛を育むようになっていった。
「周りの皆様も『お似合いの二人だ』と、言ってくださいました。」
仲睦まじいネピア殿下とエリエールに周りの人々も、可愛らしい子供から、美しい若者へと成長した二人を温かい目で見守っていた。
「共により良い国にしようとネピア殿下と夢を語り合っていました。」
二人は何度も語り合い、尊敬と愛を積み重ねていった。
「でも…… 」
エリエールは口元を戻し、瞳を閉じた。
「彼女が現れてから、ネピア殿下は変ってしまった。」
学園と言う限られた空間。
「いいえ、変ってしまったのはわたくしの方かも知れません。」
学園と言う封鎖された世界。
「エルモア・ピコティ男爵令嬢。とても可愛らしい彼女にネピア殿下は心奪われてしまったのです。」
(本当にそうだったのかしら? )
市井で育ったエルモアは、貴族の令嬢とは違い感情を表に出し艶やかなストロベリーブロンドを揺らしながらほがらかに笑っていた。
ただ一人の異質。
ネピア殿下はエルモア令嬢の姿に目を、興味を惹かれてしまったのだ。
そこに、愛があったのかはネピア殿下にも分からない。ただ、興味を惹かれただけだったに過ぎなかったのかも知れない。
「エルモア譲の情熱的でした。ネピア殿下への恋心を隠すことなく語らっておられました。」
(わたくしが、婚約者なのに…… )
エリエールはぐっと唇を噛み締めた。
「エルモア譲は、ネピア殿下が興味を惹かれているのをいいことに、行動が大胆になって行きました。」
エルモアは、声をかけられる前に声をかけネピア殿下に近づいて行く。
「わたくしがいるのに、ネピア殿下の傍に、お隣に陣取っておられましたわ。ええ、わたくしの場所に。」
エリエールの声は震えていた。
『エリス、信じてくれ。
ピコティ男爵令嬢に他意はない、市井の事を知りたいそれだけだ。』
『エリスとの未来の為に、市井の事を知って置きたい。』
恥ずかしがるネピア殿下の笑顔に嘘偽りはなかった。学園以外ではエルモアに合うこともなく、行事には必ずエリエールをエスコートしていた。
公爵以上の貴族かその婚約者しか成人していない者は出られない夜会。成人していない学生が二人の仲睦まじい姿を知るよしはない。
エルモアの大胆な行動にも、殿下はやんわりと嗜めていた。
しかし、周りの夢みる乙女は物語のような恋愛に恋い焦がれていた。
身分違いの恋。
政略的、婚約者。
物語の世界が目の前で起こっている。
何時しか周りを巻き込んで、エルモアはより大胆にネピア殿下の腕に絡みつき抱きついていた。
「わたくし、嫉妬致しましたわ。」
(今思えば何故あんなにも狂ってしまったのか。)
エリエールは転げ落ちるように、エルモアを虐めにかかった。淑女の顔をかなぐり捨て。
「まるで、操られているように…… 」
(ネピア殿下を信じていればよかっただけなのに。)
閉鎖的な学園の中では、身分差の恋に熱を上げお祭り騒ぎになっていった。
「何時しかわたくし、悪役令嬢と呼ばれるようになりましたわ。」
『真実の愛』を邪魔する悪い令嬢と学園内で言われ始めた。それは王の耳にも噂は届いた。
「陛下はわたくしと、ネピア殿下との婚約を解消させました。」
悲しそうにエリエールは目を逸らし瞳を閉じた。
『真実の愛等は関係ない。公の場で虐めをする者を王太子の婚約者に王太子妃にする訳にはいかない。』
「陛下の仰るとおりですわ。」
嫉妬に狂ってエルモアを虐めたのは間違いなく事実である。エリエールも学園内の雰囲気に呑み込まれていた。
そして事件は起こった。
「わたくしは、王太子暗殺未遂事件の犯人として捕まり、斬首刑を言い渡されたのです。」
エリエールは冤罪を叫んでも聞き届けられず斬首台に登った。
目に見えるのは空と海が混ざり合う碧い地平線。
『エリスーー!! 』
「最後に、ネピア殿下の声を聞いたように思います。」
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