ループを繰り返す悪役令嬢。

❄️冬は つとめて

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分からない世界。

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「九度目は、ネピア殿下の婚約者として過ごしました。」

エリエールはネピアとカルタスの二人とは婚約をしないようにお願いしたが、公爵令嬢の身では其れは許されなかった。

(でも、嬉しかった。少しでもネピア殿下の傍にいたかったから。)

二度目の婚約者のカルタスとは恋愛感情が持てなかった。エリエールはネピアとの傍にいたい思いで婚約し、カルタスに言い寄る邪魔なエルモアを虐めてしまった。

(カルタス様と婚姻できなければ、ネピア殿下の傍にいられないと思ってしまったから。)


エリエールは九度目の人生はネピアの婚約者として、学園でエルモアに会ったら婚約解消をお願いしようと思った。

(わたくしが、おかしくなる前に。)

嫉妬に狂いエルモアを虐める前に、ネピアと二人が出逢い思いあった時に。

(ネピア殿下の幸せを思えば…… )

でも九度目の学園生活は違った。エルモアは近寄って来なかった。

「驚きました。エルモア嬢はあれ程二人に情熱的に愛を叫んでいたのに。」

(そう、憎らしいほど…… )

エリエールは虚ろな目に碧い色が入っでくる、今自分が何を見ているのか分からない。

空か海か。

「安堵していました、このままネピア殿下の傍で平穏にいられると。でも…… 」
エリエールは目の前の人を見ると、微かに微笑んだ。

「お兄様が、エルモア嬢を連れてくるまでは。」
兄クリネックスは暴漢に襲われかけていたエルモアを助け、その時から惹かれ合ったと妹エリエールに話し紹介した。

「眼の前が、真っ暗になりました。」

(わたくしの大切なお兄様に…… )

エリエールは両手で顔を塞いだ。そのまま話し続ける。 

「勿論、反対致しました。ええ、両親共に。」
静かに顔から手を離しつつ、じっと手のひらを見つめている。

「わたくしの、憎しみが湧き上がったのです。エルモア嬢を見ると、湧き上がると言う感情。」
顔をあげて眼の前の人を見るエリエール、しかしその目は虚ろで何も写してはいなかった。

「わたくしは罵りました、エルモア嬢を。公爵家に相応しくないと、お兄様に相応しくないと。」
クリネックスは辛抱強く両親を説得し、地位が足りないのなら相応しい家へ養女と受け入れてくれる者さえ探して来た。息子の本気を感じたのか両親は、認めつつあった。

エリエールは認めなかった。

「お兄様の辛そうな顔を見ると、心の中では認めてあげたい。そう思うのです。」

(何故、エルモア嬢に憎しみが湧くのか…… )

軽く首を振れば、白銀の髪がさらさらと揺れた。

「でも出てくる言葉は、罵りと嫌味ばかり。」
自分ではコントロールできない心、虐めを繰り返す態度にエリエールは困惑し狂いそうであった。

『エリス。クリネックスとピコティ令嬢との婚姻を許してはあげられないかい? 』

『エリス、二人は思い合っている。許してあげて欲しい。』

『エリス、どうしてしまったんだい。』

(違う、違う、違うの!! わたくしは、わたくしは、)

心で思う言葉が出てこない。兄の幸せを思って許したいと言う言葉が出てこない。

「ネピア殿下にさえ、罵る言葉をぶつけてしまう。」

(違う、違う、助けて!! )

エリエールの両親と殿下は、彼女を説得しょうと話し合いをもった。

眼の前で血を吐き倒れる殿下と両親。

「わたくしの目の前で、両親とネピア殿下が血を吐き倒れ。わたくしは、王太子毒殺未遂と公爵両夫妻暗殺未遂で捕まってしまいました。」

『エリスーー!! 』

そして、一度目と二度目のように同じ結果を繰り返す。


『どうして、エリー? なぜこんな事を…… 』

「兄との最後の会話が思い出されます。」

何故こんな事を、それはエリエール自身が聞きたいことだった。

「此れが、わたくしの九度目人生の終わりでした。」

















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みんなの感想(1件)

芍薬14
2023.12.16 芍薬14

エルモア譲 男爵令嬢へはに になっています。

エリエール次は逃げられるのでしょうか?
ネピアは、どっちつかずの態度に苛々してます。

2023.12.17 ❄️冬は つとめて

ありがとうございます。

エリエールがループから抜け出せることを願います。

解除

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