学園七不思議。

❄️冬は つとめて

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閉じ込められる、倉庫。

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車を降り、鈴音と鈴香は校舎には入らず運動場へと迦具夜を案内して歩いていた。迦具夜も二人の後を、てく、てく、とついて歩く。

朝早くから、運動部の生徒達がグランドで走り込みをしていた。

「立派だわ。」
朝から頑張る部活の生徒達を迦具夜は温かく見守る。

「無理をして怪我や体を壊さないように。」
迦具夜は一度姿勢を正し、深いお辞儀を2回行った。胸のあたりで右手を少しずらし手を合わせる。肩幅程に両手を開き、2回打つ。
 
パン、パン!!

と、運動場に迦具夜の手を合わせた音が響き渡る。一陣の風が吹き抜けるように運動場を渡った。

運動場が先程より、明るくなった気がする。体が軽くなった気が運動場で鍛錬をしていた部活の生徒達は感じた。先程通り抜けた風が汗を飛ばしたせいかと、生徒達は思った。

その風は、手を合わせ深くお辞儀をしている迦具夜から出たものである。迦具夜は手を打つことで、その場のを払ったのだ。

人の多くのいる場所や窪んだ場所には邪気が溜まりやすいのだ。邪気が払われれば、怪我もしにくくなる。

「なんと、お優しい。」
迦具夜かぐや様。」
鈴音と鈴香は、うっとりとした目で神々しい迦具夜を見ていた。


迦具夜かぐや様、此方です。」
「お荷物、お持ちいたしましょうか。」
「いいえ、自分の荷物は自分で持ちますわ。」
迦具夜の手に持つカバンを二人は持ちたくてたまらなかった。とにかく迦具夜のお役に立ちたいのである。

「鈴音、鈴香。昨日もその背負い鞄を背負っていたわね、とても重そう。」
二人は背にリュックサックを垂れ下がる様に背負っていた。何か重たい物が入っているみたいだ。

「いざという時の為に。」
「お気に召されますな、迦具夜かぐや様。」
二人は微笑んで大丈夫だと迦具夜に告げた。

その間に迦具夜は運動場の隅にある体育倉庫にたどり着く。

迦具夜かぐや様。此処が、何故か閉じ込められる体育倉庫です。」
「特定の女生徒が、閉じ込められてしまうという倉庫なのです。それも、男子生徒と。」
「まあ、殿方と!! 二人っきり? 」
運動場に体育倉庫で、何が起こるかを二人は迦具夜に説明をする。その事件に迦具夜は驚きの声をあげた。

「それはいけませんわ。殿方と部屋に入るならば、戸を開けておきませんと。」
「左様でございます、迦具夜かぐや様。」
「危機意識が足りません。」
迦具夜の言葉は最もだ、と二人は頷く。

「何時もはそのような事はないのですが、1年に一度。」
「はい。特定の女生徒と男子生徒が閉じ込められるのです。」

特定女生徒とは、色々事件に被害者だ。何故か年に一度、外から鍵をかけられ、閉じ込められてしまうのだ。

「いけませんわ、いけませんわ。前途ある若者が、醜聞に晒されるなどあってはいけませんわ。」
迦具夜は身をよじって、訴える。

「そうですわ、オートロックにいたしましょう。そうすれば、閉じ込められる事はありませんわ。」

オートロック。
ドアが閉まると鍵がかかるが、外からは開けられないが内側からは明けられるドア。

「流石でごさいます、迦具夜かぐや様。」
「盲点、でごさいます。迦具夜かぐや様。」
鈴音に鈴香は、迦具夜の飛び抜けた改善策に拍手喝采を贈る。

「今日にでも、予算を考えましょう。」
「はい、迦具夜かぐや様。」
今日の生徒会の定義となる。

「此れでもう、閉じ込められる事件は起こりませんわ。」
「流石でごさいます、迦具夜かぐや様。」
「見事、解決致しました。迦具夜かぐや様。」
鈴音と鈴香は迦具夜を賞賛する。

「では、次に参りましょう。」
「はい、迦具夜かぐや様。」
「此方でごさいます、迦具夜かぐや様。」
迦具夜達は、一つの事件を解決? して次の現場に行くのであった。











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