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衣食住が揃いました。

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結界を解いて、城に入る。嬉しい事に、綺麗なお姉さんの案内付き。

大きな扉が開かれたそこには、なんと言うことでしょう。広い玄関が。
玄関と言うより、玄関ホール。
(ここで、パーティー出来ますよ。俺の家、丸々入って余りますよ。)
見た目はシンデレラ城ぽい物、中は入った事が無いので適当。頭上にはシャンデリアが、アンティークの見た目の電気です。
子供達が両脇にあるアールの形の階段を登って行きます。続いてバッタンバッタンとドアの開ける音と叫び声が聞こえる。その後を追いかけていった人達が子供達を怒っている声も聞こえる。
「取り敢えず先に進んで下さい。」
此方を伺っているお姉さんに、先を促した。
ホールの先にある扉へ向かうと自動で開いていきます。横に。
開き扉と見せかけて、スライドドアでした。廊下を隔てて再び扉、その扉が開いて(スライドドア)そこは中庭でした。その先にお城が。

(今まで、城じゃなかったんかい!! )
城だと思った処は、城壁だった。本格的な城は此所からのようです。
庭の向こう側に階段が見える、それもかなり長い。
「あれを上るの? 」
「はい。」
お姉さんの微笑みに、俺も笑いかえした。
(嫌だな、階段。階段が嫌で実家? を平安の平屋にしたのに。)
それでも広くって歩くのが嫌だから、現代建築の二階建ての小さい一戸建を部屋に作って住んでいるのに。
(アンティークな城だから仕方がないのか。)
俺はとぼとぼと、お姉さんの後に続いて歩く。その後を王様達も続いて歩く。
「まずは一階からご案内します。」
ざっと言って、厨房と食堂、使用人や騎士達の部屋に大きなお風呂があった。地下は城お馴染みの牢屋。
二階に上がって、ダンスホールに客室。三階に謁見場や会議室等々。その上は王様達の御部屋。
そして、何より素晴らしい事にエレベーターが数カ所に設置されているのだ。階段を上がらなくてもいい。なんて素晴らしい。俺の部屋も準備されてました、最上階の最上級。
(あ、無理です。)
お姉さんには悪いけど俺は普通の部屋がいいです。手が届く四畳半がいいです。だって、俺庶民出し創造主だけど。
(後で、こっそり王様達と代わって貰おう。)
だって、広すぎるもん。
王様達も当たり前のように頷かないで、一般人が王様よりもいい部屋に住む城ってないでしょう。

一通り案内をして俺が笑っていたのに安心してお姉さんは帰って行った。
(なんか忙しそうにしていたな? ごめんね、無理を言って。)

俺は一番下の階の使用人の部屋、狭い部屋に代わって貰った。あの広すぎる部屋は王様達に進呈。王様達も王子達も渋ったが、ここは俺は頑として譲らなかった。
(だって、広すぎるもん。)
今俺は、落ち着く狭い部屋で、巣もゴリ中です。
(ベ、別に引き籠もって無いんだからな。)

朝には無理やりボブさんに起こされてるんだからな。ボブさん目覚まし時計になってますわ。

今日はみんなで買い物です。
(なんたって懐が暖かい。)
俺のブラックカードの数字が減りません。ずっとマックスです、何故でしょう。

女性達のドレスが動きにくそうなので総合店舗に行きました。特に女性に人気な物は下着です。付け方を教えるのは恥ずかしかったです。ブラジャーなんて、俺が付け方を知るわけ無いでしょう。ブラジャーの付け方を乗せた雑誌を渡しましたよそれでも恥ずかしかった。
(でもああやって付けるんだ、脇からお肉を……。)

マックス王子は電気店と本屋の住人となった。いなくなったらこの二つのどちらかにいる。
(子供か!! )
メアリーさんやグリグラさんは食品売り場に。子供も達はキッズルームでボヨンボヨンと飛び跳ねています。男性達は武器屋では無く、工務店にいます。何故が鎌とかはさみが大人気です。刃物と言えば刃物だもんね。
(あ、包丁店にも居座ってます。)
あれは立派な刃物です。刺身包丁なんて長くて格好いいもんね。でも腰に差さないでね、剣じゃないんだから。

俺、俺は疲れたので展望レストランでお茶中です。説明を求められるので疲れるのですよ。
お昼に展望レストランに集合と言う事で別れました。
(付き合ってやれません。)

起こされた時は夕方でした。みんな昼食を食べて再び店内に買い物に行った用です。ホブさんに起こされて夕食をレストランでみんなで食べ帰路に着くために出入り口へ。カートや荷物車に山積みの商品が俺が居ないと外に持ち運びが出来ないようだ。俺は近くのレジにカードを掲げるとチャラ~ンと音がして、やはり数字はマックスのままでした。何故でしょう。

王様達は何も返せないので爵位でもと仰ったが丁重にお断り致しました。それでも食い下がるので、面倒だから貰いました。
(公爵ですって、王家の血を引いてもないのに。ま、いっけど。)
どう見ても今の状態では使い道ないし、王様達もみんなと仲良しですしね。

そして、衣食住総てが揃いました。ですから今城の中の人々は現在の服? を着ています。王様達も威厳のある格好では無く一般人ですわ。
(本人達がいいんなら、いいんだけどね。)

だが俺はここで、最大級の難問に遭遇することになってしまった。
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