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王都では、
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「騎士ならば、身なりに気を使えと。」
クロウディアの言葉に兄ロールは目を見開いた。妹が、容姿など気にしたことのない妹の口から、身なりに気を使うと言う言葉が出てきたのだ。
(これは…… )
母以外に妹を従わせられる女性はいなかった。
(もしかすると、もしかするかも知れない。)
母の眼力に頭が下がる、次男のロールである。
(流石は、女傑と言われた母上。脱帽します。)
離宮にある部屋に戻って来たクロウディアはドアの前に佇むメロディを見つけた。
「クロミ様。街に買い物に行こうと思うの。」
「そうですか、私はこれから剣の素振りをするつもりです。」
クロウディアの言葉にメロディは微笑んだ。
「何を言ってるんです? クロミ様も来るんです。」
「いえ、私は明日の修行のために。」
「クロミ様は騎士になられるんでしょう。か弱い女子を一人で街に行かせるのですか? 」
きゅるるんと、青い瞳に涙を浮かべて見上げるメロディ。コテンと、首を傾げてみせる。ふわふわしたストロベリーブロンドの髪が揺れる。
「騎士として、私を守ってください。」
「(きゅん)騎士として…… 」
クロウディアは胸を撃たれた。
メロディは男心掴むのに優れていた。(クロウディアは男ではないが。)
「守ってくださいますよね。騎士として。」
「(きゅん)騎士として。」
クロウディアはコクリと頷いた。
(今まで散々振り回されたんだから、今度は私が振る舞わしてあげるわ。)
メロディは、文化圏では自分がクロウディアを振り回して仕返しをしようと考えた。
喫茶店にて、
「さあ、クロミ様も座って。」
「いえ、私はここで。」
テーブルの上には可愛らしいケーキが色々な種類乗っている。可愛らしいピンクのワンピースドレスを着ているメロディには似合うが、男装のようなクロウディアはその場で浮いていた。メロディの座っている後に護衛のように立っていた。
「ひどいですわ~、私に恥をかかせるつもりなのですか? クロミ様。」
しゅんと俯く。
「このような場所に、友達も連れずに一人デーブルを占領する酷い令嬢と思われてしまいますわ。」
「そんな事は、 」
クロウディアは慌てて、メロディの言葉に意義を唱えようとする。
「なら、座って。騎士として、令嬢に恥はかかせないで。」
「騎士として、(きゅん)」
クロウディアは、デーブルの向かいの席にストンと腰を下ろした。
(ふふっ、クロミ様は『騎士として』と言われると嬉しいみたいね。もっともっと振り回して上げるんだから~~。)
美容室にて、
「さあ、クロミ様もエステを受けましょう。」
「いえ、私は表で待ってます。メロディ殿はゆっくり受けてください。」
クロウディアはベタベタと体を触られるのは、嫌なので断った。
「だめですわ。クロミ様は『女騎士』になるのでしょう。」
「女騎士、(どきゅ~~ん)」
クロウディアは『女騎士』の言葉に撃ち抜かれた。
「女性の憧れの『女騎士』になるのだから、綺麗でいなくては。」
「憧れの『女騎士』、 」
クロウディアは騎士として憧れの父と兄達を思い浮かべた。自分も『女騎士』として、女性に憧れ存在になれるのかと胸を弾ませた。
「『女騎士』としては、見た目も綺麗ではなくては。ねっ。」
呆然と立ち尽くすクロウディアをメロディは力尽くで、美容室に引き入れた。修行の御蔭でメロディにもある程度の力がついていた、クロウディアを引っ張るくらいの力は。
そしてクロウディアは、この夏一番の過酷な精神的修行に勤しむこととなった。
ご満喫なメロディと違って、過酷な精神的修行に耐えたクロウディアが其処にいた。
「エステとは、過酷な精神的修行の場なのですね。」
「そうですか、令嬢ならこれくらいは当たり前ですわ。」
目からウロコが落ちるクロウディアであった、令嬢とはか弱く儚い者ではなく精神的に強い者なのではないかと。
「次は、洋服店よ。」
メロディは嬉々として楽しそうにしている、クロウディアはその精神の強さに脱帽するのであった。
クロウディアの言葉に兄ロールは目を見開いた。妹が、容姿など気にしたことのない妹の口から、身なりに気を使うと言う言葉が出てきたのだ。
(これは…… )
母以外に妹を従わせられる女性はいなかった。
(もしかすると、もしかするかも知れない。)
母の眼力に頭が下がる、次男のロールである。
(流石は、女傑と言われた母上。脱帽します。)
離宮にある部屋に戻って来たクロウディアはドアの前に佇むメロディを見つけた。
「クロミ様。街に買い物に行こうと思うの。」
「そうですか、私はこれから剣の素振りをするつもりです。」
クロウディアの言葉にメロディは微笑んだ。
「何を言ってるんです? クロミ様も来るんです。」
「いえ、私は明日の修行のために。」
「クロミ様は騎士になられるんでしょう。か弱い女子を一人で街に行かせるのですか? 」
きゅるるんと、青い瞳に涙を浮かべて見上げるメロディ。コテンと、首を傾げてみせる。ふわふわしたストロベリーブロンドの髪が揺れる。
「騎士として、私を守ってください。」
「(きゅん)騎士として…… 」
クロウディアは胸を撃たれた。
メロディは男心掴むのに優れていた。(クロウディアは男ではないが。)
「守ってくださいますよね。騎士として。」
「(きゅん)騎士として。」
クロウディアはコクリと頷いた。
(今まで散々振り回されたんだから、今度は私が振る舞わしてあげるわ。)
メロディは、文化圏では自分がクロウディアを振り回して仕返しをしようと考えた。
喫茶店にて、
「さあ、クロミ様も座って。」
「いえ、私はここで。」
テーブルの上には可愛らしいケーキが色々な種類乗っている。可愛らしいピンクのワンピースドレスを着ているメロディには似合うが、男装のようなクロウディアはその場で浮いていた。メロディの座っている後に護衛のように立っていた。
「ひどいですわ~、私に恥をかかせるつもりなのですか? クロミ様。」
しゅんと俯く。
「このような場所に、友達も連れずに一人デーブルを占領する酷い令嬢と思われてしまいますわ。」
「そんな事は、 」
クロウディアは慌てて、メロディの言葉に意義を唱えようとする。
「なら、座って。騎士として、令嬢に恥はかかせないで。」
「騎士として、(きゅん)」
クロウディアは、デーブルの向かいの席にストンと腰を下ろした。
(ふふっ、クロミ様は『騎士として』と言われると嬉しいみたいね。もっともっと振り回して上げるんだから~~。)
美容室にて、
「さあ、クロミ様もエステを受けましょう。」
「いえ、私は表で待ってます。メロディ殿はゆっくり受けてください。」
クロウディアはベタベタと体を触られるのは、嫌なので断った。
「だめですわ。クロミ様は『女騎士』になるのでしょう。」
「女騎士、(どきゅ~~ん)」
クロウディアは『女騎士』の言葉に撃ち抜かれた。
「女性の憧れの『女騎士』になるのだから、綺麗でいなくては。」
「憧れの『女騎士』、 」
クロウディアは騎士として憧れの父と兄達を思い浮かべた。自分も『女騎士』として、女性に憧れ存在になれるのかと胸を弾ませた。
「『女騎士』としては、見た目も綺麗ではなくては。ねっ。」
呆然と立ち尽くすクロウディアをメロディは力尽くで、美容室に引き入れた。修行の御蔭でメロディにもある程度の力がついていた、クロウディアを引っ張るくらいの力は。
そしてクロウディアは、この夏一番の過酷な精神的修行に勤しむこととなった。
ご満喫なメロディと違って、過酷な精神的修行に耐えたクロウディアが其処にいた。
「エステとは、過酷な精神的修行の場なのですね。」
「そうですか、令嬢ならこれくらいは当たり前ですわ。」
目からウロコが落ちるクロウディアであった、令嬢とはか弱く儚い者ではなく精神的に強い者なのではないかと。
「次は、洋服店よ。」
メロディは嬉々として楽しそうにしている、クロウディアはその精神の強さに脱帽するのであった。
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