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どうやらここは、乙女ゲームの世界のようだ。 ❅
どうやらここは、乙女ゲームの世界のようだ。
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「クリスタル・ルイロデール公爵令嬢。私は、あなたとの婚約を解消する。」
それは卒業式の後の舞踏会の事だ。
婚約の解消を言い渡され、涙を堪えてふるふると震えている公爵令嬢を見て俺は思い出した。
ここは乙女ゲームの世界だと言う事を。妹が嬉々として、心酔していたあの乙女ゲームだ。確か、バージョン②『ソムリエール国編』だった筈だ。
ふるふると震えているクリスタル・ルイロデール公爵令嬢、そうこの国の王太子シャンパーニュ・ソムリエールの婚約者だ。
隣で乙女ゲームを勤しんでいた妹のゲーム画面を見たとき目に入ったキャラクター。俺はひと目で好きになった。さらさらの銀髪、青い瞳のきつめの美人。パーフェクトボディの悪役令嬢。
その彼女が、体を震わせて耐えている姿に心を持っていかれた。
マジ可愛い、マジ彼女にしたい。俺はゲームの世界の悪役令嬢に恋をした。
「ルイロデール公爵令嬢、貴方はカロン・セギュール子爵令嬢に嫉妬し、地位が低いと虐め辱めた。」
宰相の息子が何かを言っているな。
ふるふる震えるクリスタル、マジ可愛い抱き締めたい。
「お前がカロン令嬢を階段から突き落とし怪我をさせたのは分かっている。」
こいつ確か、クリスタルの幼馴染みだっけ。
「グラードさま、ブリュットさま、私が悪いのです。クリスタル様を責めないで、私がシャンパーニュさまを愛してしまったから。」
あ、確かヒロインのちんちくりん。名前は…… なんかだっけ? 顔は確かに可愛いよ、ヒロインだしね。でも俺は美人系が好きなんだ、ロリ顔はちょっとな。ロリ顔の癖に胸がデカいのが、なんか気持ち悪いんだよな。
「ああカロン、君はなんて優しいんだ。」
「カナールさま。」
この男、クリスタルの兄貴だったよな。
なに見詰め合ってんだ。
二人の世界か? 人が見てんぞ、頭の中は平気か? 恥ずかしく無いのか?
「クリスタル!! お前は到底この国の国母には相応しくない!! 」
何を言ってんだ、この馬鹿兄貴。クリスタル程、国母に相応しい女性はいないだろ。努力家で、自分に厳しい。
「この国の国母には心優しいカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」
はぁ? なに言ってんだこの馬鹿兄貴。勝手に決めんな、馬鹿兄貴。
心優しい女が婚約者のいる男に手を出すはずねぇだろ。挙げ句にてめぇらも手ぇ付けてんだろ。
貞操観念の低い女を国母に出来る訳ないだろ? て、言ゅうか王太子の女になに手ぇだしてんだお前達?
胸を擦り付けられて鼻の下のばして、なにコロッと騙されるんだお前達。お前ら国の重要な場所に将来付くじゃないのか? 王太子の側近だよな? それで国を護れるのか? 不安しかないんだが。
「「そうだ、国母にはカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」」
「そんな、私なんか…… 」
なに恥じらってんだ?
目ぇ笑ってるぞ。見るに堪えんな下心見えみえの態度、お前ら気づかないのか?
乙女ゲームとは言え、マジこのヒロインハーレム作ってんぞ、色魔か色魔だろ!!
それに比べて悪役令嬢のクリスタル、一途に王太子を思ってんだぞ。マジ最高、マジ純情。くっ、お嫁さんにしたい。
「さあ、シャンパーニュ殿下!! 貴方からも言ってやって下さい!! 」
「この国の国母に相応しいのはカロン子爵令嬢だと。」
「そうです、この愚かな妹クリスタルにはっきり言ってやって下さい!! カロン子爵令嬢をシャンパーニュ殿下の婚約者にすると!! 」
「シャンパーニュさま~ 」
なに好きなこと言ってんだ?
なに俺を見てんだ?
えっ、俺を見てる?
あ、やべぇ!!
俺が王太子のシャンパーニュですわ!!
なんてこった、よりにも寄って、最後の断罪イベントで思い出すなんて!! 俺、クリスタルに婚約を解消と言っちまった後じゃないか!!
それは卒業式の後の舞踏会の事だ。
婚約の解消を言い渡され、涙を堪えてふるふると震えている公爵令嬢を見て俺は思い出した。
ここは乙女ゲームの世界だと言う事を。妹が嬉々として、心酔していたあの乙女ゲームだ。確か、バージョン②『ソムリエール国編』だった筈だ。
ふるふると震えているクリスタル・ルイロデール公爵令嬢、そうこの国の王太子シャンパーニュ・ソムリエールの婚約者だ。
隣で乙女ゲームを勤しんでいた妹のゲーム画面を見たとき目に入ったキャラクター。俺はひと目で好きになった。さらさらの銀髪、青い瞳のきつめの美人。パーフェクトボディの悪役令嬢。
その彼女が、体を震わせて耐えている姿に心を持っていかれた。
マジ可愛い、マジ彼女にしたい。俺はゲームの世界の悪役令嬢に恋をした。
「ルイロデール公爵令嬢、貴方はカロン・セギュール子爵令嬢に嫉妬し、地位が低いと虐め辱めた。」
宰相の息子が何かを言っているな。
ふるふる震えるクリスタル、マジ可愛い抱き締めたい。
「お前がカロン令嬢を階段から突き落とし怪我をさせたのは分かっている。」
こいつ確か、クリスタルの幼馴染みだっけ。
「グラードさま、ブリュットさま、私が悪いのです。クリスタル様を責めないで、私がシャンパーニュさまを愛してしまったから。」
あ、確かヒロインのちんちくりん。名前は…… なんかだっけ? 顔は確かに可愛いよ、ヒロインだしね。でも俺は美人系が好きなんだ、ロリ顔はちょっとな。ロリ顔の癖に胸がデカいのが、なんか気持ち悪いんだよな。
「ああカロン、君はなんて優しいんだ。」
「カナールさま。」
この男、クリスタルの兄貴だったよな。
なに見詰め合ってんだ。
二人の世界か? 人が見てんぞ、頭の中は平気か? 恥ずかしく無いのか?
「クリスタル!! お前は到底この国の国母には相応しくない!! 」
何を言ってんだ、この馬鹿兄貴。クリスタル程、国母に相応しい女性はいないだろ。努力家で、自分に厳しい。
「この国の国母には心優しいカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」
はぁ? なに言ってんだこの馬鹿兄貴。勝手に決めんな、馬鹿兄貴。
心優しい女が婚約者のいる男に手を出すはずねぇだろ。挙げ句にてめぇらも手ぇ付けてんだろ。
貞操観念の低い女を国母に出来る訳ないだろ? て、言ゅうか王太子の女になに手ぇだしてんだお前達?
胸を擦り付けられて鼻の下のばして、なにコロッと騙されるんだお前達。お前ら国の重要な場所に将来付くじゃないのか? 王太子の側近だよな? それで国を護れるのか? 不安しかないんだが。
「「そうだ、国母にはカロン・セギュール子爵令嬢が相応しい!! 」」
「そんな、私なんか…… 」
なに恥じらってんだ?
目ぇ笑ってるぞ。見るに堪えんな下心見えみえの態度、お前ら気づかないのか?
乙女ゲームとは言え、マジこのヒロインハーレム作ってんぞ、色魔か色魔だろ!!
それに比べて悪役令嬢のクリスタル、一途に王太子を思ってんだぞ。マジ最高、マジ純情。くっ、お嫁さんにしたい。
「さあ、シャンパーニュ殿下!! 貴方からも言ってやって下さい!! 」
「この国の国母に相応しいのはカロン子爵令嬢だと。」
「そうです、この愚かな妹クリスタルにはっきり言ってやって下さい!! カロン子爵令嬢をシャンパーニュ殿下の婚約者にすると!! 」
「シャンパーニュさま~ 」
なに好きなこと言ってんだ?
なに俺を見てんだ?
えっ、俺を見てる?
あ、やべぇ!!
俺が王太子のシャンパーニュですわ!!
なんてこった、よりにも寄って、最後の断罪イベントで思い出すなんて!! 俺、クリスタルに婚約を解消と言っちまった後じゃないか!!
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