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契約結婚と政略結婚。(契約結婚の妻、顧みられない=可哀想。だと思う方にはオススメできません。旦那様寄りです。) ✼
虐げられし、夫?
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「わたくしは、息子と共に愛する夫の帰りを待ってますわ!! 」
A婦人は【愛】を主張する。
「うわぁ~~っ、お花畑~ お花湧いてるわ、頭の中に。」
「A侯爵は、愛人さんを愛しているのよね。」
「子供を盾に取るんだ…… 」
愛を主張するA婦人に冷めた目を向ける婦人達。
親のたっての命令で跡継ぎを果たせと、相手も承諾した好きでもない相手と契約結婚。跡継ぎを作るためだけに抱いた、契約の女性。それなのに結婚したからには、愛してと契約結婚の女性に圧力をかけられる。自分が愛しているから、同じだけの愛を返せと主張するA婦人。そしてそれが叶わないからと、旦那が悪いと言うA婦人。
「なにそれ、怖い。」
「契約結婚に愛を求めるの? 恋愛結婚でもないのに? 」
「いや~~、悲劇のヒロインぶってる!! 」
愛を求めない筈の【契約結婚】に愛を求めるのは、契約違反である。
「愛がない事を、分かって結婚したんでしょう。」
「A侯爵が、哀れですわ。」
「なにそれ、怖い。」
契約違反のA婦人は、自分を愛さない方が悪いと主張する。
「自分が愛しているから、愛してって? 自分を愛さない相手が悪い? 」
「それってストーカーの考えですわ。」
「なにそれ、怖い。」
相手の気持ちも考えず自分がこんなに愛して尽くしている自分に愛を返さない相手が悪い。
「僕がこんなに愛しているのに、愛さない君が悪いんだ!! ブスリっ!! 」
「よくある、ストーカー殺人事件ですわ!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
D婦人がワインボトルをナイフ代わりに刺す演技をすると、B婦人がストーカー事件だと声をあげる。C婦人は怖いと宣言する。
「『愛などありませんよ』『契約結婚ですよ』と、まんまと騙して侯爵と結婚して。」
「結婚した途端、契約違反。『私を愛して』と、縋りつく!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
酔った勢いで盛り上がる婦人達。
「挙げ句、愛してくれないからと悪者に仕立て上げる。」
「子供や義理親に、旦那が悪いと言い含める!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
婦人達の言ってることは、確信である。
「貴族の義務とかで、契約結婚だからと結婚させられ義務を果たして、お役御免だと思ったら。結婚したから妻を愛せと、責め立てる毒親!! 」
「その毒親からも、使用人からも冷たい目で見られ。屋敷になんて帰れませんわ!! 」
「なにそれ、可哀想!! 」
婦人達が言ってる事は、まさにその通りであった。
「子供さんは可哀想ですが、愛が無くとも子は育ちますわ!! 」
「そうですわ、愛は無くとも金があれば子は育ちます!! 」
「子供なんて所詮他人、教育した人につくのよ。」
子供を奪われたC婦人は、子供が自分に冷たい目を向けるのを思い出して呟く。
「跡継ぎ作ってお役御免のはずが。毒親に嫡男だからと家督を譲られ、汗水垂らして家名の為に働いて金を差し出すA侯爵!! 」
「育った屋敷にも帰れず、妻子に総てを差し出しているのに、冷たい目で見られ蔑まれ!! 」
「なにそれ、可哀想~~!! 」
確かA侯爵には弟がいたと、婦人達は記憶していた。次男に継がせればいいのにと、婦人達は思った。
「毒親に、無理矢理契約結婚させられた相手は、ストーカー!! 」
「毒親からも子供からも、世間からも蔑まれ、愚痴も言わず耐えて耐えて働いて!! お金は、殆ど侯爵家へ。」
「なにそれ、可哀想~~!! 」
侯爵家を維持するために蔑まれても働くA侯爵を思い浮かべて、哀れむ婦人達。
「「「旦那様、虐げられているわ!! 」」」
三人の婦人の声が揃った。
「わ、わたくし、ストーカーではありませんわ!! 夫を愛しているだけです!! 」
A婦人は【愛】主張する。
「「「ストーカーよ!! 」」」
やはり三人の婦人は声が揃った。
「だってあなた、旦那様の気持ち考えた事あるの? 」
「自分の事しか、思ってないじゃない。」
「愛を押し付けて、愛を返せと言ってるだけ。」
婦人達はストーカーの定義を話す。
「「「人それを、ストーカーと言うのよ。」」」
三人の婦人は、ズバリA婦人に『あなたはストーカー』と指摘した。
その後A婦人が自身を顧みたかは、また別の話である。
【完】
A婦人は【愛】を主張する。
「うわぁ~~っ、お花畑~ お花湧いてるわ、頭の中に。」
「A侯爵は、愛人さんを愛しているのよね。」
「子供を盾に取るんだ…… 」
愛を主張するA婦人に冷めた目を向ける婦人達。
親のたっての命令で跡継ぎを果たせと、相手も承諾した好きでもない相手と契約結婚。跡継ぎを作るためだけに抱いた、契約の女性。それなのに結婚したからには、愛してと契約結婚の女性に圧力をかけられる。自分が愛しているから、同じだけの愛を返せと主張するA婦人。そしてそれが叶わないからと、旦那が悪いと言うA婦人。
「なにそれ、怖い。」
「契約結婚に愛を求めるの? 恋愛結婚でもないのに? 」
「いや~~、悲劇のヒロインぶってる!! 」
愛を求めない筈の【契約結婚】に愛を求めるのは、契約違反である。
「愛がない事を、分かって結婚したんでしょう。」
「A侯爵が、哀れですわ。」
「なにそれ、怖い。」
契約違反のA婦人は、自分を愛さない方が悪いと主張する。
「自分が愛しているから、愛してって? 自分を愛さない相手が悪い? 」
「それってストーカーの考えですわ。」
「なにそれ、怖い。」
相手の気持ちも考えず自分がこんなに愛して尽くしている自分に愛を返さない相手が悪い。
「僕がこんなに愛しているのに、愛さない君が悪いんだ!! ブスリっ!! 」
「よくある、ストーカー殺人事件ですわ!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
D婦人がワインボトルをナイフ代わりに刺す演技をすると、B婦人がストーカー事件だと声をあげる。C婦人は怖いと宣言する。
「『愛などありませんよ』『契約結婚ですよ』と、まんまと騙して侯爵と結婚して。」
「結婚した途端、契約違反。『私を愛して』と、縋りつく!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
酔った勢いで盛り上がる婦人達。
「挙げ句、愛してくれないからと悪者に仕立て上げる。」
「子供や義理親に、旦那が悪いと言い含める!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
婦人達の言ってることは、確信である。
「貴族の義務とかで、契約結婚だからと結婚させられ義務を果たして、お役御免だと思ったら。結婚したから妻を愛せと、責め立てる毒親!! 」
「その毒親からも、使用人からも冷たい目で見られ。屋敷になんて帰れませんわ!! 」
「なにそれ、可哀想!! 」
婦人達が言ってる事は、まさにその通りであった。
「子供さんは可哀想ですが、愛が無くとも子は育ちますわ!! 」
「そうですわ、愛は無くとも金があれば子は育ちます!! 」
「子供なんて所詮他人、教育した人につくのよ。」
子供を奪われたC婦人は、子供が自分に冷たい目を向けるのを思い出して呟く。
「跡継ぎ作ってお役御免のはずが。毒親に嫡男だからと家督を譲られ、汗水垂らして家名の為に働いて金を差し出すA侯爵!! 」
「育った屋敷にも帰れず、妻子に総てを差し出しているのに、冷たい目で見られ蔑まれ!! 」
「なにそれ、可哀想~~!! 」
確かA侯爵には弟がいたと、婦人達は記憶していた。次男に継がせればいいのにと、婦人達は思った。
「毒親に、無理矢理契約結婚させられた相手は、ストーカー!! 」
「毒親からも子供からも、世間からも蔑まれ、愚痴も言わず耐えて耐えて働いて!! お金は、殆ど侯爵家へ。」
「なにそれ、可哀想~~!! 」
侯爵家を維持するために蔑まれても働くA侯爵を思い浮かべて、哀れむ婦人達。
「「「旦那様、虐げられているわ!! 」」」
三人の婦人の声が揃った。
「わ、わたくし、ストーカーではありませんわ!! 夫を愛しているだけです!! 」
A婦人は【愛】主張する。
「「「ストーカーよ!! 」」」
やはり三人の婦人は声が揃った。
「だってあなた、旦那様の気持ち考えた事あるの? 」
「自分の事しか、思ってないじゃない。」
「愛を押し付けて、愛を返せと言ってるだけ。」
婦人達はストーカーの定義を話す。
「「「人それを、ストーカーと言うのよ。」」」
三人の婦人は、ズバリA婦人に『あなたはストーカー』と指摘した。
その後A婦人が自身を顧みたかは、また別の話である。
【完】
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