【小ネタ集②】虐げられた、令嬢は……

❄️冬は つとめて

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契約結婚と政略結婚。(契約結婚の妻、顧みられない=可哀想。だと思う方にはオススメできません。旦那様寄りです。)     ✼

虐げられし、夫?

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「わたくしは、息子と共に愛する夫の帰りを待ってますわ!! 」
A婦人は【愛】を主張する。

「うわぁ~~っ、お花畑~ お花いてるわ、頭の中に。」
「A侯爵は、愛人さんを愛しているのよね。」
「子供を盾に取るんだ…… 」
愛を主張するA婦人に冷めた目を向ける婦人達。

親のたっての命令願い跡継ぎ貴族の義務を果たせと、相手も好きでもない相手と契約結婚。跡継ぎを作るためだけに抱いた、契約の女性。結婚したからには、の女性に圧力をかけられる。自分が愛しているから、同じだけの愛を返せと主張するA婦人。そしてそれがからと、旦那が悪いと言うA婦人。

「なにそれ、怖い。」
に愛を求めるの? 恋愛結婚でもないのに? 」
「いや~~、悲劇のヒロインぶってる!! 」
愛を求めない筈の【契約結婚】に愛を求めるのは、契約違反である。

を、分かって結婚したんでしょう。」
「A侯爵が、哀れですわ。」
「なにそれ、怖い。」
契約違反のA婦人は、自分を愛さない方が悪いと主張する。

「自分が愛しているから、愛してって? 自分を愛さない相手が悪い? 」
「それってストーカーの考えですわ。」
「なにそれ、怖い。」
相手の気持ちも考えず自分が自分に相手が悪い。

「僕が!! ブスリっ!! 」
「よくある、ストーカー殺人事件ですわ!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
D婦人がワインボトルをナイフ代わりに刺す演技をすると、B婦人がストーカー事件だと声をあげる。C婦人は怖いと宣言する。

「『愛などありませんよ』『契約結婚ですよ』と、まんまと騙して侯爵と結婚して。」
「結婚した途端、契約違反。『私を愛して』と、縋りつく!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
酔った勢いで盛り上がる婦人達。

「挙げ句、愛してくれないからと。」
「子供や義理親に、旦那が!! 」
「なにそれ、怖い!! 」
婦人達の言ってることは、確信である。

とかで、契約結婚だからと義務を果たして、お役御免だと思ったら。結婚したから、責め立てる毒親!! 」
「その毒親からも、使用人からも冷たい目で見られ。屋敷になんて帰れませんわ!! 」
「なにそれ、可哀想!! 」
婦人達が言ってる事は、まさにその通りであった。

「子供さんは可哀想ですが、愛が無くとも子は育ちますわ!! 」
「そうですわ、愛は無くとも金があれば子は育ちます!! 」
所詮他人、教育した人につくのよ。」
子供を奪われたC婦人は、子供が自分に冷たい目を向けるのを思い出して呟く。

「跡継ぎ作ってお役御免のはずが。毒親に嫡男だからと家督を譲られ、汗水垂らしてA侯爵!! 」
「育った屋敷にも帰れず、妻子に総てを差し出しているのに、冷たい目で見られ蔑まれ!! 」
「なにそれ、可哀想~~!! 」
確かA侯爵には弟がいたと、婦人達は記憶していた。次男に継がせればいいのにと、婦人達は思った。


「毒親に、無理矢理させられた相手は、ストーカー!! 」
「毒親からも子供からも、世間からも蔑まれ、愚痴も言わず耐えて耐えて働いて!! お金は、殆ど侯爵家へ。」
「なにそれ、可哀想~~!! 」
侯爵家を維持するために蔑まれても働くA侯爵を思い浮かべて、哀れむ婦人達。


「「「旦那様、!! 」」」
三人の婦人の声が揃った。


「わ、わたくし、ストーカーではありませんわ!! 夫を愛しているだけです!! 」
A婦人は【愛】主張する。

「「「ストーカーよ!! 」」」
やはり三人の婦人は声が揃った。

「だってあなた、旦那様相手の気持ち考えた事あるの? 」
「自分の事しか、思ってないじゃない。」
「愛を押し付けて、愛を返せと言ってるだけ。」
婦人達はストーカーの定義を話す。

「「「人、ストーカーと言うのよ。」」」

三人の婦人は、ズバリA婦人に『あなたはストーカー』と指摘した。

その後A婦人が自身を顧みたかは、また別の話である。


【完】

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