【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。

❄️冬は つとめて

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私の婚約者の、学友。

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騎士の訓練が終わり、オスカーは駆けだした。さっさと着替えて、学校を後にしようと急ぐ。

「鬼(カノン)の居ぬ間に、ルミナスとデートをして俺に惚れてもらわなくては。」 

(待っていてくれルミナス、今すぐ迎えに行くよ。)
オスカーは気持ちが急いていた。

「オスカー。今日はあの子来てないな、如何したんだ? 」
「何時もの馬車が見あたらないが。」
後から更衣室現れた学友二人が、声をかけた。

「あの子? 」
汗をタオルで拭っている処に声をかけられる。いくら急いでいても汗臭かったら、ルミナスに嫌われてしまうかもしれないからだ。

「ほら、何時も門の前で馬車に乗って待っている。あの黒髪の可愛い子。」
「ああ、カノンか。カノンは入院した。」
素っ気なく応える。 

「入院!? そうか、見るからに病弱そうだったもんな。」
「ああ、儚げで守ってやりなくなる程の美少女だ。」
オスカーをそっちのけで、二人は話し出す。オスカーは汗を拭き、服を着始めた。

「それで急いでるのか。」
「お見舞いか、きっと喜ぶぞ。」
学友二人はうんうんと、頷き合う。

「はぁ? 何を言っている俺は此れからデートだ。」
「ああ、お見舞いデートか。」
「慰めてやれよ。」
ニヤニヤと笑いながら二人は言う。

「俺はルミナスと、婚約者とデートで忙しい。見舞いは後だ。」
「はぁ!? 可哀想だろ。」
「見舞ってやれよ。」
学友は、カノンが可哀想だから見舞ってやれと言う。その言葉にオスカーはうんざりしていた。

『可哀想』その言葉は、オスカーに取って禁句である。

「うるさい、俺はデートに行く。邪魔するなら殴る。」
オスカーは拳を二人に向けた。
カノンは女の子だし体が弱いので邪険に出来なかったが、健康な男は別であった。

「分かった、邪魔はしない。」
「だが、気にならないのか? 」
「大丈夫だ。カノンには宿敵、主治医が付いている。」
オスカーは二人をまじまじ見る。

「お前らに婚約者がいなければ、紹介してやるのに。」
残念そうに呟く。

「紹介してくれてもいいぞ。」
「一度、話して見たいな。」
「俺はそんな不誠実は好かない。」
蔑む様な目で、二人を見詰める。

「お前が言うなよ。」
「そうそう、可愛い子を何時も纏わり付かせて。」

「違う!! 」
ガシッとオスカーは学友の襟首を掴んだ。目がマジ恐い。

「俺は憑かれているんだ、カノンと言う怨念に。」

「おいおい、落ち着けオスカー。」
「苦しい、放せよ。」
「子供の頃、一人遊園地へ行った俺を恨んで。」
首ぐらを掴む拳が震える。

「はぁ、遊園地? 」
「オスカー、キブギブ!! 」
首ぐらを掴まれた者は放せと拳を叩いた。だがオスカーの拳は強さを増す。

「あの怨念は、何時も俺を見張っている。俺が遊園地へ行かないように、俺に憑いて来る。」
「怨念て、あの美少女がか? 」
泡を吹き出した学友一人から手を放す。学友は足から崩れた。

「そうだ。今あの怨念(カノン)は、宿敵(主治医)に寄って封印(入院)されている。」
オスカーは転がる学友を踏みつけた。足に力がこもる。

「今が、今がチャンスなんだ。ルミナスと関係を深めるのは、今しかない。」
オスカーは強い目で、もう一人の学友を見る。その目は恐い。

「あの怨念が、封印されている今しかないんだ!! 」
その圧力に学友は、押された。

「そ、そうか。頑張れ。」
「ありがとう。」
オスカーは転がる学友を踏みつけて、足早に騎士学校を後にした。
目指すはルミナス、婚約者の学園へと。愛馬に股がり手綱を引く。

「待っていてくれ、ルミナス。今すぐ迎えに行くよ。」
馬の脇腹を蹴ると、嘶きをあげて馬は走り出した。

「ルミナス、楽しいデートをしよう。二人っきりの。」
オスカーは喜び勇んで馬を走らせる。愛する婚約者、ルミナスの元へと。

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