15 / 16
最終回です、お父様。
しおりを挟む
「他に、御質問はありませんか。」
コッペリウスの樹海の奥の色のような深い緑色の瞳が、上段から学生 保護者 教師を見下ろす。まるで樹海に紛れ込んたような、恐怖が精神を蝕む。
(ぱい先!! 怖いッス!! )
「では、質問もないようなので次の話に入らせてもらいます。」
(ぱい先、怖くって質問できないだけッス!! )
押し黙る者をよそに、コッペリウスは話を続ける。
「1年、2年、3年と10クラスある2クラスずつを、5日に分けて奉仕活動にあたらせます。週に一度ですので、負担は最小限に考えました。」
(ひとクラス30人として、日に180人の人員ッス。)
「奉仕活動をした次の日を休みと致します。日曜の休みはそのままです。後の4日は、学生の本分勉強に勤しんでください。」
(それはいいッス、肉体労働の後は疲れまッスね。)
「西の橋の建築現場より監督感として数人、三分の一の作業人を東にも入れますので、その者達の指示に従って奉仕活動をしてください。」
(そおッスね、素人だけでは橋は建たないッス。肉体労働ッスけどね。)
「食事は朝 昼 夕方と出ますので、ご安心ください。」
(ご飯は出るッスか、よかったッス。)
ここでおずおずと、父母の一人が手をあげた。
「あの……殿方の中にいて、娘に何かあったら…… 」
「安心してください。王太子が奉仕活動する場所ですので、いつ何時も近衛騎士が警備にあたっています。」
荒くれ共の民との共同に娘の身の心配をする母親に、コッペリウスは切り替えした。国王陛下の後ろの方で、深いため息を吐く者がいた。近衛騎士団の隊長である。
(ぱい先の同期の桜ッス。いざとなったら、近衛騎士も奉仕活動をさせられると思ったッスね。)
「御心配ならご父母の奉仕活動参加、いつでも歓迎いたします。」
(父母にも肉体労働させるッスか!? )
コッペリウスの言葉に、保護者達は目を反らした。
「最初は軽作業から入りますので、大丈夫でしょう。」
(そおッスね、まずは建設現場の準備ッスね。簡易トイレとか、宿舎に食堂ッスか。)
「子供にも出来る作業ですので、出来ない事はないでしょう。」
(そおッスね。オレも子供の頃、色んな建設場所で働いてたッス。できるッス。)
コッペリウスは書類を講演台にコンコンと叩くと、横に置いた。
「クラス編成は、学園長に任せますので後で書類を取りに来てください。此れで、私からの説明は終わります。」
(やったッス!! やっとこれで帰れるッス!! )
コッペリウスの上からの圧力が終わったことに学生 保護者 教師達は、緊張の糸をほどいた。
「ああ、忘れていました。ご父母殿、最後に一つ。」
(まだ何かあるんッスか!! )
安心した処に不意打ちのように言葉をかける。
「奉仕活動には寄付がつきものです。フジ侯爵家は、15億イエンをこの橋建設に寄付します。」
(それってつまり、他の者も寄付しろと脅してるッス!! )
侯爵家が15億を出すなら侯爵家は同等の金額。その上の公爵家は切のいいところで20億、伯爵は10億、子爵家は5億、男爵家は最低でも一桁に億はつけないと話にならない。
(ぱい先、寄付で建設費も浮かせる気でッスかーー!! )
コッペリウスは寄付で建設費を浮かせる気で満々であった。青ざめる保護者達に、コッペリウスはにっこりと微笑んだ。
(ぱい先、ぱい先の懐は全然傷んでませんッスよね。先程の賠償金をあてるッスよね!! )
婚約破棄の騒動を起こして、それを傍観した者達にも負債が発生した。公爵家は倍額だが。
(だから言ったんッス、言ってないッスけど。ぱい先に、時間を与えたら負債が増えるッス!! )
公爵が素直に賠償に応じていたら、橋建設の奉仕活動まで至らなかった。
「国王陛下。退室のお時間です。」
「うむ、では帰るか。」
頭を下げるコッペリウスに、国王陛下は頷き、ゆっくりと腰をあげた。
「帰って直ぐに城内の掃除に入ります。」
国王陛下は自分の横を風を切って歩くコッペリウスの凛々しい姿を見て、
(ぱい先、カッコいいッス。一生ついて行くッス!! )
【完】
コッペリウスの樹海の奥の色のような深い緑色の瞳が、上段から学生 保護者 教師を見下ろす。まるで樹海に紛れ込んたような、恐怖が精神を蝕む。
(ぱい先!! 怖いッス!! )
「では、質問もないようなので次の話に入らせてもらいます。」
(ぱい先、怖くって質問できないだけッス!! )
押し黙る者をよそに、コッペリウスは話を続ける。
「1年、2年、3年と10クラスある2クラスずつを、5日に分けて奉仕活動にあたらせます。週に一度ですので、負担は最小限に考えました。」
(ひとクラス30人として、日に180人の人員ッス。)
「奉仕活動をした次の日を休みと致します。日曜の休みはそのままです。後の4日は、学生の本分勉強に勤しんでください。」
(それはいいッス、肉体労働の後は疲れまッスね。)
「西の橋の建築現場より監督感として数人、三分の一の作業人を東にも入れますので、その者達の指示に従って奉仕活動をしてください。」
(そおッスね、素人だけでは橋は建たないッス。肉体労働ッスけどね。)
「食事は朝 昼 夕方と出ますので、ご安心ください。」
(ご飯は出るッスか、よかったッス。)
ここでおずおずと、父母の一人が手をあげた。
「あの……殿方の中にいて、娘に何かあったら…… 」
「安心してください。王太子が奉仕活動する場所ですので、いつ何時も近衛騎士が警備にあたっています。」
荒くれ共の民との共同に娘の身の心配をする母親に、コッペリウスは切り替えした。国王陛下の後ろの方で、深いため息を吐く者がいた。近衛騎士団の隊長である。
(ぱい先の同期の桜ッス。いざとなったら、近衛騎士も奉仕活動をさせられると思ったッスね。)
「御心配ならご父母の奉仕活動参加、いつでも歓迎いたします。」
(父母にも肉体労働させるッスか!? )
コッペリウスの言葉に、保護者達は目を反らした。
「最初は軽作業から入りますので、大丈夫でしょう。」
(そおッスね、まずは建設現場の準備ッスね。簡易トイレとか、宿舎に食堂ッスか。)
「子供にも出来る作業ですので、出来ない事はないでしょう。」
(そおッスね。オレも子供の頃、色んな建設場所で働いてたッス。できるッス。)
コッペリウスは書類を講演台にコンコンと叩くと、横に置いた。
「クラス編成は、学園長に任せますので後で書類を取りに来てください。此れで、私からの説明は終わります。」
(やったッス!! やっとこれで帰れるッス!! )
コッペリウスの上からの圧力が終わったことに学生 保護者 教師達は、緊張の糸をほどいた。
「ああ、忘れていました。ご父母殿、最後に一つ。」
(まだ何かあるんッスか!! )
安心した処に不意打ちのように言葉をかける。
「奉仕活動には寄付がつきものです。フジ侯爵家は、15億イエンをこの橋建設に寄付します。」
(それってつまり、他の者も寄付しろと脅してるッス!! )
侯爵家が15億を出すなら侯爵家は同等の金額。その上の公爵家は切のいいところで20億、伯爵は10億、子爵家は5億、男爵家は最低でも一桁に億はつけないと話にならない。
(ぱい先、寄付で建設費も浮かせる気でッスかーー!! )
コッペリウスは寄付で建設費を浮かせる気で満々であった。青ざめる保護者達に、コッペリウスはにっこりと微笑んだ。
(ぱい先、ぱい先の懐は全然傷んでませんッスよね。先程の賠償金をあてるッスよね!! )
婚約破棄の騒動を起こして、それを傍観した者達にも負債が発生した。公爵家は倍額だが。
(だから言ったんッス、言ってないッスけど。ぱい先に、時間を与えたら負債が増えるッス!! )
公爵が素直に賠償に応じていたら、橋建設の奉仕活動まで至らなかった。
「国王陛下。退室のお時間です。」
「うむ、では帰るか。」
頭を下げるコッペリウスに、国王陛下は頷き、ゆっくりと腰をあげた。
「帰って直ぐに城内の掃除に入ります。」
国王陛下は自分の横を風を切って歩くコッペリウスの凛々しい姿を見て、
(ぱい先、カッコいいッス。一生ついて行くッス!! )
【完】
77
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした
由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。
無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。
再び招かれたのは、かつて母を追放した国。
礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。
これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~
糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」
「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」
第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。
皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する!
規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる