【完結】悪役令嬢のお父様。

❄️冬は つとめて

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お父様と奉仕の心。

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このマウンテン国の王都はその名の通り、山を壁面を利用していた。北側は直立、南のなだらかな斜面に王都を建設していた。山の中腹に王城を建て、貴族街、商人街、庶民街と流れる川を堀として分け、波紋のように作られていた。

「御存知のように、庶民街と商人街の流通は南の中央の橋しかありません。これは真に不便であり、緊急事態の時人が集まり危険でもあります。」
(そうッスね、中央の橋だけでは将棋倒しなるッス。)

コッペリウスは今の王都の状態を話し出す。其れが、奉仕活動の何になるのかはこの場にいる者には分からなかった。

「以前より、西と東側の貴族街と商人街を繋ぐ橋の近くに庶民街と商人街の橋を掛けることを検討してきました。」
(そうッス。軍防の為、橋は商人街で東と西に別れてるッス。)
正門の南から入った者は、商人街で西と東にのどちらかに行かないと貴族街へとは行けない。しかしそれは庶民は行き止まりとなり、逃げ場がないことになる。

「今西の橋は着工し、着々と建設されている。しかし、東の橋はまだ手付かずでありました。」
(そうッスね、人員が足りないッス。西の橋だけで手一杯ッス。)

コッペリウスの父兄が辺境伯として護りを固めているが、先王達の横暴で国が傾いていた。他国が虎視眈々とマウンテン国を未だ、狙っている恐れがある。王都は民を人質に取られる恐れのある都市の形である。

(避難路として両端の橋は早めに作る必要があるッス。)
スクワード、うんうんと頷いた。

「東の橋も直ぐに着工したい処だが、何せ人手が足りなかったし資金も足りませんでした。」
コッペリウスは宰相に国内外をまるっと大掃除をしていたので、橋建設に着工したのはつい数年前の事である。他にもすることがあり、国庫の金も一度に二橋を作るには足りなかった。

「しかし人員が今日、確保できました。」
(ぱい先、まさか!? )
コッペリウスの言葉に、その場の者達はそれは良かったと手を叩いて称賛した。

「学生達の奉仕の心に感服致します。」
(学生に働かせるんッスか!! )
コッペリウスは講談台に手を付き、学生達に向かい頭を下げた。えっ、と学生達は目を開いた。


「それを承諾をしてくだされた、ご父母殿達にも感服致します。」
(ボランティア活動? 肉体労働ッスよね!! )
次に保護者に向かい頭を下げた。はっ、と保護者達は口を開けた。

「学園もカリキュラムとして橋建設を組み込んで貰える事を国として頭が下がる思いです。」
(授業に組み込むッスか!? )

ほえ~っ、教師達は驚きの声を上げた。三者三様、呆然としてまだ頭がコッペリウスの言っていることに追いつかない。

「貴族として奉仕の心、目に見える活動は民に確かに伝わるでしょう。」
(ぱい先、奉仕の心ってタダ働きッスよね!! )
コッペリウスは学生達の奉仕の心で、人件費を浮かす心算だ。

「待て!! 橋の建設とは、肉体労働ではないのか!? 私にそれをしろと言うのか!! 」
(だからお前は、黙っとれーー!! )
一番最初に王太子が声を上げた。

「王太子が率先して動けば、他の貴族は殿下を見習います。殿下の汗を流す姿は、民の心を掴むでしょう。」
(そうッスね、王太子がやってるのに他の者がしないわけには行かないッスね。)
コッペリウスは難なく返す。青ざめる王太子と学生達。

「む、娘は令嬢ですのよ、肉体労働など出来るはずはありませんわ。」
「大丈夫です、ご父母殿。」
コッペリウスの大丈夫と言う言葉に、令嬢と父母はほっとする。

「そうですわよね。令嬢に其のような無体なことを言う 」
「民の女性も西の橋建築で働いております。仕事は多々あります。」
(ぱい先、多分そういった意味で聞いたんじゃないッス。)
コッペリウスは父母に肉体労働だけではなく、仕事は沢山あると安心させる。

「宰相様、学園としてはそのようなことは 」
学園長が学園の授業として肉体労働は貴族父母の反発を負いかねないと否定しようと声を上げるが、

「民の仕事を、体で体験する。これ程の学習が他にあるでしょうか。」
(確かに、そおッスね。)
コッペリウスの言葉に、ぐうの音も出ない。学園長は嫌な汗をたらたらと垂らした。

「他に、御質問は。」
コッペリウスは上段から、学生達と父母を見下ろした。

(ぱい先、怖いッス!! )


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