【完結】私の婚約者は、妹を選ぶ。

❄️冬は つとめて

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婚約者は、妹を選ぶ。(本編)

お母さまとシエリア。

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(お母さまが、おかしい。)

シエリアは母のようすがおかしいのに感づいた。

何故なら今日はエドワードが来る日。邪魔者である自分を母が放って置くはずはない。

(お母さまが、機嫌がいい。)

自分を閉じ込めようとも縛り付けようともしない母に、シエリアは目だけで周りを見回せる。

(シアは何も知らないみたい。)
シエリアは何時もと変わらないエリシアに目を向ける。

(お父さまは…… お父さまは結構顔に出さないから分からないわ。いつもにこにこしてる。)
シエリアは父を見て、首を傾げる。

(お母さまは、まる分かりだわ。)
母は喜々としている。

(使用人達は。)
チラチラとこちらを気にしていた。

(なにかがあるわ。エリーには、分かる。)
シエリアは一生懸命考えた。

(そういえば…… 快眠快食快便のお母さまが、睡眠薬を調合してもらっていたわ。)
廊下を走り回っていたシエリアは、母の部屋の前を通りかかった時に聞いてしまった。

(不思議に思ったもの、快眠快食快便のお母さまが睡眠薬だなんて。)
シエリアはテーブルの上にある食事に目を向ける。

(つまり、この中に睡眠薬を盛ってある!? だから、お母さまは嬉しそうなのね。)
シエリアは確信した。

(でも駄目よお母さま。わたしは、エドワードさまに会いたいの。ううん、会わないと駄目なの。)
シエリアは目の前の食事を見る。

(確かめたい事があるの。真意が知りたいの。)
母の目を気にしながら食事を進める。一喜一憂する母のようすに、薬がどれに盛られているのか分かる。

(初回で、直ぐ分かったの。だから、プレゼントのをエドワードさまからは聞きたいの。)
自分に届いたプレゼントの意味をシエリア知りなかった。

(そして、あの花束。)
同じように見えて、少しシエリアの花束方か大きかった。

(その意味を知りたいの。)
シエリアは母の顔色を見て、食事を進める。母の顔が輝きに変わるモノを避けて。

(聞く前に、前回は逃げられてしまったけど。今日はぜったい聞いて見せるわ。)
盛ってあろうと思える、料理を避けてシエリアは食事を終えた。

「ごちそうさま~ 」
シエリアは席から立ち上がった。

(だから、今日もに会うの。)
目の前にある一杯の水を、あおるように飲み干した。


(聞かないと、をどう思っているか。)
悔しそうな母の顔を見て、にこっと笑う。

(ごめんなさいね、お母さま…… )

ばたん!!

「きゃーー!! シエリア!! 」
シエリアは食堂から出ようとした扉の前で、顔面から倒れた。エリシアは驚き駆けつけた。


「おーーほほほほほ!! 
ざまぁよ!! 勝った、勝ったのよ、あなた!! 」
妻は嬉しそうに夫を見る。

「わたくしの演技、見た!! 」
「ああ、名演技だったよ。」
感のいいシエリアを騙すために母は小芝居をしていたのだ。褒める夫に、見事にシエリアを騙せた妻はご満足だ。

「最後の水に睡眠薬を溶かしたたのよ!! 」
どうやらシエリアが飲んだ最後の一杯の水に薬を盛っていたようだ。
 
「お母様、睡眠薬て!? 」 
何も知らないエリシアが、声をあげて母を見る。

「これで、邪魔者は居なくなったわ。エリシアは、エドワードさんとちゃんと話をしなさい。」
「ええっ!! どういうこと、お母様!? 」
嬉しそうに手を取って娘に話をする母に、何がなんだか理解できないエリシアいた。

父は倒れているシエリアを見て首を傾げた。

(即効性、だったか? )

体ののよい、シエリアは直ぐに薬が効いて倒れてしまったのだ。

そう、シエリアは身体能力をだけではなくも良いだ。

すやすやと眠る娘に、一抹の不安を覚えながらも父はシエリアを抱き上げて寝かせる為に食堂を出る。

背中に妻の嬉しそうな声を聞きながら。










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