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婚約者は、妹を選ぶ。(本編)
なんとか解決。
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「二股かを確かめる為に? 」
「うん。」
母の疑問にシエリア応える。
「本人に、じかに聞く方が早いでしょ~ エリーのことをどう思ってるか~ て、」
二回目は花束を置いて、とっとと逃げられた。だから、今回は逃さないで聞き出そうと強くエドワードにしがみついたのだった。
「二股、だと…… 」
股の間に両手を握りしめ、ふるふると震えている父が呟いた。
大魔神の発動か。
「君は、エリシアとシエリアに二股をかけようとしていたのか…… 」
「そんな事はないわ、お父様。エドワード様は縁談を断ったもの。」
「そうそう、びっくりしちゃった~ あれほど、エリシアを見てたのに~ ロコツなほど~ 」
エドワードは隠しきれていると思っていたが、露骨な程エリシアに目を向けていた。
だからこそシエリアは不思議に思った、何故エドワードが自分を振り払わないのか。母の言う『おっぱい星人』なのかと。
だけど『おっぱい星人』なら鼻の下が伸びるのを知っていたシエリアは、修行僧のように微笑んでいるだけのエドワードを面白く思った。
「えっ、そうなの? 」
(確かによく目があったけど…… )
つい嬉しくて、エリシア頬が緩む。
「でも、シエリアにしがみつかられて嬉しそうだったわ…… 」
「シアがわたしを、たしなめた時は真っ赤になって喜んでたけど~ 」
『修行僧の微笑み』の如く動かなかった顔がエリシアのシエリアを窘める言葉で、嬉しそうに緩むのをシエリアは見逃さなかった。その後直にエドワードは自分を引き離し逃げ出したのであった。
だからシエリアはエドワードはエリシアを好いていると確信した。
(でも~ お母さまが、おかしい~ って、)
『おっぱい星人』ではない。
だが母の言う『おかしい』に反応をしてシエリアは『おかしい』を確かめる為に二回目も会おうと思ったのあった。
二回目の花束がエリシアより少し大きな事に『ふた玉?』と、シエリアは三度目もぜったい会おうと決めたのであった。
そして追い詰めた結果が、縁談のお断りとエリシアへの告白へと誘った。
「縁談断ったじてんで~ ふた玉疑惑はなくなったわね~ 」
エリシアとシエリアの言葉に、父も溜飲を下げた。
大魔神の発動が、おさまった。
「でも、縁談相手を間違えるなんて~ おっかし~ 」
「元凶が黙らっしゃい!! 」
「いたあ~い~ 」
母が、シエリアを叩く。
「それで、君はこの縁談は断るのか。」
「あ、いえ!! 」
エドワードは咄嗟に声をあげ、顔もあげた。
「できればこのまま進めて、頂けたら…… その、エリシアさんがよろしければ…… 」
尻窄みになりながら声を出して縋るようにエリシアを見詰める。まるで捨てられた仔犬のように。
「くすっ…… 」
エリシアは目を閉じて背筋を伸ばす。
「条件があります。」
エリシアはエドワードに微笑む。
「シエリアにしがみつかれたら 」
「全力で引き離し振りほどきます!! 」
エリシアが最後まで言う前にエドワードは応えた。
「ふふ、これから宜しくお願いします。」
エリシアは頭を下げる。
「あ、ありがとございます。こちらこそ、宜しくお願いします。」
エドワードはその場で、土下座をして頭を下げた。
「はぁ…… なんとか纏まったようだな。」
「やった!! おめでとう~ 」
「あなたが出向かなかったら、揉めることもなかったのよ。」
ぱしぱしと、母は目の前に正座するシエリアを叩く。
「え~~ わたしだけ、わるもの~? 」
頭を押さえながらシエリアは納得いかないと声をあげる。
「だってエリシアには『おっぱい星人』を近づけるなて、言ってたじゃない~ 」
「誰が言ったの、そんなこと!! 」
「お母さまよ~ 」
『お母さまよ~ 』
『お母さまよ~ 』
応接間に響く。
元凶が此処にいた。
そして次の日。
「今迄悪かった。」
エドワードは同僚に頭を下げる。
「相手を間違えてたなんてな。それで縁談は纏まったのか。」
「ああ、エリシアが許してくれて。」
嬉しそうにエドワードは笑った、リア充である。
「今迄、本当に悪かった。」
「もう、いいって。」
同僚は今迄の事を許すと手を振った。
「いや、今回の事でよく分かった。お前が今迄、恋愛に悩んで仕事を疎かにしてきたり失恋したと急に休んだりしてきた気持ちが。」
恋多き同僚は、何度もぽんこつ状態になってエドワードに迷惑をかけていた。
「恋って、素晴らしい。今ならよく分かる。」
「そ、そうだな~~ 」
同僚は目を逸した。
「と、言う訳で…… 来週有給取るから、宜しくな。」
今回のお詫びにエリシアと旅行に出ようと提案をした、一週間。
「えっ、ちょと待て!! 」
「さあ、仕事、仕事。」
エドワードは晴れ晴れと、机に向かい仕事を始める。
エリシアとの旅行を思いながら。
【完】
「うん。」
母の疑問にシエリア応える。
「本人に、じかに聞く方が早いでしょ~ エリーのことをどう思ってるか~ て、」
二回目は花束を置いて、とっとと逃げられた。だから、今回は逃さないで聞き出そうと強くエドワードにしがみついたのだった。
「二股、だと…… 」
股の間に両手を握りしめ、ふるふると震えている父が呟いた。
大魔神の発動か。
「君は、エリシアとシエリアに二股をかけようとしていたのか…… 」
「そんな事はないわ、お父様。エドワード様は縁談を断ったもの。」
「そうそう、びっくりしちゃった~ あれほど、エリシアを見てたのに~ ロコツなほど~ 」
エドワードは隠しきれていると思っていたが、露骨な程エリシアに目を向けていた。
だからこそシエリアは不思議に思った、何故エドワードが自分を振り払わないのか。母の言う『おっぱい星人』なのかと。
だけど『おっぱい星人』なら鼻の下が伸びるのを知っていたシエリアは、修行僧のように微笑んでいるだけのエドワードを面白く思った。
「えっ、そうなの? 」
(確かによく目があったけど…… )
つい嬉しくて、エリシア頬が緩む。
「でも、シエリアにしがみつかられて嬉しそうだったわ…… 」
「シアがわたしを、たしなめた時は真っ赤になって喜んでたけど~ 」
『修行僧の微笑み』の如く動かなかった顔がエリシアのシエリアを窘める言葉で、嬉しそうに緩むのをシエリアは見逃さなかった。その後直にエドワードは自分を引き離し逃げ出したのであった。
だからシエリアはエドワードはエリシアを好いていると確信した。
(でも~ お母さまが、おかしい~ って、)
『おっぱい星人』ではない。
だが母の言う『おかしい』に反応をしてシエリアは『おかしい』を確かめる為に二回目も会おうと思ったのあった。
二回目の花束がエリシアより少し大きな事に『ふた玉?』と、シエリアは三度目もぜったい会おうと決めたのであった。
そして追い詰めた結果が、縁談のお断りとエリシアへの告白へと誘った。
「縁談断ったじてんで~ ふた玉疑惑はなくなったわね~ 」
エリシアとシエリアの言葉に、父も溜飲を下げた。
大魔神の発動が、おさまった。
「でも、縁談相手を間違えるなんて~ おっかし~ 」
「元凶が黙らっしゃい!! 」
「いたあ~い~ 」
母が、シエリアを叩く。
「それで、君はこの縁談は断るのか。」
「あ、いえ!! 」
エドワードは咄嗟に声をあげ、顔もあげた。
「できればこのまま進めて、頂けたら…… その、エリシアさんがよろしければ…… 」
尻窄みになりながら声を出して縋るようにエリシアを見詰める。まるで捨てられた仔犬のように。
「くすっ…… 」
エリシアは目を閉じて背筋を伸ばす。
「条件があります。」
エリシアはエドワードに微笑む。
「シエリアにしがみつかれたら 」
「全力で引き離し振りほどきます!! 」
エリシアが最後まで言う前にエドワードは応えた。
「ふふ、これから宜しくお願いします。」
エリシアは頭を下げる。
「あ、ありがとございます。こちらこそ、宜しくお願いします。」
エドワードはその場で、土下座をして頭を下げた。
「はぁ…… なんとか纏まったようだな。」
「やった!! おめでとう~ 」
「あなたが出向かなかったら、揉めることもなかったのよ。」
ぱしぱしと、母は目の前に正座するシエリアを叩く。
「え~~ わたしだけ、わるもの~? 」
頭を押さえながらシエリアは納得いかないと声をあげる。
「だってエリシアには『おっぱい星人』を近づけるなて、言ってたじゃない~ 」
「誰が言ったの、そんなこと!! 」
「お母さまよ~ 」
『お母さまよ~ 』
『お母さまよ~ 』
応接間に響く。
元凶が此処にいた。
そして次の日。
「今迄悪かった。」
エドワードは同僚に頭を下げる。
「相手を間違えてたなんてな。それで縁談は纏まったのか。」
「ああ、エリシアが許してくれて。」
嬉しそうにエドワードは笑った、リア充である。
「今迄、本当に悪かった。」
「もう、いいって。」
同僚は今迄の事を許すと手を振った。
「いや、今回の事でよく分かった。お前が今迄、恋愛に悩んで仕事を疎かにしてきたり失恋したと急に休んだりしてきた気持ちが。」
恋多き同僚は、何度もぽんこつ状態になってエドワードに迷惑をかけていた。
「恋って、素晴らしい。今ならよく分かる。」
「そ、そうだな~~ 」
同僚は目を逸した。
「と、言う訳で…… 来週有給取るから、宜しくな。」
今回のお詫びにエリシアと旅行に出ようと提案をした、一週間。
「えっ、ちょと待て!! 」
「さあ、仕事、仕事。」
エドワードは晴れ晴れと、机に向かい仕事を始める。
エリシアとの旅行を思いながら。
【完】
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